みなさまこんにちは。こんばんは。
見てください。
私と共に数々の修理を乗り越えてきたスプレー缶たちです。面構えが仕上がっています。

普段何気なく使ってきましたが、あらためて成分に注目してみると共通点やそれぞれの違いがあって面白そうだったので取り上げてみようと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
目次
KURE / パーツクリーナーP.S.
その名の通り、クリーナーです。4本の中で最も使用頻度が高く、プラスチックや金属を問わず使える優れものです。汚れの成分が分からずとも、小手調べで使えるので何かと重宝しています。
また、大きくて大容量なのが評価ポイント高めです。

成分に関しては、高純度石油系溶剤となっており、第1石油類が含まれています。
第1石油類とは、1気圧で、引火点が 21°C未満のもの。
アセトン、ガソリン、ベンゼン、トルエン、ピリジン、臭化エチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トリエチルアミン、アクロレイン、アクリロニトリル、エチレンイミン、アセトニトリル。

石油類の中で最も引火点が低いので危険なのでは?と思いますが、裏を返せばそれだけ揮発性があると言えます。揮発性=速乾性があるという性質は、クリーナーに抜擢された所以としては納得ができます。
実際、電子機器で使用することが多々ありますので、速乾性があるに越したことはないです。とても考えられているのですね。
KURE / グリースメイト
グリースメイトは鉱物湯や合成油を基油とした潤滑剤です。粘度が高く、揮発しにくく、その場に長時間とどまる性質があります。グリースといった半固体の潤滑剤は、圧力がかかるところで機能します。例えば、ドアのヒンジやジャッキなど、圧力がかかる場所などです。逆に軽い力で高速回転させたいパーツではグリースが抵抗となってしまうのであまり向いていません。

成分に関しては、グリース、石油系溶剤となっており、第2石油類が含まれています。
第2石油類とは、1気圧で、引火点が 21°C以上 70°C未満のもの。
灯油、軽油、酢酸、無水酢酸、キシレン、クロロベンゼン、ニトロメタン、テレビン油、スチレンモノマー、アクリル酸、N,N-ジメチルホルムアミド、プロピオン酸。

第1石油類と比べると、21°C以上 70°C未満ということで、引火点が高くなっております。長期間保持するという利点に加え、極圧性、耐熱性、耐水性、防錆性があるので、自動車などの機械分野の中では最も選択される可能性が高いと思われます。
KURE / 5-56
5-56は流動潤滑剤のため、狭い隙間に入り込んでくれます。ナットのネジ溝であったり、チェーンだったり、そういった細かい金属部品の潤滑剤に使用します。
最近では、ドラムのキックペダルのチェーンに塗布して、ある程度サビが落ちたらパーツクリーナーで洗浄、という組み合わせ技で使用しました。サビ落としとしても優秀です。

成分に関しては、鉱物油、防錆剤、石油系溶剤となっており、第3石油類が含まれています。
第3石油類とは、1気圧で、温度 20°Cで液体であって、引火点が 70°C以上 200°C未満のもの。
重油、クレオソート油、クレゾール、アニリン、ニトロベンゼン、グリセリン、エチレングリコール、トリレンジイソシアネート、2サイクルエンジンオイル。

引火点が 70°C以上 200°C未満ということもあり、常温では比較的安全です。
個人的には、自転車のチェーンによく使っていたなぁという印象を持っています。昔からなぜか家に1本は置いてあるんですよね(そんな経験、ないですか?)。
Sunhayato / 接点復活王
接点復活剤です。これはフォンジャックやUSB端子などの接点を洗浄するときに使います。接点不良によるノイズはこれで解決したりもします。薄く塗布するのがポイントです。

成分に関しては、第4石油類とだけ記載がありました。
第4石油類とは、1気圧で、温度 20°Cで液体であって、引火点が 200°C以上 250°C未満のもの。
潤滑油(ギヤー油、シリンダー油、タービン油)、リン酸トリクレジル、フタル酸ジオクチル。

引火点が 200°C以上 250°C未満なので、4つの中で最も引火しにくいです。
第4石油類の主な物質として挙げられているのも、ギヤー油やシリンダー油といったものですので、燃料としては利用されることはないようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。石油類という共通点はありながらも、それぞれ仕様用途や性質が違うことがお分かりいただけたと思います。
ガソリン、灯油、重油もそれぞれ順に第1、2,3石油類と分類されているようです。
事故が身近にあるわけではないですが、同じく石油類であるこのスプレーもきちんと適切に使用し、適切に保管する必要があるな、と改めて感じました。
今日も今日とて、グリスアップ。
ご一読ありがとうございました。次回もまたよろしくお願い致します!