こんにちは、技術部の松井です。
今回はフェーダーに関するトラブルについてです。DMXコントローラーからの信号が安定しない、最小値まで下げているのに0%にならないといった不具合は、そのほとんどがフェーダーの不良によるものです。
よく見られるのは埃やゴミなどの異物混入による接点不良、内部カーボンの摩耗による接点不良です。前者は埃を取り除いたり、上部から接点復活材を入れてフェーダーを上下に動かしてなじませる事でメンテナンスできる場合もありますが、やはりそれだけでは、根本的に症状が改善されないケースもあります。
基本は新しいフェーダーへの交換をおすすめしていますが、手持ちの交換フェーダーがなく、直る見込みのありそうな状態であれば、内部を開けて修正を試みます。
傷つけないように注意しながら半田をとってフェーダーを基板から外します。


今回お見せするのは、裏返すとこのように8箇所の爪を折り曲げて固定されているタイプ。爪を立てるとカバーを外す事ができるので、マイクロニッパーを使用して外しますが、ドライバーやペンチなど先の細いものでもできます。
まずは黒い部分、カーボンが摩耗して削れていないかどうか。カーボンが削れてしまっていてはいくら綺麗にメンテナンスをしたところで改善しません。問題なければクリーニングします。あまりゴシゴシとやらないように丁寧に掃除します。
それからブラシもチェック。先が折れていてはダメですが、残っているならカーボンにきちんと接地するかどうかをみます。接地が甘いとスライドさせた時に浮いた状態になってしまいますので、少し曲げを変えてみてしっかりと接地するようにします。
あとは分解と逆手順で組み上げて、テスターで抵抗値の変化をチェックし、問題なければ基板にとりつけて完了です。
DMXコントローラーで操作する照明の動きが不安定な時は、フェーダーが原因になっているかもしれませんので、特定のチャンネルで不具合があるかどうかをチェックしてみると良いかと思います。
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