
今回は、おすすめのリバーブ・プラグイン、iZotope / NeoVerbをご紹介します!私事ではありますが、個人的にリバーブには強いこだわりがあります。様々な種類のプラグインを試してきましたが、究極のリバーブを探す旅に結論は出ず、道半ばとなっていました。そんな中、今回紹介するNeoVerbは新製品ながら個人的に早くも不動のレギュラー入りしております!
NeoVerbは「iZotopeの技術」と「Exponential Audioから継承された技術」を融合させて開発された、現代で最もインテリジェントなリバーブ・プラグインです。Exponential Audioのリバーブを以前から愛用していたため、発表された当初より非常に期待値が高くなっていました。しかしその期待を裏切らない、新たな時代を切り開く製品として見事に昇華されています! DTM初心者からプロフェッショナルまで、全てのDTMユーザーにお勧めしたい傑作プラグイン・リバーブとなっています。
では、その理由をご説明していきたいとおもいます。
目次
AIによるアシスト
iZotopeの代名詞とも言えるAIアシスタント機能は、Reverb AssistantとしてこのNeoVerbにも搭載されています。しかし、これまでのiZotope製品のOzoneやNeutronなどのAI機能とは少々趣向の異なるものになっています。OzoneやNeutronでは最低限のフォーマットを決めたらあとはAIにお任せするような流れになっていたのに対して、NeoVerbでは、ある程度自分の作りたい雰囲気やスタイルを指定したうえで生成されるようになっています。指定の方法は至ってシンプル!Style、Tone、Sizeなどのわかりやすい項目から選んでいくだけです。

- Style
- 「Realistic」から「Dramatic」の間で好みのリバーブのスタイルに調整します。
- Size
- XS・S・M・L・XLの中からリバーブのサイズを決めていきます。
- Dry/Wet
- 原音とリバーブ音のミックスを調整します。
- Tone
- Clean・Dark・Bright・Airyからリバーブのトーンを選択します。
実際に音源を流してサウンドを確認しながら選択することができるため、イメージとずれるということもありません。もちろんアシスタントの結果を適用後にも微調整していけるため、AIの力を借りながらも自分の理想に近づけていくことが可能です。そのため、DTM初心者に限らず玄人の方にとっても、Reverb Assistantを叩き台として使い、そのうえで設定を追い込んでいくような使い方も効果的です。
3種の残響を感覚的にミックス
美しい三角形のBlend Padでは、アーリーリフレクション(初期反射)、ミディアム、ラージの3種のリバーブをブレンドして求めるサウンドを感覚的に見つけ出すことができます。ミディアムではRoom、Plate、M.Chamberの3種から、ラージではHall、L.Chamberからそれぞれ選択可能です。

個人的には、アーリーリフレクションでルーム感を決めて、そのあとにミディアム、ラージでリバーブのテールを決めていくような使い方をしています。もちろんBlend Padだけでなく、必要なパラメーターは全て用意されているため、こだわり派の方も納得いくまで調整を重ねていける仕様となっています。
AI機能を使ってサウンドを洗練
EQセクションでは、手動での調整はもちろん、AutoCutやUnmask、Masking MeterなどのAI機能を活用して、リバーブの効果をより際立たせていくことができます。リバーブがかかる前のサウンドであるPre-EQでは、AutoCut機能が、リバーブがかかることで濁ったり耳障りになる帯域を自動的にカットします。

リバーブがかかった後のサウンドであるReverb-EQでは、UnMask機能が、原音をマスキングしてしまう帯域を抑えます。

UnMask機能は、原音のみならず、他のトラックのサウンドをマスキングしないように設定することも可能。ただし、これは対応するiZotopeプラグインが挿さっているトラックに限ります。(対応製品: Neutron 3、Nectar 3、VocalSynth 2、Relay)さらに、Masking Meterがマスキングされている帯域を視覚的に表示するため、問題となる箇所を一目で識別することができます。リバーブのEQ設定は難しいものですが、これらの機能で容易に問題点を排除し、リバーブサウンドを洗練させていくことができます。
サウンドの幅を広げる各種機能
Mod pad
コーラスエフェクトを付加することができます。自然なピッチの減衰を表現したり、ガッツリかけてエフェクティブなサウンドにすることもできます。
X/Yパッドで調整可能なため、感覚的にパラメーターを決められます。

- Depth
- コーラスの深さを調整します。
- Rate
- コーラスのスピードを調整します。
BPMシンク
プリディレイ(リバーブの始まり部分)を音符で指定することができる機能。これにより、リバーブのアタックを目立たせないようにするなど、調整がしやすくなります。
Input Smoothing
急に大きい音が入力された際などにリバーブ音も意図せず目立ってしまうことなどがありますが、この機能を活用することでリバーブのサウンドを均一に保ち、聴きやすいサウンドを維持してくれます。

多彩なプリセット
楽器別にプリセットが用意されているのはもちろん、目的別に探すことも可能です。ここで方向性を決めてから調整していくのも一手です。
ウィンドウのサイズ調整
サウンドとは直接関係ありませんが、DTM作業中はDAWソフトや他のプラグインやソフト音源で画面がいっぱいになっていることも多いかと思います。NeoVerbはウィンドウサイズを自由に調整できるためスペースを確保しやすく、こういった場面にもiZotopeの細やかなホスピタリティを感じますね。
NeoVerbを紹介してきましたが、リバーブとして必要な機能は全てここに集約されています。いや、そういった表現にとどまらず、これからの時代にリバーブ・プラグインとして必要になるものまで既に完備されています!理想のサウンドを容易に見つけられる、ということがiZotopeのAIのすごいところではありますが、AIが導き出した結果を辿ることで、音作りについての学びや発見に繋がったりすることも多く、一つの教科書としてもオススメしたいです。その一方で間違いなく高いクオリティと、どこまでも追求できる操作性を兼ね備えています。
全てのDTMerにオススメしたいと書いてきましたが、これは過剰な表現ではありません!ぜひお持ちのシステムへ導入をご検討ください!