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歩き遍路の奨め! 自分自身を見つめ直す絶好のチャンス!歩き遍路で結願する人の数!

2024-08-19

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

四国八十八ヶ所霊場を巡る遍路みちは、古代より現代に至るまで多くの人々を魅了してきました。四国をぐるりと一周する遍路みちは、最短距離でも1200kmほどになり、古くから行者が歩んできた古来の遍路みちを通ると1400㎞にもなると言われています。昔の人は1日40㎞前後を歩くこともあったようですが、その健脚をもっても1か月以上の期間をかけなければ、一周することができないのです。実際には、ほとんどの方が40〜50日かけていることからしても、大変な労苦を伴うことがわかります。しかもその遍路みちの途中には難所と呼ばれる険しい山道が複数あるだけでなく、札所と呼ばれる霊場との間がとてつもなく長く、1日かけても到達できないような長距離の箇所もあります。

それでも四国八十八ヶ所の遍路みちに憧れて、八十八ヶ所のすべての霊場を区切り打ちにしてでも、自分の足で歩き遍路を全うする人は、例年後を絶ちません。歩き遍路、すなわち車を使わず、自らの足を使って四国八十八ヶ所霊場を全部回った人に与えられる「四国八十八ヶ所霊場遍路大使」の称号を得た人は、2019年では遂に4万人を突破しました。2008年には1万人、2012年には2万人、そして2015年には3万人を超えていることから、毎年、少なくとも2500人の人々が、自分の足で四国を1周していることがわかります。

熊野古道では外国人旅行者も多いことから、年間4万人以上の人々が訪れていますが、四国八十八ヶ所霊場の1200㎞を超える遍路みちは2~3日で終わるような山道の旅とは異なり、難易度が全く異なります。にも関わらず、「四国八十八ヶ所霊場遍路大使」の数は増え続け、特にここ最近では海外からの参加者が急速に増えてきていることにも注目です。もしかすると近い将来、外国人に与えられる遍路大使称号の数は、日本人の数を超えるかもしれません。

大変な遍路みちを歩む8つの理由とは

四国八十八ヶ所の遍路みちを、車などの文明の利器を使わず、自分の足だけで歩み続けることは、至難の業です。1200㎞以上の道のりをひたすら歩き続ける訳ですから、余程の覚悟がないかぎり達成できず、言葉では言い尽くせない大変な労力と精神力を伴います。それでも、八十八ヶ所の霊場を回るために、あらゆる苦難を乗り越えて、多くの人がチャレンジする理由はどこにあるのでしょうか。四国八十八ヶ所霊場を歩き遍路の旅に出る理由、自分の限界に挑み、あらゆる苦しみを乗り越えてでも、多くの人がひたすら歩き続けて結願を目指す理由を8つ考えてみました。

1.自らの精神的な充実感と霊性を高めるため

空海が定めたとされる四国八十八ヶ所霊場を回ることにより、日々の慌ただしさから解放され、しっかり自分と向き合う時間が生まれます。そして大変な道のりを克服しながらひたすら歩み続けていると、不思議と無になる時も訪れ、自己の精神的な充実感と高揚につながります。遍路みちを自分の足を使ってしっかりと進んでいくという心意気により魂が潤い、自らの成長に結び付くことでしょう。

2.自然とのふれあいを大切にする時間

四国八十八ヶ所の遍路みちは、四国の大自然に育まれてきました。スタート地点は市街地から始まりますが、その途中から険しい山道、川沿いの道、大きな池の淵を回る道、急斜面の岩道など、さまざまな自然に遭遇します。海沿いの長い道をひたすら歩む箇所も多く、ふと気が付くと山腹からパノラマの景色さえも満喫することができます。遍路みちとは、まさに大自然との出会いの場なのです。

3.人生の区切りをつける節目の旅路

誰でも人生には分岐点というものがあります。その人生の節目において、何か新しいことにチャレンジしよう、今しかできないことに果敢に立ち向かおう、という思いで臨むのが、四国八十八ヶ所の遍路みちです。例えば50歳になった時、60歳で還暦を迎えた時、会社を退職した時、親族に死に別れた時、離婚した時など、人生の大事な転換期において、遍路みちを歩み続ける修行の旅は、新たなる人生の始まりを予感させるポジティブな体験と言えるでしょう。

4.ほんまもんの日本を体験できる旅

本当の日本の姿を体験できる場として、四国八十八ヶ所の遍路みちは、特に外国人に対してアピール度が高いと言われています。訪日客が急増する中、都会の生活ではなく、伝統的な日本の様式を知りたいという海外からの観光客は大変多くなっています。四国八十八ヶ所霊場の数々と、その遍路みちこそ、日本古来の文化と風習の素晴らしさを体験できる場ではないでしょうか。それ故、日本人に限らず遍路みちとは、外国人にとっても魅力的な旅路に映るのです。

5.禊の意味も含めた懺悔の旅

古くから四国八十八ヶ所の遍路みちを歩むということは、人生における懺悔の旅に出ることと一緒であると語り継がれてきました。人生にはさまざまな苦難がつきまといます。そして誰でも多くの失敗を繰り返し、時には取り返しのつかない失態を経験する人も少なくありません。悔やんでも悔やみきれない自分の過ちに直面する時、遍路みちの苦行は、懺悔の旅にとって代わることができるのです。そして自らを振り返り、反省することにより、心が浄められていく場となるのです。

6.空海を崇め祀る信仰による同行二人

四国八十八ヶ所の遍路みちの苦行をあえて選択する人の中には、弘法大師、空海を崇拝し、空海を崇め祀るが故、ひたすら歩み続けたい、という人も少なくありません。遍路みちの骨子は「同行二人」とも語り告がれてきたとおり、遍路みちを歩く人々には空海が共に歩んでくださる、という信仰心が息吹いています。よって、空海を愛する信仰者にとって、つらい遍路みちを歩むことは当たり前のことであり、むしろそれが喜びとなり、自らの誇りとなる信仰の行いに繋がるのです。

7.自らの死に場所を求める極楽浄土の旅

四国八十八ヶ所の遍路みちを歩むもうひとつの目的は、自らの死に場所を求めるという究極の選択肢です。そもそも遍路みちには難所が多く、特に年配の方々にとっては、歩き続けることが無理な場所が少なくありません。遠い昔では今日のようにGPSや正確な地図があるわけもなく、周囲との連絡方法もありません。よって一度道に迷ったり、途中で具合が悪くなったりすると、時にはそれが死を意味していたのです。特に険しい峠の周辺では、古くから命を絶ったお遍路さんが後を絶ちませんでした。それでも人々は遍路みちを歩み続けたのです。それは四国八十八ヶ所霊場の遍路みちが、時には墓場となることの証とも言えます。そのため、巡礼の際には道中衣として軽爽白衣とよばれる白い衣を着て、人生の終焉に備えたのです。

四国八十八ヶ所の遍路みちの素晴らしさ

さて、ここまで書くと、四国八十八ヶ所の遍路みちとは、特に若い人には関係のない苦行の場のようにも聞こえるかもしれません。確かに、実際に四国の遍路みちを歩き遍路で完結した人々を振り返ると、圧倒的に年配の男性が多いのも事実です。しかしながら今や諸外国からの参加者も多くなり、外国人の中には意外にも女性や若い人たちの一人旅が目につくのです。四国八十八ヶ所遍路みちとは、年配の男性が自己の鍛錬のために歩んでいると思われがちですが、もはやそのイメージはありません。遍路みちは、健脚の人ならば誰でもチャレンジできる人生のみちのりの一環であり、女性でも若い人でも、その素晴らしさを満喫できるのです。

今日の遍路みちは、GPSの技術が発展したこともあり、道に迷うことがほとんどなくなりました。天気予報も素晴らしい精度で事前に察知し、遭難の危険を避けることもできます。また万が一、怪我をして歩けなくなった時でも、携帯電話さえあれば、救助を要請することもできます。無論、そのような厳しい難所は数か所しかありませんし、季節や天気をきちんと考慮すれば、危険に遭遇することはまずありません。それ故、今日の歩き遍路は昔と違い、安全に楽しむことができる長い旅路と言えそうです。

四国八十八ヶ所霊場をめぐる1200㎞を超える遍路みちとは、絶対に結願するという強い思いがあってこそ達成できる、人生の中で最もハードルが高い旅路です。確かに遍路みちの途中には、精神的につらい箇所、足が棒になるような難所も少なくありません。しかしながら遍路みちは自分のペースに合わせて、区切り打ちに分けて、少しずつ進むこともできます。それらの壁を乗り越えて結願した暁には、言葉にできないほどの達成感と幸福感を得ることができる至福の時が待っているのです。そんな四国八十八ヶ所遍路にチャレンジしよう、と思い立ってみてはいかがでしょうか!実際に遍路みちを歩き始めることにより、人生に対する考え方が一変!すべてに感謝し、前向きに歩んで行くという新しい人生が始まります。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 

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