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となりのトロロが増えてきた?

2024-07-01

テーマ:サウンドハウス創業者のコラム「Rickの本寝言」

Rickの本寝言 サウンドハウス創業者が本音をついつい寝言でつぶやく!

「となりのトトロ」と言えば宮崎監督の代表作であり、スタジオジブリのアニメーションとしてあまりにも有名だ。ストーリーの中で、幼い子供2人が不思議な生き物が住んでいる屋敷に行き、お化けを発見する!そして次々と奇妙な生き物との出会いがあり、森の中に住んでいるトトロとも遭遇し、思いがけぬ交流をもつことになる。そんな子供たちとお化けとの関わりあいを描いた、心温まる作品が、「となりのトトロ」だ。どんな化け物であっても、心が通じれば怖くない。むしろお友達として、信頼しあっていける。

夢のような話にはなってしまうが、会社の事業も日々、「となりのトトロ」のような森の中をさまよい歩いているようなものだと、ふと、考えてしまった。世の中の変化は激しく、状況が刻々と変化する最中、先が見えない世界というのは、お化けの世界と変わらない。その中で、いろいろな人たちとの出会いがある。海外の人との交流も多々あり、また、社内においてはスタッフ同士の交流も欠かせない。そのようなせわしく、また、ごった返しているような環境下においても、心が通じあい、みんなが仲良くやっていければ、それにこしたことはない。

しかしながら、それは理想の話であって、現実は厳しい。往々にして人の心は読み取れず、言っていることとは裏腹に、全く違うことを考えているような人に出くわすことも、しばしばある。ちょっとしたことで豹変する人も少なくない。また、物事を常に悪い方向に解釈し、ネガティブ思考が止まないスタッフもいる。自分の病歴を隠したり、うそをつく人も時折見かける。こうして振り返ると、いろいろなお化けがうごめきあっているのが、今風の会社ではないかとも思えてくる。つまり現場の森とは、日々、混沌としていて、いつ、誰に遭遇し、どんな問題にぶつかるのかわからないことだらけなのだ。それこそ正にお化けの世界だ。そして時には真向から対峙してくる化け物のようなお化けも登場する。すると、美しい森だったはずが、いつしか「鬼滅の刃」の戦い場と化してしまうこともある。

こんなつまらんことを土曜の朝、考えているようでは、自分の人生もたいそう、堕落したもんだと思う。そんな暇はもうないはずだ。何がとなりのトロロか??え?トロロ?そうだ。自分の周りがトトロのようなお化けだったらまだしも、ここ最近、緊張感のない、時間を気にしない、のんびりしたトロい人が増えてきたような気がする。つまり「となりのトロロ」だ。自分のとなりにいるはずの、自分を理解して応援してくれるお化けのトトロではなく、いわゆるのんびりやさんともいえるトロい、トロロに見えてくるのだ。もし、これが本当だとするならば、痛い悩みとなる。

デジタル化された社会にあっては、情報の共有が早く、また、競合他社もさまざまな策を練ってきていることから、瞬時に対応して、方針を取り決め、臨機応変にどんどんと先を見据えて進んでいくことが求められている。だからこそ、昨今のメールやチャット、AI化の流れはありがたい。自分が欲しい情報が即刻得られるだけでなく、会社の経営者として随時、指示を出せるからだ。そして願わくは、こちらが指示を出さなくても、それぞれが率先して行動し、結果だけをさくさくとこちらに報告してもらえることが望ましい。そうすることにより、自分の時間も無駄なく、フルに有効活用できる。しかしながら、それを実践することがいかに難しいことかを、昨今痛感している。

2024年、活躍する成長企業に求められているのは、スピード感だ。何事においても、さくさくと決めて、処理を実行することが大事なのだ。そして間違いがあったら、すぐに修正するのは当たり前。その日にできることを翌日に持ち越したり、後回しにしたりせず、何事も瞬時に対応することを原則とする。そうすることにより、業務の流れはスムースになり、時間の無駄がなくなり、結果としてみんなの仕事が早く終わり、みんなが早くお家に帰って美味しいご飯を食べれるのだ。ところがその即対応がなかなかできないトロロが増えてきたように思う。なぜ、多くが「となりのトロロ」になってしまうのか?なぜ、すぐに実行しないのか?なぜ、後回しにしてしまうのか?なぜ、わかる人に聞かないのか?それらの原因は、ゆとり世代の特徴なのか?

ゆとり世代とは今、20代後半から30代前半の人たちを指す。昭和の時代と違って、なんら不自由なく育てられてきたこともあり、ITスキルは高くとも、ストレス耐性が低く、チャレンジ精神が伴わないことで知られる。まあ、何ら苦労もせず、不自由なく育てられてきた世代だから、当たり前のことかもしれない。また、ゆとり世代は自分のアイデアを大切にするあまり、会社の方針とぶつかってしまうことも多々あると聞く。それ故、号令をかけて、「突撃!」「すぐに終えよ!」と言って、振り返ると、誰もついてきていない、なんてことになりかねない。こんな悪夢のような状況にならないように、となりのトロロたちが、トトロになるように教育しなければいけない。だとするならば、どうすればいいのか。

答えははっきり言って、わからない。時代の変化が早すぎるからだ。しかも昭和世代の自分の考えは、いくら頑張っても今風の若者の考えになかなか近づくことができない。そこには距離感だけなく、人生に対する根本的な価値観の違いがあるようにも思っている。つまるところ、自分が変らなければ、相手も変わることはないようだ。決してあきらめることなく、いつかトロロが、トトロになってくれることを願っている。

Rick - 中島尚彦 -

1957年東京生まれ。10代で米国にテニス留学。南カリフォルニア大学、ウォートン・ビジネススクールを経て、フラー神学大学院卒。GIT(Guitar Institute of Technology)第2期生のギタリスト。80年代にキリスト教会の牧師を務め、音楽ミニストリーに従事しながら、アメリカで不動産会社を起業。1989年、早稲田でライブハウス「ペトラクラブ」をオープン。1993年千葉県成田市でサウンドハウスを創業。2001年、月間地域新聞日本シティージャーナルを発刊。主幹ライターして「日本とユダヤのハーモニー」の連載をスタートし、2010年よりwww.historyjp.com を通じて新しい切り口から古代史の流れをわかりやすく解説。2023年、一般財団法人サウンドハウスこどものみらい財団を創設し、こどもたちの支援にも従事。趣味はアイスホッケー、ピアノ演奏、トレイルラン、登山など。四国八十八ヶ所遍路を22日で巡る。グループ企業の経営指導に携わるかたわら、古代史の研究に取り組み、日本のルーツ解明と精神的復興をライフワークとする。

 
 
 
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