ギターを弾く時、ワイヤレスシステムではない限りギターとエフェクター、アンプをつなぐシールドは必要だ。(当記事での「シールド」とはギター用ケーブルのこと)バッテリーと電波を使うワイヤレスは、ステージパフォーマンスにおいて便利だが一般に音質はケーブルの方に軍配が上がるだろう。また音が出ないなどのトラブルにも、シールドの方が対処を判別しやすい。ワイヤレス、シールドは全く使用方法がちがうので、どちらが良いかは一概に言えないが、レコーディングスタジオでワイヤレスシステムを使う人はまずいないと思う。
最近、ワイヤレスの使い方でCOOLだと思ったのは、音楽サークルのセッションで沢山のプレイヤーが狭いスタジオ内でシールドを引き回している時、ワイヤレスを使用しているギタリストがいたが、ストレスが無さそうでいいなと思った。
さて、ギターケーブルは価格差が幅広く、どの商品を選んだら良いか悩むことがあるだろう。プラグにはストレート、L型など、形状にも種類があるし、ケーブルの素材・質感も多種ある。
【シールドの構造】は以下のようになっている。

- 芯線:実際に音の信号が流れる線
- 絶縁体:芯線とシールドを保護する部分
- 導電ビニール:床に触れた時などにノイズを緩衝する部位
- シールド線:外から入る雑音から守る線
- シース:ノイズから内部の保護をする。色や模様で他の製品と区別する役割もある。
ギターを始めたばかりの初心者ならケーブルのサウンドの違いまでは判別がつきにくいだろう。実際ケーブルは3m1,000円以下のものから、プロ仕様の高級ケーブルで50,000円以上するものまで幅広く存在する。
まったくの初心者のうちから数万円もする高級ケーブルを使う必要はなく、最初は低価格の標準的なケーブルで十分だと思う。
しかしケーブルによって音質が変わるのは確かなことである。パワーや音の抜けなども商品により違ったり、ギターとの相性も見逃せない。
ただし楽器店でのケーブルの試奏はまずできないので、サウンドハウスの各製品のコメントを見たり、楽器店員さんに聞いたり、ギター雑誌のケーブル特集を参考にしたり、音楽仲間の意見などを聞いて経験を積んで決めることが常套手段だと思う。
肝心のケーブルの長さだが3〜5mが妥当ではないだろうか。ライブハウスで動き回るなら7mくらいが適当だろう。それ以上にすると、音の劣化を招きかねない。音にこだわるのなら3mがベストだと思っている。
失敗例として、小回りが利くからと思って1mのカスタムケーブルを注文した事があった。しかし1mではマーシャルなどのスタックアンプだと床まで届かなかったのだ。
話を戻そう。実際各社のケーブルによって音は全く違う。初心者にはその差がわからないかもしれないが、ギターを弾くにつれ明らかに違いがはっきりしてくる。高級だから良いというわけではなく自分の演奏スタイルにあったケーブルが求められる。
では、私が使用しているケーブルの違いを参考までに読んで欲しい。全く違うサウンドが出るということを少しでも理解していただければ幸いである。
- ■ カナレ
- 値段以上の作りであり、初めの1本として使うのに最適なシールド。音に癖がなく楽器の音を忠実に拾う。
- ■ プロビデンス
- 透明感と輪郭感があり綺麗に歪む。わりとかっちりしている。ハイノートを弾くとその美しさがより際立つ。パワーは控えめ。サスティーンも良好。
- ■ ワールウインド
- 倍音構成がズバリ、メタリックで80年代の音。脳裏にはメタル・ギタリストの音が即座に浮かんできた。パワーもあるしサスティーンも良いのでハードロックやメタルなどパワーあるサウンド向き。ハードに歪む。ピッキングによりクランチからリードトーンまで思いのまま。
- ■ フェンダー ・プラチナム・ケーブル
- 弦の音を忠実に拾う。整った倍音。ギター本体の音がよく出る。ひずみ方に高級感がある。スピード感のある激しい曲よりミドルテンポの曲が合うと思う。わりとしっかり纏まった音。
- ■ モンスター・ケーブル
- 個性的で贅沢な音がして高級感がある。値段は高めだが、スタジオ等での使用で性能を存分に発揮出来るシールドだろう。プラグのデザインもオリジナリティーがある。
シールドは①パワー、②アウト・プットする音域、③使い勝手がそれぞれ違う。
音の違いを知るには使い慣れたアンプにダイレクト(アンプ直)で接続し、好みの音に設定。シールドだけ変えると違いが明確に分かるだろう。
この方法がシールドの違いを最も感じ取りやすい。 ただ、そこまでケーブルの音質にこだわらない人もいると思う。そのような人は楽器店などでなるべく丈夫な物か、デザインが好みのケーブルを購入してみてはどうだろう。毎回弾くたびに抜き差しする道具だ。意外とプラグのデザインの感触、使い勝手は気になる所だろう。
最後にサウンドハウスで取扱い中の、初心者にもおすすめできる注目のシールドを挙げてみよう。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / HGC015 ハイエンド楽器用ケーブル(シールド)
これからギターを始める人にもおすすめ。
CANARE ( カナレ ) / LC03 BLACK シールドケーブル 3m
CLASSIC PROと同じく初心者にぴったりなケーブル。
PROVIDENCE ( プロヴィデンス ) / B202 S/S 1
ハイエンドなギターに相性が良い。楽器の特性を余すこと無く引き出すケーブル。
MONSTER ( モンスター ) / M ROCK2-0.75DA
高級ケーブルの老舗。パワーあるアウト・プットが身上。
FENDER ( フェンダー ) / DELUXE COIL CABLE 30' BTWD
見た目がお洒落で個性的なカールコード仕様。
今までケーブルによって音の違いがある事を知らなかったプレイヤーにも、この記事を見て新しいケーブルを手に取り、ケーブルによる音の違いを体験してみてほしい。
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