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プロミュージシャンの野外MVがどう撮られているのか

2023-01-21

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音響機材, 音楽全般

皆様こんにちは、リミトです。

今回は、撮影会社に勤めている友人に、本格的なミュージックビデオがどのように撮影されているのかを聞いてきたのでお話ししたいと思います。このミュージシャンはこの様に撮影した、といった個々の話ではなく、ミュージックビデオを作る際の一般的な流れ、使用する機材などについて解説します。

都会のビルがそびえる中で壮大なMVを撮ったり、大自然の中で美しいMVを撮ったり、曲のコンセプトに合わせて様々な場所でロケーション撮影が行われますが、今回は街中で行われるロケに絞って解説させていただきます。

撮影許可

都会で撮られるミュージックビデオには、渋谷の歩道橋を旗を持って疾走したり、広い車道の真ん中で寝そべったり、駅前の広場でパルクールをしたり、様々なものがあります。しかし、それらを撮影するには複雑な手順に従って行政や管理者に許可を取らなくてはなりません。

例えば、公道で撮影をしたい場合は、通行人の迷惑になったり、交通事故に遭ったりして、危険極まりないので、路上での撮影にはまず「道路使用許可」というものを警察署に申請しなくてはなりません。

大まかな流れとしては、
申請書を記入、地図で撮影場所をマーク、撮影内容を説明、企画書を提出
と言った感じです。

駅構内や、百貨店内など、商業施設での撮影は、その敷地の管理者に撮影許可を申請しなくてはならず、例えばJRの駅構内での撮影許可は個人では降りず、法人であっても審査基準が厳しいそうです。

また、公園での撮影には、国が管理しているのか、地方自治体が管理しているのかによって申請方法が変わってきます。

どれも、許可が降りた際にもう一度許可証を受け取りに行く必要があり、撮影料も高額で、時間制限や時間帯指定があり、個人では大変難易度が高いものとなっています。動画・映像撮影制作会社ではそれらも行ってくれますのでやはり本格的なミュージックビデオの撮影は、撮影会社へ依頼することがほとんどです。

撮影機材

カメラ

撮影には欠かせないカメラ。これは撮影会社のこだわりがでるところです。
MVの撮影で使われるカメラには基本的にこの3種類があります。

・シネマカメラ

プロの現場でよく見かける大きめな高性能カメラです。入ってくる光をフィルムなどを用いて操るカラーグレーディングが行いやすく、カメラマンの「これがしたい」という要望に忠実に答えてくれるところが良いところです。写真は著者の私が所有しているソニー製のシネマカメラです。エモさやダイナミックさ、冷たさなど、様々な演出ができます。価格がとても高く、100万円を軽く超えてくるものも多くあります。

・一眼レフカメラ

実は静止画だけでなく、動画撮影もできるのです。背景をぼかしたおしゃれな映像が撮れます。シネマカメラをメインに使う中、走る時や、激しい演出をするときに一眼レフを時折使います。

・ビデオカメラ

運動会や会議の録画などでお馴染みのパカっと開くあのビデオカメラです。比較的安価なのに便利機能がてんこ盛りで、メーカーの努力が見えます。プロの現場では数年前の古いモデルを使って、平成初期感を演出したりするときに使うこともありますが、ほとんど使いません。

・ドローン

空飛ぶラジコンみたいなものにカメラを取り付けて空撮することができるものです。あとで解説させていただきます。

ジンバル

手ぶれを演出として利用しないかぎり、手ぶれ補正をしてくれるジンバルは必須のアイテムです。
画像は掲載できませんでしたが、基本的には、角張ったドーナツ型の大きな電動ジンバルにシネマカメラを取り付けて、1人から2人でカメラを回します。これが本当に重くて、2時間も使えば腕と腰が悲鳴をあげます。ドローンやジンバルで有名なDJI社のジンバルが撮影業界で物凄く人気です。

ほかにも、持って走れる一眼レフ用のジンバルなどもあります。

ドローンについているカメラも基本的に電動ジンバルがついています。

ドローン

上空から撮影したり、建物内を高速移動する映像を撮影したりするときに使用されます。一昔前はヘリコプターや超小型のプロペラ機を使用していましたが、技術の進歩でドローンが用いられるようになりました。ただ、MVを撮影できるだけのカメラ性能を有するドローンを飛ばすには、国土交通省などに申請しなくてはなりません。

スプリンクラー

晴れの日だけど雨を演出したいとき、そんな時は撮影用クレーンの先に、画像の様にムラなく散水できるスプリンクラーを取り付けて、タンク内の水を散布します。そして、編集でトーンを暗くしたり、雨雲を合成したりすると、非常にリアルな雨が再現できます。ただ、比較的機材が大きく、重いので、面倒な作業と撮影スタッフに思われています。濡れますし。

バブルマシーン

切なさや華やかさを演出するときに大活躍するのがシャボン玉です。それを常時作り続けてくれる機材がバブルマシーンです。サウンドハウスからも何種類か発売されています。

STAGE EVOLUTION ( ステージエボリューション ) / Bubble Take バブルマシン

撮影したら

撮影が終了したら、自社の編集担当へ撮影データを送る、もしくは編集会社へデータを送り、編集段階へと移ります。動画を切り貼りしたり、エフェクトをかけたり、合成をしたり、歌詞やエンドロールを挿入したり、専門家によって高度な動画編集が行われます。この段階を終えたら、監督などに確認してもらい、ようやく、ついにミュージックビデオが完成となります。

いかがでしたか?これでプロミュージシャンの本格的なミュージックビデオがいかに撮られているのかわかりましたね。

それではまた会いましょう。どうぞ楽しい音楽ライフを!


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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RIMITO

こんにちは、リミトです。中学入学と同時にDTMを初めて早数年、休日や深夜にコツコツEDMなんかを作っています。ギター、ドラム、キーボードなど、幼い頃から色々な楽器を演奏してきて、音楽で育てられたと思っていますが、人に見らながら演奏すると急に下手になります。お金があればDTM環境を整えるために機材投資、常日頃金欠です。機材を買って使ってみてのレビューや、音楽の豆知識などで、読んでいて楽しめる記事を書けるよう頑張っていきます。

STAGE EVOLUTION / Bubble Take バブルマシン

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¥17,800(税込)

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