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大海の孤島を捜して~ATLANSIA~ Part2

2022-12-24

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 楽器

Cheena:この記事の前にPart1を読むことをおすすめします。

⇒ 大海の孤島を捜して~ATLANSIA~ Part1

~Part 2 Contents~

  1. 1 - ATLANSIA & ABALONE Guitars
  2. 2 - GALAXY Guitar, ZIPANG & BREEZE Basses
  3. 3 - BOHEMIAN Bass
  4. 4 - Unknown Instruments
  5. 5 - JUPITER, GARLAND & CONCORD Basses
  6. 6 - ATLANSIA Hardwares

1 - ATLANSIA & ABALONE Guitars

Cheena:さて今回はギターから。
ギターにのみ採用されているデザインのものはPeleske、Strokeですね。あとはAbalone Model T-1というものもあります。Galaxyはもともとギターモデルだったのがベースに転用されたもののようですが……詳細不明のため割愛します。
なおAbaloneはAtlansiaの下位ブランドのようなもので、どのモデルも18万5000円税別という値付けでした。4st Bassはジャガーベースに、Model T-1はテレキャスターに近いボディシェイプとなっています。

ネモト:アバロンベースも買っておけば良かったと思っている1本…。
Peleskeのデザインはすげえ好きだった。あのクリーチャー感は絶品よね。Victoriaのギターはネックが短いせいかベースと比べると見た目は今ひとつかな。Galaxyはギターの方が収まりがいい気がするので、元々ギター用のシェイプなのだとしたら納得。

Cheena:Peleskeは凄いですよね……ヘッドが独特ですが、パテントページを見ると途轍もない構造であることが分かります。

謎のチューニングシステム!

2 - GALAXY Guitar, ZIPANG & BREEZE Basses

Cheena:Galaxyは2012年8月のFacebookの投稿にnew guitar model " GALAXY "とあるのでギターモデルが元であったことそれ自体は信憑性が高いです。

上から順に、Galaxy Guitar、Galaxy Bass、そしてシェイプの似たZipang(Breeze) Bass。
個人的に、Galaxyを下地にリミックスしたのがBreeze Bassじゃないかと疑っています。
ヘッドのデザインは鳥のイメージのようですね(これはZipangに採用予定or試験採用だったものですが、概形はあまり変わっていません)。

ネモト:確かに類似点は多いね。
Zipangの中央部は彗星のように見えるからGalaxyとの宇宙繋がりだったりして。

Cheena:宇宙的な命名をすることが多いのがアトランシアでもあります。

ちなみに塗装前のこの画像を見るとわかりますが、中央部はパーティングされています。ブリッジの座繰りに掛かる部分がわずかにズレていますし、木目も違うのがわかりますね。

ネモト:これは知らなかった。ためになる。
しかし、塗装前の状態を見て改めて思ったけど細かいところまでしっかり作り込んであるな…。
パーツ類はほぼ全部自分で作っているし。

3 - BOHEMIAN Bass

ネモト:最新モデルのBohemianも面白いと思う。
シングルカットなのにボルトオンとか珍しいし、ねじれ防止として斜めからネジを打ってあるし、何よりも斬新なペグの留め方よ。こんなデザインはできる気がしない。

Cheena:これですね。

確かに一見ボルトオンとは思えない形状で……シングルカット、斜めボルトはハイエンドや特殊な楽器で時折見る気がします。Inyen VinaだったかPenguin Custom Guitar Partsだったかのデザインであったはずですが、後者が閉店、IYV代理店業務も終了した関係でnoteやTwitterの情報にアクセスできなくなってしまいました(削除されています)。残念。

ネモト:ちょっと気になるから調べようかと思ったけど、情報が手に入りにくいのは辛い。
Bohemianに限った話じゃないけど、じっくり眺めたいなぁ。

Cheena:この記事の画像はAtlansiaのFacebookからお借りしています。

Atlansia公式Facebook

ここに掲載されていない画像で使用されているものは、公式ホームページの画像をwaifu2x-caffeにて適宜拡大&ノイズ除去Lv2で見やすくしています。

Atlansia公式ホームページ

ネモト:とても親切。ありがたやありがたや。
次の話題は何にしましょうか?

4 - Unknown Instruments

Cheena:一度しておきたいのは全く詳細が不明の楽器に関する話題ですが…
アトランシア関係サイトに名前が挙がる楽器のうち、Eden、Otapman、Peleske 2、龍鳴琴、Egmont、Leonore、Nasuka、Polarisは現在もプロトタイプであるか、詳細情報が出てこないなどの理由で詳細不明となっています。

現在分かっていることをまとめますと、

・Eden
7弦43フレット、林氏曰く使いこなせるものではなく不満が多いらしいマルチスケール・スタビライザーギター。
・Otapman
ピックアップがボディと共に弦を挟むようにセッティングされている、ヘッドがU字鉄板の”Kabuki Head”、ギターを肩に掛けるフックがついている、など(おそらく)実験機と思われる6弦スティック。
・龍鳴琴(りゅうめいきん)
コンセプトアートのみ。7弦43フレット、「TAPPING奏法をMAINとした演奏に相応しく,今までに無い音域を持った弦楽器」とある。おそらくEdenの改良機。
・Peleske 2
パテントページに登場、Oxfordの新モデルとされている。
・Basooka
パテントページにコンセプトアートのみ登場。ケースが本体に結合して共鳴胴となるアップライトベース。
・Egmont
2022/1/22時点でデザインのみ公開。
・Leonore
2022/7/3時点で制作中。
・Nasuka
公式ページにPolaris Bassと共に名前のみ登場。
・Polaris
公式ページにワイドピッチ7弦、8弦ベースとして名前のみ登場。キャッチコピーを募集していたりするので、おそらく実際に制作されたものだと思われますが…

※追記
2022年9月末、Facebookに投稿された”All Models of Atlansia”にはNasuka、Polarisの名前はありませんでした。
なお、同じ投稿の中で「全てのモデルの名前を覚えていない」ともあったため、単純に忘れられている可能性もあります。
Part1の最初のリストには、実際に制作されたことが明らかであるもののみ掲載しています。そしてこれらの楽器に関する詳細情報をお持ちの方はご一報ください(2回目)。

ネモト:知ってるものもあれば知らないものもある。

Cheena:パテントページの隅っこに名前とコンセプトアートだけ上がってる、みたいなのも入ってますからね…
現状望みがありそうなLeonoreとEgmontには期待しています。

ネモト:ディスコンになったものも多いから、常に新しいものを作り続けたいって感じのスタンスなんだろうか。

Cheena:多分そうですね…

5 - JUPITER, GARLAND & CONCORD Basses

Cheena:Jupiterも2014年時点でディスコンのようです。

この画像のJupiterの不思議なところ、2PUなのに4ノブなんですよね…公式サイトを見る限りではJupiterは1V3EQ1Bal配置なので、何かが棄てられている。見た目で判断するならボリュームですけど…

ネモト:スタックポットになっている、あるいはEQが3バンドから2バンドになっているのかもね。
それにしても、Jupiterがディスコンか…。なんというか、一般に迎合するようなデザインはやめようとしているのかな。いや、GarlandはPBに近いシェイプだから完全に捨てたわけではないのか。でも女性美のGarlandと男性美のConcordで両輪になっているからどっちかだけ外すわけにもいかないのかな…。

Cheena:Garlandがこれ、Concordは2枚目です。

いわゆるシングルカットセミアコなThe Century Bassもディスコンのようで…一般的シェイプが無くなっているという捉え方でもまあ問題ない気がします。残念…

ネモト:生産数100本未満のモデルがたくさんありそう…。なんか、林さんは発明家って感じがする。

Cheena:そうですね…先進的なものをどっさり作っては試して、みたいなことを連発する中で出来がいいものを売っている、といった感は無きにしも非ず。アトランシアのサーキットマウントキットを見ているとそんな気がします。

ネモト:金属パーツの種類や組み合わせの数が結構なことになってるよね。覚えるのが大変…。

Cheena:これも紹介しますか?

ネモト:正直に言うと全部紹介したいけど、それだと長くなるしサイト見ればいいってなるから特に気になったやつだけ紹介しますか…。

6 - ATLANSIA Hardwares

Cheena:じゃあお互い気になるのを2個ずつぐらい紹介しましょう。
私はまず…

ジャックマウントですが、円柱をカットしたシンプルな形状。ドリル一本で開けられる穴に差し込んだら、あとはネジ1本で固定できるようになっているんですね。

ストラトの舟型ジャックプレートと似たような進入角になって、機能も似たようなものですが、それ以上に設置が簡単でなおかつ簡単には真似のしづらい構造(どう頑張ってもオーバーハング部ができるため、CNCで削り出す必要がある。また表面処理はアルマイト)ということでアトランシアみを強く感じています。

ネモト:舟型プレートはプレスで作られているんだっけ。私もこっちの方が好きだなあ。
じゃあ私はまず、バートン2。

アトランシア製コントロールプレート、バートンシリーズのうちの一つ。ボリュームノブが低くなっているのが特徴。
なんで気になったかっていうと超使いやすそうだったから。ボリュームノブだけ少し離れたところにマウントされているから薄暗いステージでもすぐにわかる仕様になっているのがいい。
少し離れているだけならどこにでもあるんだけど、ボリュームノブの高さを低くしてあるから色々と引っかかりにくいのもまた良い。高さが低くなるぶん操作性は少し下がるけど、ノブが大ぶりなのもあってロスってほどのものでもないから、突起部の高さが低くなるメリットの方が大きいと思う。よくできてる。EQのセッティングは事前に時間かけて決めておけばいいけど、ボリュームだけは本番でも微調整したくなるし。

Cheena:いいですねえ。アトランシアはノブの落とし込みには定評があって、ノブ天面がボディから飛び出さない高さに設計されているものがたくさんあります。

上下どちらもOscarシェイプですね。EQパートのノブが少し高くて飛び出しているのはご愛嬌…

これに写っているのが、やっぱりこれは紹介したい、横向きノブのマウントです。
下の画像、斜めにマウントされたものもあるのですが(こちらはバートンを使用せずワッシャマウントです)、やはり真横の方が見た目的にも衝撃があります。
ジャズマスとかジャガーのプリセットノブの比ではないですね。構造は一緒なのに……

ネモト:横向きだと操作性が気になる。しっくりくるんだろうけど触ってみたいな。
次はこれ。

カブキヘッド!
ヘッド角を変更できるという謎仕様。
ギブソンのヘッド角は時代によって微妙に変わっているけど、それでどのように変わるのか具体的に検証できる。欲しい。

Cheena:先程上がったOtapmanにも採用のヘッドですね。うまいこと扱ったらベンドみたいになるのかな…

ネモト:4弦まとめて半音下げとかにできれば面白いと思う。ペグがあると弦長の細かな調整に難があるだろうから、ヘッドレスにして可動部をテイルピースにしないとうまくいかない気がするけどね。

Cheena:アトランシアならやりかねない……

ネモト:アトランシアがやらないなら俺らでやるしか…。

Cheena:トランストレム的でもあります。あ、ブリッジはまだ紹介していませんね。

ネモト:そうね。やろうか…と思うけど、いい加減長くなってきたから一回ここらで区切らない?

Cheena:そうしましょう。と言っても2本書いてまだ4割も出せてない気が…豪華ですね!

ネモト:では、また続編で!ありがとうございました。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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元プロでベーシストのネモトとクラフトマンでベーシストのCheenaによる、楽器への深すぎて自由すぎるこだわりトークをお送りします!
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