■ 想定外に良かったグラスサウンドスピーカー、お薦めです!
前回までは私がサウンドハウスさんから購入したプロフィットのアナログシンセサイザー、TAKE5のお話でした。
今回は1月の下旬に購入したソニーのグラスサウンドスピーカーのお話です。
私はスピーカーへのモチベーションは、それ程高くありません。ですからこのようなレビューも進んでは書きません。ソニーからのバックもありません(笑)。これまでネット購入でアンカー製のBluetoothスピーカーなども購入していますが(悪くはありませんでした)、騒ぐほどの製品に巡り合っていませんでした。
どうして巷に溢れるBluetoothスピーカーをレビューしようと思ったかといえば…
その前にソニーのグラスサウンドスピーカーがどういうものかを写真でご覧下さい。
ソニー グラスサウンドスピーカー LSPX-S3
※出典:ソニーグラスサウンドスピーカーHPより
■ これがスピーカーか?
誰もが、これがスピーカー?と思われるかもしれません。ランプの様な面白い形をしています。殆どランプ、ランタンです。勿論、ランプの機能もあります。
光が揺らぐ「キャンドルライトモード」は「強・中・弱」の3段階に調光可能。光はロウソクの炎の様に音に合わせて瞬きます。音楽のフォルテ、ピアノで揺らぎが変化する音楽連動機能も付いています。これが秀逸です!暗めの室内に置くとそれなりの演出効果があります。
光の色温度は裸電球と同様の2500ケルビン(色温度の単位)位で低めに設定されています。人間は色温度の低い光にやすらぎを覚えます。夕焼けを見て穏やかな気持ちになるのと同じです。一方、蛍光灯の色温度は4000ケルビン位で青白い光です。蛍光灯の光はオフィス等に使用され、光量はありますが安らぐ光ではありません。
そういう意味でこのスピーカーの光機能は見事にチューニングされています。照明としても立派に働きます。
音楽に合わせた「調光」も設定可能ですが、光を瞬かせない通常の照明モードも明暗設定ができます。照明器具としても考えられています。一番明るくすれば、結構な明るさになります。とても便利です。デザインは洗練されているのでリビング等に置いても見栄えがします。それなりの重さもあり、高級感もあります。少し持ちにくいのが難点です。
私がこのグラスサウンドスピーカーを知ったのは3年前。タワーレコードのフリーマガジンintoxicateの紹介記事でした。IntoxicateはCDのレビューや特定アーティストを取り上げた読み物、オーディオ紹介などバラエティーに富んだ内容です。
そこにグラスサウンドスピーカーが紹介されていたのです。紹介された製品は私が購入したものよりも1世代前の製品で写真左側の形状でした。金額的にはLSPX-S3よりも少し高価でした。渋谷パルコの中で見本があり、音も聞きました。店内はBGMも流れていたため、音的にどうだったのかの印象はありませんでした。
デザイン的にも大きな差はありませんが、S2はガラス管の下がくびれたデザインでした。

グラスサウンドスピーカーLSPX-S2 / グラスサウンドスピーカー LSPX-S3
※出典:ソニーグラスサウンドスピーカーHPより
■ 肝心な音は…
さて、肝心なのは音です。ソニーのグラスサウンドスピーカーはソニー独自の技術によるものです。
このランプの様なスピーカーはガラス管部分がツィーターで高音が出ます。ガラス管の下部がランプで光る構造になっています。その下の部分は中低音が出るスピーカー。一番下の色が変わっている部分、パッシブラジエーターで重低音を増強するという仕組みです。
ソニーはグラスサウンドスピーカーの開発を随分前からしていて、2008年にサウンティーナという1台105万円の高級スピーカーをリリースしています。このサウンティーナがグラスサンドスピーカーの第1号というわけです。2016年にLSPX-S1を9万5000円程で発売。その後、LSPX-S2を発売し、私の購入したLSPX-S3が1つの完成形になるようです。
100万円以上のスピーカー技術が洗練、改良され、今ではそれが3万円台で購入できるというのはユーザーにとって1つの至福であるといえます。

※出典:ソニーグラスサウンドスピーカーHPより
実際、スピーカー全体から広がる音質は想像以上のものでした。ガラスのスピーカーからでる音とはどんなものか?Bluetoothでつなぎ、音を出してみるとバランスの取れたボリューム感のある音でした。
私のリビングルームは15畳ほどの広さがあり、壁側のCDケースの前にカホンを置き、その上にグラスサウンドスピーカーを置いて音を出しました。
これまではヤマハのNS1000Mというスピーカーで音を聴いていました。勿論、グラスサウンドスピーカーは1000Mに比べると随分小さいですから、音の量感は全く異なります。
しかし、リビングに響く音としてはその大きさからは想像できないほどの豊かな音質でした。
私は以前、形が似ている中国製のランタン型スピーカーも購入していましたが、その音とは全くレベルが異なっていました。A社の小型のBluetoothスピーカーも所持していますがやはり、小さなスピーカーは音が良くても、小さな箱から出てきている音に過ぎません。
しかし、ソニーのグラスサウンドスピーカーは小さなスピーカーから出ているのですが、音は部屋全体に音が広がり、小さなスピーカーから出ている音とは思えないボリューム感があります。聴いていて小さい筒から出ているという狭量感が無いのです。
これこそがソニーが提唱する「サークルサウンドステージ」というものなのでしょう。
一般的にスピーカーは正面に2台置いて、正面の中心付近で聴くのが一番いい音がします。
一方、グラスサウンドスピーカーは設置場所から水平方向へ均一に音が広がる音響構造のため、部屋中に音が回るのだと思います。
音像に立体感もあり低音が豊富で、テーブルに置くと天板が振動するほどです。15畳ほどのリビングでも問題はありません。
充電時にiPhoneを充電するACアダプターでは電力が不足し、十分な充電ができませんでした。市販の15Wタイプのアダプターを使用し、問題は解決されました。マニュアルに詳細が記されていない為、この辺りはソニーのマニュアル改善の必要があると思います。

カホンに乗せたグラスサウンドスピーカーLSPX-S3
■ グラスサウンドスピーカーは想定外に素晴らしい!
照明器具と一緒に便利なスピーカーを購入したと考えればそれ程、高価な買い物でもない気がします。前述の様に私はカホンの上にこのスピーカーを乗せて音楽を聴いています。スピーカーの音がカホンに伝わり、鳴りが豊かになる気がします。ピアノを弾くとピアノ全体の箱が鳴るのと同様の効果です。
特に音楽を聴く人には音に合わせた光の強弱が設定できるため、他にはない製品であると私は大推薦します。
ハンズフリー通話機能も搭載しているのでリモート勤務にも力を発揮します。
■ 立派な賞も獲得しています!
このグラスサウンドスピーカーLSPX-S3は評論家などが選ぶ3.5万円~6万円Bluetoothスピーカー分野で2022年VGP賞に選出されました。AV分野で「絶対買い」の製品として毎年選出される立派な賞です。
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら