
ギタースタンドの定番、ハーキュレスGS414B PLUSはどんなギターにも使えるのか?実際にエレキギター 、アコースティックギター、クラシックギターの3種類を掛けて検証してみました。
■ 検証に使ったスタンドとギター

● ギタースタンド
HERCULES GS414B PLUS
● エレキギター
Fender Player Stratocaster HSS
● アコースティックギター
YAMAHA FG730S
● クラシックギター
RYOJI MATSUOKA NO.20
まずは一番重い「エレキギター」で検証

今回使ったのはFenderの入門機、Player Stratocaster HSSです。重量は約3.9kgで、若干重めのエレキギターです。ハーキュレスのギタースタンドの重量は1.9kg、使用できるギターの重量は15kgとなっています。数値的には問題ありませんが、実際に掛けて検証しました。

エレキギターのナット幅は42mm、ハーキュレスのAGS(オートグラブシステム)に余裕を持ってかけることができます。エレキギターの重さのおかげでAGSの動きも良く、アームがしっかりとネックを保持してくれます。
※AGSとはギターの重量で下降し、同時にアームが上がることでネックを保持する仕組みのこと
掛けた後で揺すってみましたが、しっかりとした脚のおかげで倒れにくそうでした。ただ、前方向に対しては横や後ろよりも小さな力で倒すことができたので、スタンドに後ろからぶつかったら倒れる可能性は高そうです。

掛けるときのポイントは、ギターの下部をしっかりと前の2本脚にくっつくように載せることです。適当に掛けると片方の脚だけに載っている場合があり、不安定な状態になります。ただ、AGSで保持されているので、ギターがスタンドから落ちることはなさそうです。

試しに、AGSのみにぶら下げるような状態で持ってみましたが、ギターが落ちる気配はなさそうでした。
変形タイプのエレキギターでも、ギター下部の位置を調整して前の2本脚にくっつければ、掛けることができそうです。
次に、ネックが細めで軽い「アコースティックギター」で検証

次にアコースティックギターで検証します。アコギ(YAMAHA FG730S)は実測で重量2.2kg、ナット幅は43mmでした。エレキの約半分の重さなので、ハーキュレスのギタースタンドの安定感がより増すことが予測されます。実際に掛けて検証しました。

アコギにはチューナーとカポタスト 、ピック2枚、ストラップを取り付けてギタースタンドに掛けてみましたが、特に問題なく掛けることができました。掛けた後で揺すってみると、やはりエレキよりは安定性がよくアコギの重さを感じにくい気がしました。AGSのみにぶら下げるような状態で持ってみてもアコギが落ちることはありませんでした。

掛けるときのポイントは、エレキと同じように前の2本脚にアコギのボディが触れるように掛けることです。特にアコギは軽いので、片側の脚だけに掛けてもある程度安定性がよく、2本の脚に触れていないことに気づかないことがあるので注意が必要です。
AGSも、もちろんスムーズに動作します。私は、エレキの場合は重いので、AGSに負荷がかかりすぎないように気を使って掛けていましたが、アコギはある程度ラフに掛けても問題なさそうでした。
最後に、ネックが太い「クラシックギター」で検証

最後は、3種類のギターの中で一番ネックが太いクラシックギターです。重量は1.5kg、もっとも軽量なので掛けたときの安定性は一番ありそうです。ナット幅は53mm、エレキやアコギよりも約1cmも広いので掛けることができるか心配でした。実際に掛けて検証しました。

クラシックギターは軽いので、ハーキュレスギタースタンドのAGSに気を使わずに掛けることができました。実際、多少乱暴に掛けても壊れることはないと思いますが、ビビリなのでそっと掛けました。

一番気になるネック幅はやはりギリギリでした。ナット幅53mmでAGSの両側に0.5mmくらいの空きができるのでネックが引っかかることはないですが、ナットが54mmになったらAGSに引っかかると思われます。ハーキュレスの公式では52mmまでのナットに対応するとなっているので多少はゆとりがあるようです。
【結論】ハーキュレスのギタースタンドはいろんなギターに使える!

ハーキュレスのギタースタンド(HERCULES GS414B PLUS)は、いろんなギターに使えるということがわかりました。さまざまな重さやナット幅に対応しています。NINA(ナロー・インストゥルメント・ネック・アジャストメント)というアダプターを使う事で28mmのナット幅から使うこともできます。ウクレレなどナット幅の狭い楽器でも対応できそうです。
しかし、クラシックギターはナット幅がギリギリなので、ギタースタンドを購入する前に、念のためにナット幅を測っておくのをおすすめします。あと、高級ギターに使われるラッカー塗装には対応していないので注意が必要です。専用のギタースタンドブラジャーが用意されていないので、ラッカー塗装のギターの場合は、ギタークリーニングクロスなどを巻きつけるなどの対応が必要です。
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