こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
いつもご覧くださりありがとうございます。
今回は今話題のギタリスト、Cory Wongについて主に特徴的なギターの弾き方を分析してみていきたいなと思います!
彼の特徴でもある「リード・リズム」と言われるパーカッシブなカッティングの中に聴こえてくるパーカッシブかつメロディアスな奏法。またパキパキっ!プリプリっ!としたコンプの効いた音色。
注目されやすいのはこの2つだと思いますが、その特徴を表現しているのは特徴的なギターの弾き方にあると思います。
その中でもピックの持ち方や右手の振りについて、細かく紐解いてみたいと思います。よろしくお願いします!
まずは彼の演奏しているシーンを見てみましょう。
大きく分けて3つ特徴があるかと思います。ひとつずつ見ていきましょう!
・パーカッシブなフィンガーピッキング
低音弦と高音弦を同時に弾き、また弦を弾くように音を出しています。ソロギターのようなこの奏法は彼が長年アコースティックギターを弾いていたことからきている奏法かと思います。
しかしアコギと違うところとして、エレキギターの方が軽いタッチで音を出せるため速いパッセージのフレーズをフレーズの合間に入れることができるところです。
・大ぶりな右手首の振りから繰り出されるカッティング
カッティングには肘関節を中心に腕全体の動きを利用する方法と前腕〜手首にかけて回転運動を利用する方法の2種類があるかと思います。
Cory Wongは後者である手首の動きを中心に行うカッティングの動作であると言えます。ここで着目したいのは手首の振り幅です。プレーン弦を弾くようなフレーズでも巻き弦をも巻き込むほど振り幅を広くし全弦にピックをヒットさせています。これはミュートした巻き弦を同時に弾くことよってカッティングにパーカッシブさを出すテクニックです。
これはよく使われるテクニックですが、Cory Wongは一味違います。上記したように全弦ヒットを狙ったカッティングばかりでなく、高音弦だけを狙ってカッティングをするシーンも見られます。このとき手首の振り幅を見ると、ピッキングの位置をずらしているだけで全弦ヒットのカッティングの時と振り幅はほとんど同じなのです。
プレーン弦だけを狙ったカッティングはどうしても手首の振り幅は狭くなりやすく、そのため音色も柔らかな優しいタッチの傾向になりやすいです。しかしCory Wongのように普段のカッティングと同じ振り幅でプレーン弦を狙うことでパワー感と切れ味のあるカッティングができる、というわけです。
また単音弾きとの切り替えとして、複弦をカッティングするときはピックを持つ右中指〜小指を開き、単音弾き・カッティングの際は軽く中指〜小指を握る、またはピックガードに小指を当てて固定するように弾き分けているようです。このように細かいコントロールを右手で行っている印象を受けます。
・クセのあるピックの持ち方
Cory Wongがカッティングを行っている時のピックの角度に注目してみてください。
なにか違和感を感じませんか?
本来、ピックは弦と並行または指先が下向きになるように角度がつくかと思います。しかしCory Wongは指先が上向きになるようにピックに角度がついています。よく見るとピックを持つ親指が反り返るようになっています。つまり本来ピックにつく角度と逆方向に角度がついているのです。

一般的なピックの持ち方はこんな感じだと思います。
Cory Wongはこのようなアングルでピックを持っているように映像では見えます。

実際にこのピックの持ち方でギターを弾くとものすごく弾きにくいです。笑
このピックの持ち方をすると、真っ直ぐピックを持つよりも指先に力が入ってしまいます。またピックにかかる摩擦感も変わるため違和感が強いです。しかしこうした違いがCory Wongの隠された特徴になっているのかな、と勝手に解釈しています。
いかがでしたでしょうか!
なかなか弾き方にクセのあるギタリストなので、一朝一夕に真似ができるものではないですが、「なぜこのような弾き方をしているのだろう?」とひとつずつ紐解いていくことで見えてくることがあるかと思います。そうして蓄積していった情報を自分のギターにも活かしていく作業もギターの楽しさのひとつだと思います。ぜひ皆さんも好きなギタリストの弾き方を分析してみてください!
それではまた!
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