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キューについて- TouchMix使い方のヒント

2016-11-30

テーマ:How to

TouchMixのキューは、セットアップとトラブルシューティングに非常に便利な機能です。

ミキサーによって使われる言葉の定義は異なるため、最初に意味をしっかり理解しておく必要があります。最初に覚えたい言葉は「キュー」です。「キュー」とは、入出力チャンネルの信号をミキサーの最終出力に影響を与えることなく、別系統でモニターするための機能です。「Solo」や「Listen」などとも呼ばれ、「キュー」と同じ意味で使用されます。「Solo」は別の意味で使用されることもありますが、これについては後で説明します。キューシステムを使用すると、今聴いている信号がどこから来ているのかが分かります。TouchMixでは、各入力信号を「PFL」(初期設定)又は「AFL」のどちらかに設定できます。キューボタンのネーミングを「PFL」にしているミキサーもあります。

ヒント: TouchMixでは、キューをPFL又はAFLに設定できます。
PFL(全チャンネルのプロセッシング後、チャンネルフェーダーの前の信号)
AFL(全チャンネルのプロセッシング後、チャンネルフェーダーの後の信号)

AFLとPFLのどちらを使用するかは、何を目的にするかによって決まります。一般的にはPFLが使用されています。フェーダーが全て降りた状態でも各チャンネルの音をそのまま聴くことができるため、スピーカーから音を出さずにチェックすることができます。一方で、AFLはミックスがどのように聴こえるかをチェックする時に便利です。TouchMixでは、複数の入出力を同時にキューすることができます。

ヒント: キューしたチャンネルを全て解除するには、ユーザーボタン3(初期設定)を使用します。

TouchMixで、キュー信号を聴くにはPhones-Cue端子とMonitor-Cue端子を使用します。両方ともステレオ出力になっており、それぞれレベルをコントロールできます。Monitor-Cue端子からの信号はモニタースピーカーに、Phones-Cue端子の信号はヘッドフォンに接続してモニターします。ミキサーがコントロール・ブースにある場合や、ミックス位置でモニター・スピーカーを使用する場合など(サウンド・エンジニアの好みによりますが)様々なアプリケーションに対応します。Monitor-Cue出力は、レコーディングにおいてコントロール・ルーム・モニターを鳴らす用途にも使用されます。

ヒント: TouchMix-30 Proのモニター出力においては、ディレイもコントロールできます。これにより、ステージからのサウンドを使用してミックス・ポジション・モニター信号を調整できます。

「Solo」に関して、前分で触れましたが、この機能はレコーディング・スタジオで、サウンド・エンジニアがシングルトラック又はマイクからのサウンドを「1つだけ」聴きたい時に使用します。イタリア人のミュージシャンならイタリア語で「ソロ」と言うでしょう。レコーディング・コンソールには「ソロ」というボタンがあり、1つだけ残して全ての入力をミュートすることができます。これはキューとは全く異なる機能です。キューは「出力に影響が無い」機能なので、キューを使用しながら何をしても、コンソールの出力から聴こえる音に影響はありません。「ソロ」はミキサーの出力全体に影響が出るため、サウンドチェックには使用できません。ボタン1つで、スピーカーから1つの入力の音だけを聴こえるようにするか、あるいは全部のミックスを聴こえるようにすることができます。各チャンネルにダイヤルインして、信号がミックスにどう入るかを確認する際に便利です。

初めに「ソロ」が「キュー」と同じ意味で使われると書きましたが、経験のある読者の方なら既にお気づきのように、この言葉の使い方によっては、混乱が生じ、予期せぬ結果が起こる場合があります。この曖昧さを無くすために、「Solo In Place」(SIP)をラベルに起用しました。誤って使用すると、サウンドチェックには便利でも、パフォーマンスが台無しになる場合があるからです。

例えば、キューボタンにSIPボタンと同じ働きをさせるSolo In Placeモードがある大型アナログ・コンソールを想像してください。このコンソールでは、サウンド・エンジニアが演奏前にキューモードに戻すことを忘れないために、スイッチのライトを赤く明るく点滅させています。ある日、サウンド・エンジニアがバンドメンバーをイライラさせてしまい、メンバーの誰かがいたずらをして、ミキサーをSIPモードに設定してからスイッチのライトを取ってしまったとしましょう。バンドが演奏を開始した後、サウンド・エンジニアがコンソールに行って、ヘッドフォンをかけます。サウンド・エンジニアはコンソールがSIPモードになっていることに気がつかず、リードボーカルの音をモニターしようとしてキューボタンを押すと、その他のメンバーの音全てがPAからミュートされるという、とんでもないことが起きてしまいます。もちろん、サウンド・エンジニアは言い訳に終始することになります。注記: 私も私の知り合いも、誰1人こんなことをやった人はいません。この例はSIPがパワフルなツールであり、注意して使用すべきであることと、サウンド・エンジニアをイライラさせないことが一番だという事を説明しようという意図で書いています。

ヒント: TouchMix-30 ProのSolo In Placeモードはミキサーのセットアップから選択できます。

Solo In Placeを選択すると、キューボタンの色と文字が変わるため、SIPとキューの使用に混乱することはありません。SIPは入力チャンネルのみに影響し、キューは通常、全出力に影響します。

さて、これでキューの入出力と機能のバリエーションについてご理解いただけたと思います。TouchMixを使用する上で、適切に設定すれば素晴らしい結果が得られるのは間違いありません。

この記事はQSCによるSome Clues About Cue – TouchMix Tipsの翻訳です。

 
 
 
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