業務用音響機器の設計・製造におけるリーディングカンパニーとして知られるQSCは、設立以来40年以上もの歴史を誇ります。パワーアンプをはじめ、ラウドスピーカー、DSP、デジタルミキサーなど総合的な音響機器メーカーとして全世界に販売網を持ち、設備用、移動式、映画用など多岐に渡る分野で優れた製品を提供し続けています。
PLDシリーズは、QSCの最新技術を結集した革新的、かつ画期的なDSP搭載マルチチャンネル・パワーアンプです。フロントには大型カラー液晶ディスプレイ、各chにクロスオーバー、5バンドPEQ、リミッター、ディレイを搭載。合計出力をチャンネル数に合わせて分配可能にしたFlexible Amplifier Summing TechnologyTM(FAST) により、様々なシステムに対応可能な最先端モデルです。
GXDシリーズは、PLDシリーズと同等のDSP、大型LCDディスプレイを採用し、PLDシリーズが誇る最高の音質をリーズナブルな価格で提供するために開発された最新パワーアンプです。
PLX2シリーズは、Powerlightテクノロジーを搭載した、プロユース向けのPLX2 02シリーズと、PLX2 02シリーズのサウンドを継承しつつ、必要な機能だけに絞り、コンパクト化を図ったPLX2 04シリーズをラインナップ。
軽量設計ながら驚異のハイパワーを誇るGXシリーズは、QSCオリジナルの最新鋭保護回路"GuardRail"を搭載し、すべてのパフォーマーに最高のサウンドを提供します
新しい出力デバイスを使用したカスタムパワー・ステージと、QSC 第3 世代クラスDパワーアンプ・デザインを採用し、更に、パワー・ファクター・コレクション(PFC)とパワーライト・パワー・サプライの併用により、軽量、省電力、ハイパワーを実現。
Flexible Amplifier Summing TechnologyTM(FAST) により合計出力をフレキシブルに分配し、自由にルーティングを組むことが可能。
PLD4.2 | PLD4.3 | PLD4.5 | |||||
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Peak | Continuous | Peak | Continuous | Peak | Continuous | ||
4 Independent Channels A, B, C, D |
8Ω | 500 W | 400 W | 900 W | 625 W | 1200 W | 1150 W |
4Ω | 700 W | 400 W | 1400 W | 625 W | 2000 W | 1250 W | |
2Ω | 625 W | 325 W | 1200 W | 625 W | 1600 W | 625 W | |
2 Channel BTL Bridged A+B or C+D Doubles Voltage |
8Ω | 1200 W | 800 W | 2400 W | 1250 W | 4000 W | 2250 W |
4Ω | 1500 W | 600 W | NR* | NR* | NR* | NR* | |
2Ω | NR* | NR* | NR* | NR* | NR* | NR* | |
2 Channel Parallel AB or CD Doubles Current |
8Ω | 500 W | 400 W | 1300 W | 1150 W | 1250 W | 1150 W |
4Ω | 950 W | 800 W | 2000 W | 1250 W | 2400 W | 2250 W | |
2Ω | 1200 W | 800 W | 2500 W | 1250 W | 4000 W | 2100 W | |
1 Channel 3CH Parallel ABC Triples Current |
8Ω | 500 W | 400 W | 1400 W | 1150 W | 1400 W | 1150 W |
4Ω | 950 W | 800 W | 2400 W | 2000 W | 2500 W | 2400 W | |
2Ω | 1800 W | 1200 W | 3500 W | 2500 W | 4500 W | 4100 W | |
1 Channel Bridged/Parallel AB+CD Doubles Current and Voltage |
8Ω | 1600 W | 1500 W | 3500 W | 2500 W | 4500 W | 4200 W |
4Ω | 2500 W | 1600 W | 5000 W | 2500 W | 7500 W | 4200 W | |
2Ω | NR* | NR* | NR* | NR* | NR* | NR* | |
1 Channel 4CH Parallel ABCD Quadruples Current |
8Ω | 500 W | 400 W | 1400 W | 1150 W | 1600 W | 1150 W |
4Ω | 1000 W | 800 W | 3000 W | 2500 W | 3000 W | 2300 W | |
2Ω | 1700 W | 1600 W | 5000 W | 2500 W | 5300 W | 4200 W |
For complete specifications of power output distribution (single, bridged, parallel channels and all combinations), please refer to the product’s User Manual.
NR* = Not Recommended due to excessive current draw
BOLD = Optimal configuration for the load and channel count
定番スピーカーに対応した内蔵プリセット、ユーザープリセットを使用し、短時間で容易にセットアップを完了。
内蔵プリセット | |
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QSC Audio |
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B52 |
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Cerwin-Vega (CV) |
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EV |
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JBL |
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Peavey |
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Yamaha |
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PLDシリーズに搭載された最新のDSPは、専用ソフトウェア「Amplifier Navigator」をインストールしたPCとUSB接続すれば、PCの大きな画面上からもコントロールすることができます。
ソフトウェアのダウンロードはコチラ: http://www.qsc.com/resources/software-and-firmware/amplifier-navigator/
システム構成とレベルモニタリングが可能です。
各入力チャンネルのGAINを変えることができ、アンプ側のLEDメーターより細かい目盛で確認することができます。
この画面では各出力にどの入力信号を割り当てるかを選択することができます。
ハイパスフィルター、ローパスフィルター、ディレイを設定します。下記は、ローパスフィルターが50Hz、スロープタイプは、LR24(Linkwitz?Riley 24dB/oct)が選択されています。
リミッターの各パラメーターを設定することができます。下記はインピーダンスは8Ω、オートマチック、出力スレッショルド400W、タイプはAggressiveを選択しています。
OUTPUT Aに設定されているスピーカーのプロフィールを確認できます
PLDシリーズには、予め色々なパターンのシステム構成がプリセットとして用意されています。各項目を入力してオリジナルのプリセットを作成、保存することもできます。
各スピーカーのクロスオーバー、ディレイ、リミッター、5バンド・パラメトリック・イコライザーを設定することができます。
PLD4.2 | PLD4.3 | PLD4.5 | ||
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4ch Contious | 8Ω | 400W | 625W | 1150W |
4Ω | 400W | 625W | 1250W | |
2Ω | 325W | 625W | 625W | |
2ch Contious | 8Ω | 800W | 1250W | 2250W |
4Ω | 800W | 1200W | 2250W | |
2Ω | 650W | 1200W | 2100W | |
1ch Contious | 8Ω | 1600W | 2500W | 4200W |
4Ω | 1600W | 2500W | 4200W | |
2Ω | 1600W | 2500W | 4250W | |
1Ω | 1600W | 2500W | 3700W | |
歪み | 8Ω | 0.01-0.03% | ||
4Ω | 0.03-0.06% | |||
出力回路 | クラスD | |||
ダンピングファクター | >150 | |||
入力端子 | XLR | |||
出力端子 | スピコン | |||
アンプ、負荷保護 | ショートサーキット、オープンサーキット、熱, RF保護、On/Offミュート、DC異常シャットダウン、突入電流保護、入力電流保護 | |||
電源 | AC100-240V 50/60Hz | |||
消費電力(1/8POWER) | 5.2A/8Ω、6.3A/4Ω、4.9A/2Ω | 5.3A/8Ω、5.6A/4Ω、6.3A/2Ω | 8.1A/8Ω、9.9A/4Ω、7.2A/2Ω | |
寸法 | W48.2xH8.9xD30.5 cm | W48.2xH8.9xD40.6 cm | ||
本体重量/梱包重量 | 8.4kg/10.0kg | 9.5kg/11.3kg | 10.0kg/11.8kg |
今回、QSCのPLDシリーズを使用したのは2000人規模の野外コンサート。ラック内に上下(かみしも)2台ずつ、合計4台のPLD4.5を収納。そしてメインスピーカー用で使用することに。その結果、多くの絶賛コメントが寄せられました。
信頼性についても、「QSC社のパワーアンプはこれまで30台ほど使ったが、ガリノイズ以外、壊れたことがないのでメーカーに対する信頼性は高い!」と二重丸!
現場のプロが最後に語った言葉!
「お金を出せば良いアンプはいくらでもある。でも消費電力が大きくてC型コンセントがないと使いにくいなど、電源に注意しなければいけないものが多かった。PLD4.5は消費電力を気にしなくてもよい。“史上最強の壁コンアンプ”です。」
(株)うさぎや プロフィール
昭和51年(1976年)に徳島で創業。
コンサートPAを中心に、音響と楽器レンタル、照明・映像に関する企画設計やオペレーションに至る総合サービスを展開しています。
By Walter Lutzu
暑い夏には、イベントやコンサートも多く開催されます。会場に足を運ぶのが習慣になっている編集者としては、機材をテストする絶好のチャンスです。
QSCから発表された新しいアンプPLD4.5を試し、E215とW218swサブウーファーのテストもできました。
PLD4.5アンプは市場に出てるほとんどのスピーカーに対応するよう、20個のファクトリープリセットが用意され、さらにそれらを変更保存することができる50個のユーザープリセットを用意されています。また、FAST(Flexible Amplifier Summing Technology)によりアンプ出力を1、2、3、4チャンネルに自由に分配、柔軟かつ多用途に使用できます。
EQ、クロスオーバー、リミッター、ディレイをコントロールする4つのDSPチャンネルがあり、外付けのプロセッサーユニットを必要としません。
フロントパネルにはチャンネル・セレクト・ボタン、ミュートボタン、LEDによる入出力メーター、400x240液晶スクリーン、操作ナビゲーションボタン、電源ボタンがあり、左右に一体型アルミハンドルが備えられ、すっきりとした重厚感のあるプロ仕様の外観を実現しています。
背面パネルには、XLR入力x4、並んでXLR出力x4、コンピューターに接続してソフトウェアをアップデートしたり、プリセットを保存、呼び出しをするためのUSBポート、スピコンNL4出力x4、ブリッジ用出力x2が用意されています。
出力は4種類。
2Uラック対応。質量11.8kg
新製品を試すとき、いつも気持ちが高ぶります。ところが、これらを移動しなければならないと気がついたとき、この高揚感は少し覚めてしまいます。E215の420x1125x464mm、質量49.1kgは決して小さくはありません。しかしながら、この大きさ質量には明確な理由があります。
大きさと質量はシャーシの材料(木製)と、何よりも内蔵された部品に依存します。E215は、2-wayフルレンジスピーカー。台形型エンクロージャーにアルミダイキャスト製ハウジングと3.5インチ・ムービングコイルを持ち、連続許容入力500Wの15インチ・ウーファーを2台搭載しています。特殊な周波数カット機構を採用して低域出力を最適化、HFクロスオーバーセクションにおける干渉を最小限にします。大型2.8インチ・コンプレッション・ドライバーを、75°の角度を持つDMTウェーブガイドに接続、ステージから最も離れたリスナーにもしっかりと中高域、高域を届けます。
E218swはダイレクト・ラジエーション・サブウーファーであり、構造は「beat hard」を目的として設計され、アルミ製バスケットを採用した18インチウーファーを2台搭載しています。寸法は1180x616x640mm、質量が76.4kgです。縦置き、横置きどちらでも対応でき、ライブはもちろん、大音量のダンスミュージックにもインパクトのある強い低域を出力します。
思わず笑みがこぼれるサウンドです。実際、サブウーファー単体から出る「しっかりとした」インパクトのあるサウンドは久しぶりに聴きました。パワフルでバランスが取れていて、ヘッドルームに余裕があります。
このアンプとシステムのパワー限界点を探ることはできませんでした。騒音の問題があり、広場でこれ以上ハードにシステムをドライブすることができそうもなかったからです。水平方向のカバレージは正確にコントロールされていて、QSCの公式データに記載されているように、指向角度の精度もかなり高くなっています。
機材屋である我々にとって、マイク、LEDスポットライト、ミキサーなどをテストするのはいつも楽しいのですが、このスピーカーは別次元です。大音量で聴いても全く疲れない余裕のあるヘッドルーム、マスターフェーダーから指を離すのが惜しいくらいでした。
設置手順は直感的で分かりやすく、マニュアルを開く必要はありませんでした。
アンプの操作は簡単で直感的、そしてスムーズです。メニューは全体が分かりやすくデザインされています。
製品は構造とサウンドのあらゆる面から見てもよくできています。問題としてあえて挙げるなら、スピーカーの重さとシャーシ上面にハンドルがないことくらいです。
このシステムはハイパワー、高い信頼性、そして品質を求めるユーザーに最適だと思います。倉庫からトラックに積んでイベントからイベントへ運ばれるような用途に向いています。そしてシステムのトータル価格はとても魅力的です。
By David Fuller 2016年8月23日
過去の知識や経験を無意味にしてしまう技術革新が起こるときがあります。数年前、QSCは4チャンネルDSPパワーアンプの新しいプラットフォームを発表。ライブサウンドにはPLDシリーズ、会議室などの設備用にはCXDシリーズ、映画館にはDPAシリーズなどが登場しました。
出力(W)は電圧(V)の2乗を抵抗値(R)で割り算したものです。
W=V2/R(スピーカーのインピーダンス(R)は周波数と温度により変化します)
一般的なアンプはブリッジ接続せずに、2Ωのときに最大出力が得られるように、高出力アンプを設計しています。
アンプをブリッジ接続すると、出力電圧を単純に2倍にすることができます。しかしながら、電流のリミットは変わりません。電流は低いインピーダンスのとき多く流れますが、熱が問題となり、限界があります。これにより、2倍の電圧が得られるメリットは、4Ω以上のインピーダンスを使用するときのみ有効となります。これが、2Ω負荷に対してブリッジ接続の出力が仕様書に掲載されない理由です。
QSCから発表された新しい世代のFASTを採用したアンプは、ブリッジとパラレル両方の接続に対応しています。一般的なアンプが2Ω負荷に対して最大出力が得られるように設計されているのに対して、FASTアンプでは、6Ω(4Ωと8Ωの間)のとき最大出力が得られるように設計され、FASTアンプはブリッジ接続とパラレル接続、両方に対応することができます。
ブリッジ接続とパラレル接続の違いは、電池を使って説明すると分かりやすいと思います。
2本の電池を直列に繋いで電球に接続すると、電圧が2倍になり、電球は明るく光ります。アンプのブリッジ接続も同じです。並列に繋いで電球に接続すると、明るさはそのままに、電球を2個繋ぐことができます。これはアンプのパラレル接続と同じです。アンプ出力のインピーダンスが低くなり、電圧は十分ですから、多くのスピーカーを鳴らすことができます。
FASTを使用し、アンプをブリッジ接続すると、高いインピーダンス(8-16Ω)に対して効率良く大きな出力が得られ、同時にパラレル接続のときでも、低いインピーダンス(2-4Ω)に対して大きな出力が得られます。
さらにFASTアンプは、低インピーダンス(1-2Ω)において大きい電流が得られるため、3チャンネルや4チャンネルでもパラレル接続が可能となります。大規模なシステムに対して、4チャンネルを使用したブリッジ-パラレル接続が可能となり、4-8Ωスピーカーでも8000Wのダイナミックパワーをも得ることができます。
パラレル接続でもブリッジ接続より高い出力を得ることができるなら、どうして皆が同じようにやろうとしないのでしょうか?
答えは簡単です。設計するのが本当に難しいからです。QSCは業界で屈指の技術者を擁しているからこそ、実現できたのです。
まず、すべてのケーブルはノイズの影響を受けて、オーディオシステム全体の音質を低下させる可能性があるため、アプリケーションに適したケーブルを選択することが非常に重要です。
アンバランスケーブルは、ケーブル内部の2本の導線が1つのコネクターに接続されたもので、信号線とシールド/グラウンド線で構成されています。標準的なTS(チップ、スリーブ)ギターケーブルはアンバランスケーブルです。AVコンポーネントで使用される標準的なRCA ケーブルは、2本のアンバランスケーブル(赤と白のRCAコネクター)を使用しています。
ケーブルの中央に信号線があり、その周囲をシールド/グラウンド線が取り囲んでいます。シールド/グラウンド線は、オーディオ信号の一部を伝送するのと、信号線を静電気やノイズ、電波(RF)などの外部干渉からシールドするという2つの役割を果たします。アンバランスケーブルのノイズ除去が十分ではない場合、ケーブル自体がアンテナのような役割を果たし、ノイズを拾ってしまいます。これを防ぐため、アンバランスケーブルの長さは、4-6メートルを超えないようにしてください。特にノイズの多い環境で使用する場合や、キーボード、ギター、MP3 プレーヤーなど、一般的にレベルの低い信号を使用する場合に注意が必要です。
バランス接続は、信号をシールド/グラウンド線から分離して伝送することで、この問題を解決します。バランスケーブルは、2つの信号線をシールドで囲んでいます。バランス接続は「差動入力」を使用します。つまり、回路は2本の信号線間の電圧差のみにより作用します。両方ともシールドに対する電圧差が同じであれば相殺され、回路はノイズを無視することができます。
一般的に、2つの導線上の信号は互いに対象であると考えられていますが、実際にはそうでない場合もあります。バランス出力の中には、信号を片側だけで駆動し、もう片方をグラウンドに終端して、インピーダンスを駆動側と同じにしているものがあります。
バランス接続というのは、信号の対称性ではなく、両方の信号線のグラウンドへのインピーダンスが正確に等しくなっているということです。これは、一方の側に入ってきたノイズがもう一方の側にも等しく入り、相殺されるという考え方です。さらに高性能のバランスケーブルでは、2本の信号線がツイストされていて、静電ノイズや電磁ノイズが相殺されます。
そのため、バランスケーブルは、15~30 メートルの長さのものもあります。バランス信号用に設計された標準的なバランスコネクターは、XLRとTRS(チップ・リング・スリーブ)です。
新しいテクノロジーが登場すると、ユーザーはそれまでの概念を再考し、システムの定義や設計の方法を変更することがあります。数年前、QSCは、Flexible Amplifier Summing Technology™(FAST)を備えた4チャンネルDSPパワーアンプという新しいパワーアンプのプラットフォームを導入しました。現在、このテクノロジーは、PLD、CXD、CX-Q、DPAおよびDPA-Qシリーズに搭載されています。
この画期的なFAST(Flexible-Amplifier-Summing-Technology)により、QSCアンプは従来よりも広範囲のスピーカー負荷(インピーダンス)において効率的に動作させることが可能になりました。この技術を新しいClass-D制御回路に組み込むことにより、ユーザーは、負荷の異なる複数のアンプ出力チャンネルを組み合わせることができ、それぞれの出力チャンネルへ最適な電力伝送を可能にします。
単一の負荷インピーダンス(4Ω、8Ωなど)で最高の効率(および出力)を提供するように設計された従来のアンプとは異なり、FASTを備えたQSCのアンプでは、ユーザーはスピーカーの負荷に対して最適な出力構成を選択できます。ブリッジ、パラレル、およびブリッジ-パラレルなど様々なモードでアンプの出力チャンネルを柔軟に組み合わせることができ、アンプはそれに合わせて電圧、電流の供給を最適化することができます。たとえば、2つのチャンネルをブリッジモードで使用すると、高いインピーダンス(8?16オーム)に最適化された、より大きな出力が得られます。2つのチャンネルをパラレル接続した場合も、低インピーダンス(2?4Ω)に最適化された大きな出力が得られます。それだけではありません。
QSCのFASTアンプは、3つ(または4つ)のチャンネルをパラレルモードで組み合わせて、低インピーダンス(1?2Ω)で高い電流を実現する機能も提供します。また、4つすべてのチャンネルをブリッジ-パラレル接続して、4?8Ωの負荷に最適化された8000Wの出力を実現することもできます。
アンプ駆動による温度上昇や音の歪みによるトラブルを未然に防ぎます。過大出力などの原因によりアンプに負荷がかかると、温度異常によるミュートが行われる前に音量が下がり、冷却ファンが最高速で回転します。入力信号のレベルを下げることにより、アンプは1~2 分以内に標準的なゲインに復帰します。
通常のステレオ再生をはじめ、ステレオ2ウェイ、メインとモニターなど、さまざまなシステムに柔軟に対応します。
By Christophe Anet 投稿日: 2022年4月1日
全ての会場において、スピーカーのカバレージを考慮する必要があります。例えば、天井の低いクラブではラインアレイシステムを吊るのに十分な垂直スペースが確保できませんし、屋外の音響設備では壁がないため、多くの制約があります。
屋内会場には、スピーカーの有無は別として、部屋の音響特性を考慮して設計された会場と、考慮されていない会場に分類されます。プロが運営するライブ会場でさえも、最大の課題は、観客に快適で、過不足ない適度な残響音を得ることです。残響を管理するための鍵は吸音対策であり、特別に設計された吸音材や大きな家具、厚手のカーテンなどに依存します。スピーカーを分散配置し、必要に応じてフィルやバルコニー用スピーカーを使用することで、観客を適切にカバーすることができます。
室内では残響が大きすぎると音が濁って聞き取りにくくなりますが、屋外では逆に自然な残響が少ないのが難点です。ボーカルや楽器にリバーブ・エフェクトを掛けても、音のカバレージを改善することはできません。そのため、水平方向と垂直方向に十分なカバレージを持つスピーカーを選択し、ディレイをかけたサイドフィル・スピーカーを使用してカバレージを大きくすることが解決策になります。
会場の水平方向カバレージを正しく設定するには、中央部に特に音量が大きいホットスポットの範囲を少なくして、いかにして客席の幅全体をカバーするかということです。2台のスピーカーのカバレージが重なった場合の音圧レベルは、1台のスピーカーがカバーするエリアよりも3dB大きくなります。
ライブサウンドの場合、必ずしもステレオ再生が最適とは限りません。実際、PAシステムをモノラルで運用する場合も多く、その主な理由は2つあります。
まず、PAシステムの設定によっては、会場のどの位置にいるかでステレオ感が大きく異なります。ミックスの中で左右にはっきりとパニングされた楽器の音は、左右の反対側に座っている観客には伝わりません。
次に、会場全体に位相の問題が生じる危険性が高くなります。これはコームフィルタリングと呼ばれる現象で、会場内の場所によって異なる周波数帯域がブーストまたはカットされます。
一般的にスピーカーは、マイクや楽器とのハウリングのリスクを減らすため、ステージ、または演奏エリアの前方に、演奏者から離れて客席に向けて設置する必要があります。
まず、ステージの両側にスピーカーを配置し、観客席に向かってまっすぐ設置している、ごく一般的なステレオセットアップ例を考えてみましょう。この例で使用したQSC K10.2スピーカーは、90度のカバレージ(-6dB)を持ち、比較的一般的なパターンで出力します。
図1 ステージの両側にスピーカーが配置され、客席に向かってまっすぐ設置しているステレオPAシステムの例。
1. スピーカーの前方に、2つのスピーカーのカバレージが重ならない部分がかなりあり、リスニングエリアのかなり広い範囲に1つのスピーカーの音しか聞こえないエリアがあります。このため音が偏って聞こえ、臨場感がなくなります。さらに、会場の前方にいる観客に対する立体音響効果(パンニング、リバーブなど)も望めません。
2. 適切なステレオ音響を感じるエリアはステージから離れた場所に限定されます。
3. 近くの側壁からの直接反射(距離a)は、ステレオ音響を感じるリスニングエリアに影響を与え、反射音のレベルを上げ、不要な音色を加え、音源定位をぼかし、明瞭度を低下させます。
図2 ステレオPAシステムのセットアップ(スピーカーを25度内側に傾け、ステージの両脇に配置した場合)。
スピーカーをわずかに内側に向ける(この場合は25度)ことで、影響を大きく軽減することができます。
1. スピーカーのカバレージ(90度)がより広い範囲に重なり、ステージにより近くなるため、ステージに近い観客もステレオ再生を楽しむことができます(左右の音の時間差が35msより小さいことが条件)。
2. ステレオフィールドは広くなっただけでなく、会場の後方までスムーズに広がっています。ほとんどの聴衆が両方のスピーカーから効果的にカバーされています。また、リスニングポジションが中央から外れた場合でも、遠くの観客はスピーカーのカバレージ範囲内にあり、近くは範囲から外れていることに注意しましょう。ただ、ほとんどのリスニングポジションで、各スピーカーの音量は同じようなレベルにあります(最初の図1では、近い方のスピーカーの音がより大きくなります)。
3. 各スピーカーと両側壁の反射の距離がかなり大きくなっています(最初の図と比較して、左右の距離は2aのように倍になっています)。まず、サイドウォールの反射が弱くなり、よりバランスよく聞こえるということで、サウンドステージのイメージがより安定することにつながります。次に、スピーカーの直接音が初期反射音と比率して大きくなり、室内残響のレベルが下がり、その影響を受けやすい客席エリアが最小化されます。
実際のところ、上図にあるような急激な変化にはなりませんが、それでも全体的な効果はかなり顕著に現れます。最適な内向き角度は、部屋の大きさや形状、使用するスピーカーのカバレージパターンによって異なります。目標は常に、反射音を最小限に抑えるようにすることです。
次回は、、
第1回でスピーカーの放射空間と背面壁のキャンセル現象、第2回で室内音響の基本変数、「臨界距離」と「逆二乗則」、第3回で水平方向のスピーカーカバレージを詳細に検討してきましたが、最終回は特に垂直方向のスピーカーカバレージに焦点を当てて、このシリーズを終えたいと思います。ご期待ください。
Christophe Anet 氏
Christophe Anet は、電気音響エンジニアであり、QSC Live Soundのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーです。長年にわたり音響への情熱から、世界中のレコーディングスタジオの設計、音響心理学の講義、レコーディングスタジオのコントロールルームの調整などを行ってきました。ギターを弾いていない時は、スイスアルプスでロッククライミングをするか、大自然の中で水彩画を描いています。
By Christophe Anet 投稿日: 2022年3月1日
最適なサウンドとパフォーマンスを実現するために、スピーカーを設置する際に考慮すべき要素は数多くあります。第2部では、室内音響に焦点を当て、「逆二乗則」と「臨界距離」についての話になります。
まず、小さな会場は通常、音圧の大きい音源の再生には適しません。なぜなら、部屋の物理的な大きさが中音域の波長と一致するため、中音域から低音域で不快な共鳴を起こすからです。このような部屋では、スピーカーを部屋の角の近くに置いたり、床と天井の中間の位置に置くことは避けてください。また、低域再生レベルが過大にならないように注意してください。
一方、広い会場では強い残響音の発生が多く、音の透明度や明瞭度が低下したり、低域が濁ったりします。このような会場では、残響音場の発生をできるだけ抑えるために、部屋に多くのスピーカーを分散させ設置するオーディオシステムにするのが良いでしょう。
また、指向性のない低周波音は、コンクリートや壁、天井を振動させるほど強力です。このような構造物から発生する振動は「ダイアフラム共振」と呼ばれ、低周波の鮮明さを損ないます。これらの共振は、建物の構造体を介して効率的に伝わるため、非常に遠くまで低周波が聞こえることがあります。この伝達現象に対応できない場合はまずPAシステムの低域レベルを検討し、指向性のあるサブウーファーの設置を検討してください。
カーディオイド・サブウーファーではサブウーファーの後方に放射する音のエネルギーをキャンセルし、前方に放射するエネルギーを増強します。1台のQSC KS212Cまたは2台のKS118アクティブサブウーファーをカーディオイドモードで配置すると、その放射パターンは後部より前部の方が15dB高い出力となります。このようにサブウーファーの後方で適切なキャンセルが行われることで、建物の構造体に伝わる音響エネルギーを低減することができます。
PAシステムのサウンドには、室内音響が大きな役割を果たします。音響的にデッド(反響が少ない)な部屋は稀で、残響の多い会場が普通であり、音響的に反射する面が大きく、客席に向かって不要な第一反射音が投射され、音質が損なわれています。
PAシステムをセットアップする前に、スピーカーの正面方向と壁面の種類を確認する必要があります。大きな出窓、ガラス面、石やタイルの壁、コンクリート面などはなるべく避け、家具や棚、ソファー、カーテン、布などがある壁に面してPAシステムを設置するようにします。これにより最初の反射エネルギーを最小にできます。
音のエネルギーが距離によってどうなるか。「逆二乗の法則」によると、音響的に安定した室内環境では、直接音はスピーカーからの距離が2倍になるたびに50%(-6 dB)強度が減少します(図1参照)。大きな会場では、観客がステージやPAシステムから遠く離れていることもあり、レベル低下は非常に大きくなる可能性があります。そのような会場では、メインPAシステムを補完し、聴衆を適切にカバーするためにディレイスピーカーやフィルスピーカーを使用するのが一般的です。
この法則の具体的な例を、次に示します。各スピーカーがカバーする最も近い(大きく聞こえる)ポイントを最初の距離「a」、最も遠い(小さく聞こえる)ポイントを「b」と定義してみましょう。ここで、聴衆全体をカバーするための目標値を、聴衆が聞こえる音の最も大きな地点と最も音が小さい地点の間に「6 dB以上の差が生じない」ように定めます。これを達成するには、スピーカーの配置と向きを適切に設定する必要があります。守るべきルールは、「a」の2倍の距離より近くに常に次のスピーカーを配置しなければならないということです。この原則に従って、次回(第3回)は、これを実際にどのように実行するかを見ていきます。
もう一つの興味深い音響原理は、「臨界距離」と呼ばれ、直接音と残響音のエネルギーが等しくなる距離です。正確には、音源の残響音場が、音源から放射される音場と一体化した状態と定義されます。入射した音波の反射、吸収、透過などは、壁の表面により異なります。残響が多い部屋ほど、臨界距離は音源に近くなります。逆に、吸収性の高い部屋ほど、臨界距離は音源から遠くなります。
良好な室内音響設計のためには、臨界距離を音源から可能な限り遠く、残響は最小かつ、すべての周波数で均等にする必要があります。スピーカーからの直接音は、距離の関数に従ってレベルが減少しますが(逆二乗則)、残響は常に部屋全体に広がっています。(スピーカーからは常に新しい音が発せられるので、残響は新しい音と吸収された音が等しくなるまで蓄積され続けます。)
スピーカーから音を出している限り、壁面などに吸収された音量と同量の残響音が常に新しく補填され、残響音が常に一定量存在する状態となります。
残響音が直接音より12dB以上大きくなると、明瞭度が完全に失われます。この「臨界距離」を見つける最も簡単な方法は、スピーカーから音楽コンテンツを再生し、会場内を歩き回ることです。複数のスピーカーを使用しても同様にこの作業を行えます。
どの部屋でも、このように臨界距離を見つけられます。聴衆の席が臨界距離を超える前に(直接音を伝える)スピーカーを増設する必要があります。
第1回では、スピーカーが隣接する表面や音を放射する空間とどのように相互作用するか、第2回では室内音響の課題と音の距離による伝達について説明しました。次回は特にスピーカーの配置に焦点を当てます。ご期待ください。
Christophe Anet 氏
Christophe Anet は、電気音響エンジニアであり、QSC Live Soundのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーです。長年にわたり音響への情熱から、世界中のレコーディングスタジオの設計、音響心理学の講義、レコーディングスタジオのコントロールルームの調整などを行ってきました。ギターを弾いていない時は、スイスアルプスでロッククライミングをするか、大自然の中で水彩画を描いています。
By Christophe Anet 投稿日: 2022年2月2日
QSCのスピーカーは、幅広い用途で高性能かつ音源を正確に再生することで知られています。しかし、ライブ会場では部屋の形状、天井の高さ、音響的に影響を与える壁、その他多くの要因がサウンドシステムのセットアップ・プロセスを困難なものにしています。対策として、まずスピーカーを適切に配置することが挙げられます。この3部構成のシリーズでは、一般的な会場で最高のサウンドを再生するために役立つ、シンプルなヒントを提供します。
まず、「音の伝搬」について考えます。音は周波数によって伝わり方が異なります。下図のように、低周波における無指向性から高周波の高指向性まで多岐にわたります。
2つ目は、いわゆる「空間放射」で、スピーカーが音を放射する容積です。低周波(200 Hz以下)では、硬い壁により空間放射を制限すると、サウンドレベルが増加します。スピーカーを壁に近づけて空間放射を半分にすると、低周波の音圧レベルは2倍になります。
200Hz以下の低域特性がフラットなスピーカーを(天地前後左右に壁がない)フリースペースに設置した場合と比較して、固い壁際に設置すると最大6dB高いサウンドレベルを発生させます。コーナー(2つの壁際)に設置した場合、このゲインは最大12 dB増加します。
この場合、どうすればいいのでしょうか。図2の「フリースペース」以外の場所に設置されたPAシステムの各スピーカーについて、数デシベルずつ200Hz以下の低音のレベルを下げて、低音再生が理想的なサウンドを維持できることを確認します。そのためには、QSC K.2 Series™に搭載されているスピーカー内蔵のEQを使用するか、ミキサーで200 Hz以下のシェルビングフィルターをセットアップします(QSC TouchMix®デジタルミキサーで非常に簡単に行えます)。また、低周波のレベルが高すぎると、特定の低音が強調され、共鳴を起こし、濁ったオーディオミックスになりがちです。
なお、「壁近く」(半空間放射)というのは、サブウーファーの上にスタンドやポールマウントで置かれたスピーカーや、マウントブラケットで天井に取り付けられたスピーカーにも適用されます。同様に、壁の角に近い場所に設置されたスピーカーや、壁と天井に取り付けられたスピーカーは、1/4のスペースに音を放射することになります。もし、スピーカーが壁の角にあり、天井に取り付けられている場合、放射スペースは1/8のスペースになります。
同様に、200Hz以下で発生する現象です。スピーカーとその背後にある硬い壁との間に距離がある場合、この距離が放射される音の波長の1/4に等しい周波数では、壁による反射音はスピーカーの前方放射と位相がずれ、壁によって反射された音は、同じ周波数のスピーカーの前方放射を打ち消すことになります。
音速は344 m/s(気圧0、21℃)であり、C(音速) = f(周波数)× λ(波長)と定義されます。
この式により、任意の周波数に対する1/4波長を簡単に求めることができます。例えば、標準的なギターの最低音(6弦、Eの開放弦)は約83Hzです。このときの1/4波長は約1.0mです。
したがって、スピーカーを硬い固い壁から1m離して設置すると、その前方放射周波数特性は83Hzで大きな干渉を示し、減衰します。これは「低域櫛形フィルターキャンセル」と呼ばれ、スピーカーの出力をイコライジングしても、壁からの反射音も同じようにレベルが変化してしまうため効果がありません。後ろの壁に対するスピーカーの位置が大きな影響を与えているのです。
このようなキャンセルを避けるために、PAシステムを後方の壁からどの程度離すべきでしょうか。45Hz(-10dB)までの周波数特性を持つQSC K12.2アクティブスピーカーを例に、45Hzでの1/4波長を1.9mと計算します。
QSC K12.2スピーカーを後ろの壁から1.9m以上離して設置すれば、キャンセル現象が発生せず、スピーカーの全帯域が問題なく再生されます。この距離は、実際のスピーカーの仕様に依存します。より低い音域まで出力されていれば、背面壁までの距離が長くなります。一般的なステージの奥行きは2m以上あり、多くのDJブースについても、この距離は簡単に実現できます。
さて、ライブのセットアップによっては、ディレイ・スピーカーや「フィル」スピーカーを背後の壁の近くに設置する必要があります。このような場合、どうすればよいのでしょうか。この場合、背後の壁からの強いキャンセルを避けるために、逆にスピーカーの背面をできるだけ壁に近づける必要があります。ただし、前章で説明したように、壁の近くに設置することによって生じる低音を適切に減衰させることも同時に行ってください。
今回は、スピーカーの空間放射とそれに伴う低音ブースト、背面壁のキャンセル現象について考察しました。次回は、どのような会場でも安定したカバレッジを実現するために、基本的な室内音響の変数、「限界距離」「逆二乗則」について解説します。ご期待ください。
Christophe Anet 氏
Christophe Anet は、電気音響エンジニアであり、QSC Live Soundのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーです。長年にわたり音響への情熱から、世界中のレコーディングスタジオの設計、音響心理学の講義、レコーディングスタジオのコントロールルームの調整などを行ってきました。ギターを弾いていない時は、スイスアルプスでロッククライミングをするか、大自然の中で水彩画を描いています。
テネシー州ナッシュビル (2021年9月30日)
"QSCは約束を果たし、ワールドクラスの体験空間の実現に貢献してくれました。"
楽器メーカーを代表するギブソンの新しいExperience Centerは、中央のコンサートステージを中心に、ギブソンの全ブランドの販売、修理、修復、さらにはルシアーと共にオーダーメイドのギターを作ることができるカスタムショップを備えています。ギブソン社は、音響機器を総合的にコーディネイトするナッシュビルのSystems Innovation社に依頼し、システムの中心となるQ-SYS Core 110fプロセッサーを含むQSCの機材を導入して、理想的なサウンド体験を実現しました。ステージにはパワードK12.2、K10.2スピーカー、KS212Cサブウーファーが設置されており、CoreまたはTouchMix-30 Proデジタルミキサーからオーディオ信号を受け再生できます。これと並行して、Coreは8チャンネルのCX-Qn 4K8パワーアンプを介してサテライトルームに音声を供給し、壁面取り付け型のAD-S.SAT 20台、AD-S.SUB 5台、ペンダントスピーカーAD-P4T 2台、コラムスピーカーAD-S802T 2台などのパッシブスピーカーと、ポータブルアクティブスピーカーCP12 6台を駆動します。配置されたAttero Techパネルは、システム全体にパッシブ、アクティブ両方の音声を提供し、Q-SYSタッチスクリーンコントローラを用いて、各部屋で音量とオーディオソースを独立して制御することができます。
Systems Innovation社で設計を担当したJustin Eby氏「このシステムは魅力的なチャレンジであり、その結果に満足しています。ギブソン社は、この部屋のキャパシティ内で可能なあらゆるイベントを行えるようにしたいと考えており、実際に非常に多くの使われ方をしています」。
ギブソン社のBrand ExperienceのディレクターであるMark Agnesi氏「昼間はギブソンのアーティストによるサウンドトラックを流し、夜はGarageを本格的なコンサート会場に変えるというような拡張性が必要であり、24時間稼働する必要がありました」。
"ギブソン社が最初に私たちに声をかけてきたとき、このステージは主に小規模なバンド編成のシンガーソングライターに使用されると考えていました"とEby氏。「TouchMixのプリセットと使い勝手の良さは、それに最適です。オープン当初は、大物アーティストや大規模なイベントの可能性があったため、制作会社を招いていました。制作会社が大型のミキシングコンソールを設置した場合、アナログまたはDanteでAttero Techのパッチポイントに接続することができます。Danteであれば、メインスピーカーの1つ1つを直接コントロールできるプリセットが用意されていますが、Core 100fにはDSPが搭載されているので、ルームチューニングのEQやサテライトスピーカーのタイムディレイなどをエンジニアはショーのたびに設定し直す必要はありません。ステージの照明もQ-SYSでコントロールされています」。
アーティストがメインステージで演奏している間、ゲストは別の部屋でギターを試聴したり、カスタムギターショップで使用する木材を選んだりしているかもしれません。Mark Agnesi氏は、「もちろん、メインスペースにはGibson Garageならではの雰囲気を出したいですね」と言います。「他の部屋にもGibson Garageの雰囲気は必要ですが、それが強すぎてはいけません。このパネルのおかげで、それぞれの部屋のニーズに合わせて調整することができます」と述べています。
サテライトエリアへの電力供給は、CX-Qn 4K8アンプの仕事です。8つのチャンネルは、それぞれ70ボルトのラインで別の部屋のスピーカーに供給されます。「70ボルトであれば、アンプの能力を最大まで使用することなく、簡単にスピーカーを追加・削減することができます。各ゾーンには、任意の数のスピーカーを配置できます。信号がモノラルなのは、まず部屋の形状が特殊であり、人が歩き回るからです」。
システムが複雑であるにもかかわらず、サウンドエンジニアとしての訓練を受けていない従業員でも簡単に操作できることが求められました。その点、Q-SYSのタッチパネルは柔軟性に富んでいるとJustin Eby氏は言います。「元々は、タッチパネルに多くの高度な機能を用意していました。例えば、小さなミキサーで全てを調整できるような機能です。しかし、様々な人が使用することを考えると、よりシンプルにする必要があり、プリセットを使用して設定するようにしました」。
TouchMix-30 Proも同様に、突発的な演奏に対応できるように構成されています。「例えば、あるアーティストが「グリーンルーム」に来て、火曜日の午後に観客のために何曲か演奏しようと考えたとします。システムには既にギターとボーカル用のプリセットがあり、ギター2本、トリオ、さらに大人数のバンド用プリセットもあります。これらを使用して簡単な操作で、ミックスを素早く仕上げられます」。
「グリーンルーム」はアーティストやVIPゲストのためのバックステージエリアで、独立したオーディオゾーンです。「メインステージの信号を流すことも、設備全体のBGMを流すこともできます。また、ゲストが携帯電話から曲をストリーミングできるようにBluetoothを追加し、ターンテーブル用にフォノレベルの入力も用意しました」。
あらゆる入力プリセットやルーティングオプションを駆使しても、いつもギブソンが求めるオーディオ品質が得られるわけではありません。しかし、Core 100fによる厳密なルームチューニングとSystems Innovation社のスピーカー選定により、彼らの期待を上回ることができました。
「最初はこの部屋が怖かった」とMark Agnesiは振り返ります。「この部屋は、コンクリートで囲まれた洞窟のようで、3メートルごとに柱があり、後ろの壁はすべてガラス張りになっています。音響的に何が起こるかわからないと思っていましたが、杞憂でした。プレオープンから夏のNAMMまでずっと演奏を続けることができ、グランドオープニングの日には、ギブソン Live Around the Worldショーを開催し、会場と世界中のギブソンショールームからの演奏でセッションを行いました。QSCのシステムは信じられないほどよく働いてくれました」。
ギブソン社とSystems
Innovation社からは、機器の満足度だけでなく、QSCの会社としての評価も高くなっています。「QSCの担当者はとても優秀です」とEby氏は賞賛します「機材の仕様やEASEモデルの作成などでサポートが必要な場合、常に助けてくれました」。
「QSCは、このプロセス全体を通して、素晴らしいパートナーです」とAgnesi氏は締めくくります。「彼らは我々のビジョンを即座に理解し、約束を確実に果たしてくれました。その結果、真にワールドクラスの体験空間を創造することができました」。
Gibson Garageについて
Gibson Garageは、ライブやバーチャル・ライブ・ストリーミングによるコンサートパフォーマンスを行う最先端ステージを含む、究極のギターと音楽の体験を提供します。Gibson Garageでは、最新の技術を使った双方向の展示、自分だけのギターを作ることができるカスタムショップ、歴史的アーティストの記念品展示、修理・修復センター、そしてギブソンの全商品、すなわちギブソンアコースティック、ギブソンカスタム、Epiphone、Kramer、MESA/Boogie、KRKなどのショッピングなどが可能となっており、すべてのギターを試すことができます。また、限定ギター、楽器、機材、アクセサリー、ギブソン限定アパレルなど、店頭でしか手に入らない商品もあります。
By Christophe Anet (2021年11月2日)
クラブで生演奏を聴いているときも、映画館で映画のサウンドトラックを聴いているときも、音はスピーカーから再生されています。そのスピーカーには、いくつかの種類があります。パッシブスピーカー、アクティブスピーカー、パワードスピーカーです。ここではスピーカーに関する用語を明確にしておきましょう。
この記事では、オーディオソースからラインレベルの信号(プロ用機器では最も一般的なレベルは+4 dBu、民生用機器では-10 dBV)が、これから説明する各スピーカーに供給されていることを前提としています。以下の図では、ラインレベルは緑色で示され、スピーカーを駆動させるのに十分なスピーカーレベルの信号(数十dB)は茶色で示されています。
デンマークのエンジニアPeter L. JensenとEdwin Pridhamは、1915年にカリフォルニア州ナパで実用的なムービングコイル式スピーカーを最初に製造しました。一般的にパッシブスピーカーと呼ばれるものです。この設計は現在も使用されており、QSCを含む多くのブランドで製造されています。
パッシブスピーカーは、1つまたは複数のトランスデューサー(ドライバーとも呼ばれる)、パッシブ・クロスオーバー・ネットワークで構成されています。トランスデューサーは、主電源(コンセントから供給される電力)を必要としません。トランスデューサーは、単体のパワーアンプから増幅された信号(下図の茶色)を受け取ります。パワーアンプは、オーディオソースやプリアンプからのラインレベル信号を、適切なトランスデューサーの信号レベルにまで増幅します。次にこの信号は、筐体内に搭載されたパッシブ・クロスオーバー・ネットワークによって、異なる周波数帯域(通常は2〜3)に分割され、適切なトランスデューサーに送られます。
最適なパフォーマンスを得るためには、パワーアンプの出力定格とパッシブスピーカーの許容入力をマッチさせる必要があります。出力が小さいアンプは、スピーカーの性能を十分に発揮させる前に、オーディオ信号を歪ませてしまいます。逆に出力が大きすぎるアンプは、パッシブスピーカーのクロスオーバーやトランスデューサーに過大な負荷をかけ、歪みの発生やトランスデューサーの故障の原因となります。
最初のアクティブスピーカーは、60年代半ばに初めてJBLやKlein & Hummelにより設計され、その後すぐにAltecとMeyer Soundも追従しました。アクティブスピーカーは、1つまたは複数の筐体、1つまたは複数のトランスデューサー、アクティブクロスオーバーネットワーク、分割された周波数帯ごとに独立した専用パワーアンプから構成されます。
アクティブスピーカーは、オーディオソースやプリアンプからラインレベルの信号を受信し、その信号を内部で増幅するように設計されています。そのためには、電源が必要です。まず、ラインレベル信号は、アクティブ・クロスオーバー・ネットワークによって異なる周波数帯域に分離されます。次に、各帯域はスピーカーレベルまで個別に増幅され、それぞれの適切なドライバーを駆動します。
アクティブスピーカーを用いることで、アクティブクロスオーバーネットワークは、信号のパワー管理の問題から独立できるため、オーディオ信号を最適化し、明瞭かつ正確に分離することができます。さらに、設計者がすべてのコンポーネントを完全にコントロールできるため、各要素を最適化して、最高のオーディオ性能を実現できます。例えば、各パワーアンプの出力とトランスデューサーの入力インピーダンスを完璧にマッチングできます。
また、QSC K.2、KLA、KW、CPシリーズに搭載されているように、アクティブ設計にはいくつかの技術的な利点があります。ドライバーの最適化、高度な保護回路、デジタル信号処理(DSP)などです。
パワードスピーカーとアクティブスピーカーはよく混同されますが、厳密には異なります。
大きな違いは、パワードスピーカーは各トランスデューサーに個別のパワーアンプを持っていません。技術的に見ると、パワードスピーカーは、パッシブスピーカーに似ているか、パッシブとアクティブの技術を組み合わせています。また、パッシブ・クロスオーバー・ネットワークが設計に含まれていても、純粋なアクティブスピーカーの設計とは異なります。
下の図4で示されているパワードスピーカーの設計は、スピーカーの筐体内にシングルチャンネルのパワーアンプが内蔵されていることを除けば、パッシブスピーカーと同じように動作します。この「パワード」スピーカーは、電子的・音響的性能の面では、従来のパッシブスピーカーと変わりません。このような設計は、携帯用デジタル音楽機器の増幅に使用されるような、コンパクトなパーソナルスピーカーによく見られます。
次の図5にあるパワードスピーカーの設計には、ラインレベル信号を2つの異なるバンドに分離するアクティブ・クロスオーバーがあります。ウーファーのトランスデューサの前に専用のパワーアンプを持っていますが、2つ目のチャンネルはパッシブクロスオーバーネットワークを介してさらに分割され、ツイーターとミッドレンジの周波数帯を取り出します。このような3ウェイパワードスピーカーは、技術的には部分的にしかアクティブではありません)。
スタジオモニターやHi-Fiスピーカーの多くは、2台のパワーアンプチャンネルで済むため、主にコスト削減を目的にこのような設計になっています。
スピーカーとその内部のパッシブ・クロスオーバーがコンセントに接続されていない場合は、パッシブスピーカーということになります。大規模な会場や複雑なPAシステムを除いて、スピーカーがコンセントに接続されている場合は、そのスピーカーが、アクティブ設計なのか、それとも「ハイブリッド」パワード設計なのかをチェックすべきです。
要約すると、電源を必要とするスピーカーは「パワード」ですが、すべてのパワードスピーカーを「アクティブスピーカー」と呼ぶべきではありません。製品仕様を確認し、必要なスピーカーを正しく購入するようにしてください。
※メーカーやWEBサイトによって、アクティブスピーカー・パワードスピーカーをどう定義しているかは異なります。各製品の仕様をご確認ください。
Christophe Anet 氏
Christophe Anet は、電気音響エンジニアであり、QSC Live Soundのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーです。長年にわたり音響への情熱から、世界中のレコーディングスタジオの設計、音響心理学の講義、レコーディングスタジオのコントロールルームの調整などを行ってきました。ギターを弾いていない時は、スイスアルプスでロッククライミングをするか、大自然の中で水彩画を描いています。
By Christophe Anet (2021年12月3日)
プロオーディオの歴史の中で、QSC Directivity Matched Transition® (DMT™)技術は、聴衆の音体験を大きく変えたイノベーションの一つです。その利点を十分に理解し、なぜDMTがQSCスピーカーの設計の基礎となったのかを考えてみます。
音は空気中を伝わり、その放射特性は下図のように、低周波は無指向性となり、高周波ほど高い指向性放射となります。
一般的な2ウェイスピーカーの設計では、ウーファーとHFドライバーが音域を分担して再生します。ウーファーの再生は、再生可能な低周波数から約400Hzまでは、完全な無指向性を示します。この周波数から上は、音の放射が徐々に指向性を持つようになります。HFドライバーが引き継ぐクロスオーバー周波数(通常1~2.5kHz)では、ウーファーのカバレージはより狭くなっています。ここでは、コーンの大きさが、実際の放射を決定します。放射される波長がウーファーのコーンサイズよりも小さい周波数になると、ウーファーは強い指向性を持つようになります。ウーファーの大きさの違うスピーカーを考えた時、ある周波数では、直径の大きいウーファーの方が、直径の小さいウーファーより強い指向性を持つことになります。
現在、多くのスピーカーでは、高域ホーンのカバー率のみを仕様書に記載しています。しかし、クロスオーバー周波数以下の、元来耳に敏感な中音域は仕様書通りにカバーできていない可能性あります。実際には、ウーファーからホーンへの移行がスムーズであるかどうかで、大きな違いが生まれます。カバレージがしっかりしていれば、スピーカーを実際に設置したときに、適切なイコライゼーションとバランスのとれた再生が可能になります。
2ウェイスピーカーを設計する際には、まず、選択したウーファーのカバレージがどのような挙動を示すかを理解し、自然なカバレージパターンを記録します(以下の図3、5、6の例)。
長い間、スピーカーの設計者は高音域を効率よく客席に届けるために、長方形のホーンを使用してきました。このようなホーンは、ホーンの幅と高さが高周波ドライバーから放射される波長よりも大きい高周波数(一般的には4〜8kHz以上)において、ある程度の制御範囲を確保できますが、ホーンの寸法(特に高さ)が誘導しようとする波長(1〜3kHz程度)よりも小さくなってしまう中音域で問題が生じます。
ホーンの高さが低い場合、低周波の垂直方向のカバレージパターン制御が崩れてしまい、スピーカー正面の軸から外れた位置の音の再現性が安定しません。
そのため、一般的なホーン(90°×50°)と8インチや12インチのウーファーを同じクロスオーバー周波数で組み合わせようとすると、クロスオーバー周波数でのビーム量が少なく、小型のウーファーは、広いカバレージ(90°〜105°)を示し、大型のウーファーは狭いカバレージ(60°〜75°)を示します。そして、ウーファーとホーンのカバレージは、垂直方向と水平方向のどちらも一致しません。
さらに、ホーンの幅とそれに伴う水平方向の指向性だけが本来のウーファーのカバレージと一致し、高さ方向が一致しない場合、スピーカー正面から垂直方向に外れた場合、スピーカーのパワーレスポンスが低下します。下の図3は、12インチのウーファーと90°×50°のHFホーンを搭載した従来のスピーカーを表していて、(1〜3kHzに問題が残りますが)水平方向の指向性を良好に制御した場合、垂直方向の指向性制御は4kHz以上で失われています。
QSCでは、上記のような原理を理解した上で、使用するHFドライバーに最適なクロスオーバー周波数を選択し、選択したクロスオーバーポイントにおけるウーファーのカバレージに完全に一致するホーンの形状とカバレージパターンを開発しました。
QSC DMTでは、高域ドライバーのカバレージアングルとウーファーのクロスオーバー周波数でのカバレージアングルをホーンの形状に一致させることで、音響性能を大幅に向上させました。
実際、DMTホーンは、クロスオーバー周波数におけるウーファーのカバレージに合わせて導波管の幅と高さを調整することで、非常にスムーズな軸外方向のレスポンスと最適なパワーレスポンスを実現しており、ほとんどの場合、設置した後にイコライザーをかける必要はありませんでした。
もう一つの興味深い点は、小型のウーファーは一般的に感度が低いですが、マッチさせるDMTホーンは音のエネルギーをより広い範囲に放射するため、ホーンの軸上感度も同じ桁だけ低くなります。大きなウーファーは感度が高く、それにマッチした狭いDMTホーンは軸上の感度も同じくらい高くなります。このように、DMT技術は、スピーカー全体の感度や効率を損なうことなく、スピーカー正面の軸上および軸外の音の再現性を大幅に向上させます。
下の図5は、10インチのウーファーと90°×90°のDMT HFホーンを組み合わせたQSCのスピーカーです。ビーム幅の設計目標はオレンジ色で示されており、10インチウーファーのナチュラルカバレッジパターンが1.5kHzまで示されています。この周波数では、ウーファー自体では必要な波長を再生できないため、HFドライバーに移行する必要があります。グラフに示すように、1.5kHzでの対応するビーム幅は90度であり、これがホーンデザインのカバレージターゲットとなります。
また、水平方向と垂直方向のカバレッジパターンを測定し、目標とする設計基準にどれだけ近いかを示しています。
次の図6の黒い線は、100°×60°の長方形のホーンを持つ、従来の15インチ2ウェイスピーカーのカバレージパターンを示しています。2.2kHzのクロスオーバーポイント以下では、カバレージは50度に狭まり、2kHz以上では100度に広がります。
従来のスピーカーの設計は、聴衆、特にスピーカーの正面の軸外にいる聴衆にどのような影響を与えているかを考えます。スピーカの正面の中心軸からわずか30度外れたリスナーは、中心軸上のリスナーよりもはるかに少ない中音域しか聞こえていません。中音域が失われると、明瞭度が低下します。もしあなたがアナウンスやスピーチを聞いたとき、音量は十分なのに何を言っているのか理解できなかったことがあれば、中音域損失が原因である可能性があります。サウンドエンジニアは、この軸外損失を補うために、スピーカーがより多くの中音域を再生するようにシステムをイコライジングします。しかし、そうすると、中心軸上のリスナーは中音域が過剰に聴こえるようになります。このように、軸上と軸外のアンバランスな再生を補うには、妥協をしなければなりません。この問題の解決策はスピーカーの設計そのものにあります。
QSC K.2シリーズのスピーカーは、低域と高域のウーファーとホーンが完璧にマッチしています。K8.2の8インチウーファーは、クロスオーバー周波数で105度をカバーするため、ホーンの設計もその基準に基づいて行われています。また、K10.2とK12.2はそれぞれ、ウーファーの自然なカバレージとホーンのカバレージパターンを一致させています。その結果、これらのスピーカーは中域のカバレージが自然で、スピーカー正面の軸上のリスナーも軸から外れたリスナーも同じように、バランスのとれた音を聞くことができます。
すべてのウーファーは、低周波のカバー範囲が広く、周波数が高くなるにつれて狭くなっています。多くのスピーカーの設計は、高域のホーンのカバレージだけを重要視していますが、すべての周波数で一貫したカバレージを実現するためには、ウーファーからホーンへのスムーズで指向性のスムーズな移行が重要です。QSCのスピーカーのカバレージに関する指針は、Directivity Matched Transition®(DMT™)と呼ばれ、スピーカーがウーファーから高周波ドライバーに移行する周波数において、高周波ホーンのカバレージ角度(または指向性)をウーファーのカバレージ角度に合わせるというものです。その音の良さは、スピーカー正面の軸上と軸外の両方のリスナーにとって明確です。QSCのスピーカーで最高のリスニングをお楽しみください。
Christophe Anet 氏
Christophe Anet は、電気音響エンジニアであり、QSC Live Soundのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーです。長年にわたり音響への情熱を持ち、世界中のレコーディングスタジオの設計、音響心理学の講義、レコーディングスタジオのコントロールルームの校正などを行ってきました。ギターを弾いていない時は、スイスアルプスでロッククライミングをするか、大自然の中で水彩画を描いています。
By Christphe Anet (2021年7月8日)
私たちが耳にしているものは、音源が周囲の環境の影響を受け、耳と脳により音として変換されたものです。この記事では、人の聴覚に関するある側面と、それによる音の知覚への影響について考えてみます。
私達の耳と脳は、聞いた音のイメージを頭の中に作ります。音は、耳の器官(鼓膜、骨、蝸牛など)に直接伝わり、聴覚神経を通して受ける情報を脳により解読します。聴覚マスキングと呼ばれる音の知覚を変えてしまうという、興味深いものがあります。
聴覚マスキングは、ある音の存在により、ある音の認識が損なわれることです。周波数領域でのマスキングは、同時マスキング、周波数マスキング、スペクトラムマスキングとして知られています。時間領域でのマスキングは、テンポラル・マスキングまたは非同期マスキングと呼ばれます。この記事では、「聞きたい音が同時に鳴っているマスキング音により損なわれる」同時マスキングについて説明します。
「マスキングされた場合の閾(しきい)値」の意味について考えます。まず、「マスキングされていない閾値」は、マスキング信号が存在しない状態で認識できる最も小さい信号レベルと定義されます。これに対して「マスキングされた場合の閾値」は、マスキング信号と組み合わされたとき、認識できる最も小さい信号レベルです。
マスキングの量はマスクされたときと、されないときの差で表します。例えば、「マスキングされていない閾値」が20dBで「マスキングされた場合の閾値」が36dBのとき、マスキングの量は16dBです。
聴覚マスキングのテストは、まずテスト信号の「マスキングされていない閾値」を計測します。それから、マスキング信号を固定の音圧レベルで出力しながら、テスト信号を同時に流します。テスト信号のレベルを徐々に上げていき、「マスキングされた場合の閾値」を計測します。
同時マスキングは、原音と同じ長さのノイズ(マスク音)により原音が聞こえなくなることです。マスク音が原音の「マスキングされた場合の閾値」をどれだけ上昇させるかは、原音の周波数とマスク音の周波数に依存します。
最大のマスク効果が起こるのは、マスク音と原音が同じ周波数のときです。原音がマスク音の周波数からずれるほどマスクの影響は少なくなります。この現象は「同一周波数マスキング」と呼ばれています。マスク音と原音が同じ可聴フィルター領域にあり、両者(原音、マスク音)を区別できない状態です。
図1では410Hzを中心としたマスク音を使用した、同時マスキング現象を表しています。聞こえ方への影響はマスク音の強度により大きくなることがわかります。低いレベルでは、マスク音が20から40dBあたりの音なら、聴力に影響を与えません。マスク音強度が50~80dBに上昇すると、特にマスク音より高い周波数で影響は広くなります。これを「上昇拡散マスキング」と呼び、干渉音は、低い周波数より高い周波数の信号をより強くマスキングすることを示しています。
150Hzマスキングトーンを使用して実験、効果は高周波に向かって広く上向きに広がります。聴覚マスキング現象は強くなり、音声スペクトラム全体に拡張していくことがわかります。
スピーカーとサブウーハーのセットアップにより聴覚マスキングが音の認知にどう影響を及ぼすかを考えます。上記の例とグラフから、低周波数から中低域周波数の再生レベルが高いと、聴覚マスキングが起こり、高い周波数のサウンドの聞こえ方に影響を与えると予想できます。
PAシステムにおいて、屋内、屋外問わず、サブウーハーが過剰な低音を再生するとき、聴覚マスキングが起こり、中低域がぼんやり濁ったようになり、明瞭さやダイナミクスが失われるように感じます。中低域がぼやけて焦点がずれ、特定の楽器のレベルが低すぎと感じられ、ミックスのバランスが崩れます。中低域領域において、音の一部が失われるのです。
スピーカー1台でも部屋の角、2面の固い壁に近づけて置かれ、低域の減衰が起こらない場合に同じ現象が起きます。配置により、スピーカーの音響放射特性が変わり、200Hz以下で最大12dB低域の増幅が発生。これによって、中低域の音が聞こえにくくなります。
過剰な低音が生成され、結果的に理想のサウンドが得られない場合はよくあります。これを防ぐ答えはとてもシンプルです。
PAを使用してミックスやダイレクトの過剰な低域レベルを減らします。低音が物足りないと最初不満を感じるかもしれません。しかしながら、そうすることにより、中低域に対して音の明瞭さやクリアさをすぐに取り戻すことができます。適切なバランスが重要です。
実際に、過剰な低音レベルをどうやって減らすか。1つは、ミキサーのメイン出力のミックスバランスを調整。特に録音済みのサウンドを再生する場合はPAシステムにて調整する必要があります。QSC K.2シリーズ・スピーカーとKSシリーズ・サブウーハーはEQが搭載されていて、200Hz以下をシェルビングフィルターにより簡単に調整できます。この使いやすく簡単なEQによりマスキングを調整し、ユーザーシーンとして内部メモリーに保存、いつでも呼び出し可能です。
また、QSC TouchMixミキサーは、EQによりメインやAux出力を精密に調整する機能を搭載しています。
過剰な低周波の音は、音のマスキング効果を発生させ、特定の音を聞こえにくくします。低域レベルを下げることにより、ミックスにおいて全要素のバランスが取れ、適切な立体感のあるサウンドステージを作ることができます。私たちが聴いている音は、音源、環境、そして私たちの耳と脳が音をどう認識するかという、複雑な組み合わせの相互作用であることを忘れないでください。それゆえ音を調整するあらゆる要素を正しく理解する必要があります。
Christophe Anet氏はQSC社の電気音響システムのエンジニア兼シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー。
長年、世界中のレコーディングスタジオの設計と調整、心理音響学に関する講演を行ってきました。
趣味は、ギターを弾くこと、スイスアルプスでのロッククライミング、水彩で大自然の風景画を描くこと。
By Christphe Anet (2021年6月23日)
コンサートやショーなどのライブイベントで音が薄い、パンチやダイナミックさに欠ける、自分が動くと聞こえ方が変わるなどの経験をしたことはありませんか。サウンドシステムにおいて複数のスピーカーを重ねたり並べていたり、壁などの大きな垂直面で音がはっきりと反射している場合は、「コムフィルタリング」の影響を受けている可能性があります。
この現象を理解するのに位相干渉とは何か、さらに、逆位相干渉について知る必要があります。2つの波形が同じ大きさで、位相がちょうど180度ずれて現れた場合、完全に打ち消されます。2つの波形は合わされてゼロになり、これを逆位相干渉と呼びます。
コムフィルタリングはある波形に同じ波形が遅れて重なり、周波数が増幅、あるいは減衰する現象です。このコムフィルタリングが起こるには、信号のレベルが互いに10dB以内になければなりません。コムフィルターの周波数特性を視覚的に見ると、一定間隔にあいた波形の連続になり、ちょうど髪をとかす櫛のような形状になります。
この重ね合わせがオーディオ・スペクトラムにキャンセルと増幅を起こし、金属のような音を作ります。主要な周波数レンジの重要な部分が抜けていて、耳障りで鋭い音になります。
コムフィルターは音源(ミュージシャン/楽器)やマイクが演奏中やレコーディング中に動くことにより、反射される波形が連続的に変化し、コムフィルターがオーディオスペクトラム全体に影響します。この様に異なる周波数に対する減衰、増幅が時間的に変化することを「フェーザー効果」と呼びます。
コムフィルターの形と強度は元の音に対する遅れにより決まります。一番強い反射が元の音に対して2msより短い時間に起きるなら、枠内にある高域周波数のみが影響され、あまり気になりません。遅れと反射が10msに近づくと、コムフィルターによるキャンセルと増幅の影響は聞き取りやすい周波数領域に入り、よりはっきり影響がわかるようになります。
最初の反射が20msより遅く到着する場合、人の耳は2つの音(直接と反射)を区別して聴くことができるようになります。2つの音が十分に遅れて届けば、コムフィルターの現象は完全に消えます。
しかし、反射音だけが、コムフィルタリングを起こすわけではありません。複数のスピーカーやマイクもコムフィルタリング効果を引き起こします。
音は音源から放射され、近くの固い表面から反射します。例えば、スネアドラムのマイク録音では、放射された音はマイクに届くのと同様に、部屋の壁に到達し反射されます。テーブル表面、床、天井、さらに家具、窓などからも反射は起こります。
反射音は直接音よりさらに長い距離を伝わり、耳やマイクに遅れて到達します。両方の信号は同じですが、数ミリ秒遅れるためコムフィルタリングを起こし、周波数のいくつかはキャンセルされたり、増幅されたりします。
反射によるコムフィルタリングを避けるため、いくつかの方法があります。1つ目は、音響エネルギーが距離により急速に減衰することを利用して、マイクをできるだけ音源に近づける方法です。これにより、直接音のレベルは反射音よりずっと大きくなります。
もう1つの効果的な方法は、マイクに届く最初の反射音を吸収、または散乱させることで、マイクに入るエネルギーの量を明確に減衰できます。
同じ信号が複数のスピーカーに送られるときは常にコムフィルタリングが起こる可能性があります。ステレオ音を生成するとき、通常は左右のスピーカーはリスナーから等距離に置かれます。両方の直接音が同時に、全ての周波数が同位相でリスニングポジションに到達すればコムフィルタリングは起こりません。
しかしながら、正確なリスニングポジションで聴くことができない環境、例えば一方のスピーカーに近づいて座っているなどの状況であると、ある周波数がキャンセルされたり、増幅されるため、コムフィルタリングが起こります。
上記のステレオ音における問題はライブサウンドでも起こります。アリーナなど大規模会場において大観衆に届けるために起こる、スピーカーの時間遅れの問題です。この用途では、スピーカーを複数用意する必要があり、メインスピーカーアレイを補助するためにバルコニー下にスピーカーを追加したりします。システムが正しく設置されなければ、メインスピーカーアレイからの音はバルコニー下のスピーカーに遅れて届き、コムフィルタリングが発生します。
この現象を抑える方法があります。大規模会場のライブサウンドに対して、全スピーカーの音を同期させるため、個々のスピーカーアレイに合わせてディレイ時間をセットします。
スピーカー間のディレイタイムの調整を一カ所のスポットで最適化するのも効果的な方法です。どのような場合でも何か妥協が必要で、複数の音源(スピーカー)を使用する場合、コムフィルタリングの問題は多少なりとも常に存在します。
もし、単一音源スピーカー(QSC CP、K.2、KWシリーズなど)を使用して広範囲をカバーしたいなら、まず、よくコントロールされた指向性を持っているスピーカーのモデルを選択しましょう。カバレージができるだけ重ならないようにしてスピーカーを配置すると、コムフィルタリングはほとんど起こりません。
例えば、公称カバレージが60度、本体側面角18度のKW152を2台使用しましょう。この2台を隣あわせに設置すると、2台の中心軸の角度は36度になり、音響エネルギーが重なっている所は、リスニングエリア内でコムフィルタリングの影響を受けます。スピーカーをより広い60度で設置すると、重なりは最小限になり、全体のカバレージ角は120度まで広がります。
ステレオマイクのテクニックは、録音に臨場感を与えるのに最適な方法です。しかしながら、音が複数のルートを取ってマイクに伝わるとき、ルートが長くなることによる遅れで、特定の周波数がキャンセル、増幅します。ドラムキットを録るとき、様々なマイクが異なる位置に設置されています。そのため、ドラムの音が僅かに違う時間でマイクに到達し、コムフィルタリングを起こしているのです。
また、パネルディスカッションでは、複数のマイクが同時に働きます。各参加者が自分のマイクで話しても、隣のマイクに声が入って、混じり合ってしまい、それがコムフィルタリングを引き起こします。
この複数のマイクによるコムフィルタリングを防ぐいくつかの方法があります。例えば、3対1の法則では、あるマイクが音源から1mの場合、隣のマイクとは最低でも3m離します。
マイク間のリークを減少させるため、マイクを分離することができないなら、オートゲイン(QSC TouchMix30Proデジタルミキサーではオートミックス)を使用します。これは、自分のマイクに話しているときはゲインを上げ、使用していないときはゲインを自動的に下げる機能です。これにより、複数のマイクを使用することによるコムフィルタリングを大幅に減少させることができます。しかしながら、この方法は2本以上のマイクが同時にゲインが上がると効果的ではありません。
コムフィルタリングは音の反射や複数のスピーカーやマイクを使用するとき起こる可能性があります。変化した音は、金属的で不自然、とげとげしく鋭い音になります。コムフィルタリングが起こると、原音における基本周波数の重要な部分が欠落します。私達の耳や脳は音の全共振部分と特定の音質を使って、各音の特性を脳に再現させます。もし、基本周波数が欠落し、再生され、録音されたりすると、音は原音の忠実さを失います。この場合でも、いくつかのヒントとテクニックに従うことによって、多くの異なるライブサウンドやレコーディング用途で起こるコムフィルタリングを最小限に抑えることができます。
ぜひ工夫して音を楽しんでください。
Christophe Anet氏はQSC社の電気音響システムのエンジニア兼シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー。
長年、世界中のレコーディングスタジオの設計と調整、心理音響学に関する講演を行ってきました。
趣味は、ギターを弾くこと、スイスアルプスでのロッククライミング、水彩で大自然の風景画を描くこと。
By Christphe Anet (2021年2月10日)
曲を作り、音楽や効果音を録音したり作成する方法はさまざまです。あらゆるオーディオ制作において、最終的に必要な各トラックからミックスダウンを行います。次に、マスタリングにより最終パッケージにまとめます。ここで作品はリリースされ、放送、ダウンロード、ストリーミングされたり、またはCD、DVD、SACDなどのメディアを通じて販売されます。
音楽制作において作品を作り始めるとき、新しい作品をどのように共有するかを考えるのは極めて重要なことであり、そのために曲をどのように効率良く録音するか、最適なフォーマットは何かを決めなければなりません。
デジタル時代の今、多くのオーディオ・ファイル・フォーマットがあり、最高のサウンドクオリティーを持つオーディオ・フォーマットはどれか、ストリーミングにはどれを使うべきか、様々なSNSメディアとストリーミング・プラットフォームでの違いは何か、などを調べる必要があります。インターネットで通信できる容量は増え、以前ほどオーディオファイルを圧縮する必要はありませんが、音楽制作に係わる全ての人がオーディオファイルを圧縮すると、音質は劣化するという認識を持っています。
オーディオ・コーデックとはデジタル音声データをエンコードまたはデコードできるデバイスまたはコンピュータープログラムを指します。音楽データやストリーミングデータに対してエンコードまたはデコードするアルゴリズムを実行します。
コーデックはデジタルーアナログコンバーター(DAC)とアナログーデジタルコンバーター(ADC)両方の機能を持ち、同時に実行することができます。MP3、Winodows Media Audio(WMA)、Dolby Advancedなどが一般に使用されているコーデックの例です。音をデータへ、データを音へと変換します。
ファイルサイズを圧縮するかしないかを含めて3種類の基本的なコーデック・タイプがあります。
詳細を見ていきましょう。
録音したデータに対して圧縮しないフォーマットです。音は録音されたままの状態を保ちます。
音質に対して妥協することなく、データを圧縮、解凍をすることができます。ファイルサイズは最大50%まで圧縮されます。
録音データに対して重要性が低いデータを破棄するように計算を行い、通信負荷の少ない(軽い)データパッケージを作ります。非可逆圧縮は心理音響原理を使用して極めて小さいサイズに変換します。マスキングという心理音響現象から、録音データのいくつかの要素は、「他の要素」によりカバーされ、リスナーは認識できません。音波を細分化して解析するという、このアルゴリズムは「認知コーディング」と呼ばれ、心理音響解析とデータ削減を実行し、その結果、およそ1/10までサイズを縮小できます。しかしながら、そのようなデータ/サイズ削減はコンピューターの処理量を増加させます。可逆圧縮録音データと違って、非可逆録音データは、全てのオーディオ情報を保有していないことから、音質の損失があります。音質がどの程度損なわれるかは、コーデックの性能(使われているアルゴリズムと、どの程度圧縮できるか)に依存します。
ハイレゾリューション非圧縮オーディオ・フォーマットです。通常の16ビット/44.1kHz PCMデータやFLAC、ALACなどの可逆圧縮フォーマットより高音質です。この高品質コーデック(ΔΣ変調を使用、フォーマットは1ビット/2.8224 MHzサンプリングレート)を使用して録音されたデータを再生するのに高性能オーディオコンバーターが必要となります。
非圧縮オーディオ・フォーマットであり、アナログ信号をデジタルサンプリングします。コンピューター、CD、DVD、デジタル通信、他、デジタルオーディオアプリケーションの標準デジタルオーディオ・フォーマットとなっています。PCMレコーディングでは、増幅されたアナログ音声が一定間隔でサンプリングされ、各サンプルはデジタルステップ内の最も近い値に数値化されます。
非圧縮フォーマット。非常に高いサンプリングレートと解像度を持ち、人の聴覚をカバーします。ファイルエンコードにはPCMデータフォーマットを使用します。非圧縮フォーマットであるため、ストリーミングには向いていません。
非圧縮フォーマット。WAVオーディオフォーマットを元にしたオーディオ専用のフォーマットです。EBU(European Broadcasting Union)が「放送用オーディオフォーマット」として採用しています。異なる放送環境やコンピュータ・プラットフォームの機器間でもシームレスにデータのやり取りができます。
非圧縮フォーマットです。MacとPC両方に対応しています。Appleにより開発され、サウンドはPCMフォーマットと区別がつきません。データサイズが大きいため、使えないことはありませんが、ストリーミングではあまり一般的に利用されていません。
可逆圧縮形式、オープンソース・オーディオフォーマットです。非常に効率がよい圧縮アルゴリズムであり、元のサイズに対して50~70%以上圧縮されます。高音質で音楽を保存する方法として一般的です。オープンソースのため、多くの機器とプログラム間で互換性があります。
可逆圧縮形式。M4Aファイルフォーマットを使用。他の可逆圧縮フォーマットと比較して、ファイルサイズは小さく、主にApple製品で使用されています。
非可逆圧縮。最も知られたサウンド・コーデックの1つであり、非可逆圧縮を使用し、非常にコンパクトなオーディオファイルを実現しています。MP3データはWAVデータの1/10にすることができ、固定、あるいは可変ビットレートでエンコードすることができます。固定ビットレートはオーディオファイルと同じ音質を確保できますが、ファイルサイズは大きくなります。可変ビットレートは無音のとき音質を落としてファイルサイズを小さくすることができます。
可逆圧縮、非可逆圧縮2種類のバージョンがあり、一般的にはWMAデータは非圧縮フォーマットよりサイズが小さくなります。MP3やFLACデータと同等の有用性があります。
オープンソース、ライセンス使用料なしの非可逆圧縮オーディオフォーマットです。転送速度を犠牲にせずWEB上でストリーミングが可能です。低ビットレートでも優れたサウンドを提供しつつ、オーディオデータを圧縮し、小さいデータサイズを実現しています。OGA/OGGファイルはMP3より高音質になるようです。
非可逆圧縮。小さいサウンドデータと非常にスムーズなオンライン・ストリーミングが特徴です。可変、または固定ビットレートで作成することができます。原音とほぼ同じ音質が必要な用途には向いていません。
最適なオーディオ・フォーマットの選択方法はその用途により異なります。データ配信、またはメディアへ転送するとき、最適な音質のオーディオフォーマットを選択する必要があります。必要以上の高品質オーディオデータは扱いにくく、編集や共有をするのに不都合です。
もう一つアドバイスがあります。ミックスダウンを最終ミックスにエクスポートする必要があるとき、オーディオファイルは、保存メディア(CD、DVD)、放送、ストリーミングなどに最適化され、実現できる最高音質のものを選択してください。
たくさんあるSNSプラットフォームを使用し、インターネットを介してオーディオ・コンテンツをシェアすることにより実現できることは無限にあります。インターネットでコンテンツをアップロードするとき、どのオーディオフォーマットを使うべきか。SNSの世界でよく起こるのは、オーディオとビデオの仕様がしばしば変更されることです。最も多い変更は、SNSメディア・プラットフォームに関連したもので、より楽しめる映像とリスニング体験をユーザーに届けるために、問題を解決するためのものです。
これらの変更全てが進化に追従するための挑戦です。次の表にその現状をまとめました。
オーディオ・フォーマット1 | ビデオ・フォーマット1 | |
---|---|---|
ステレオAACコーデック 128 kbps+ | MOV、MP4(H.240圧縮コーデック) | |
ステレオAACコーデック 128 kbps+ | MP4/MOV(H.240圧縮コーデック) | |
モノラル/ステレオAAC-LC (low complexity) |
MP4(web), MOV(モバイル) | |
Snapchat | ステレオPCM/AACコーデック, 最小192 kbps、16/24 bitのみ, サンプルレート48 kHz |
MP4/MOV(H.264圧縮コーデック) |
YouTube | ステレオMP3 (MP3/WAVコンテナー), PCM (WAV コンテナー), AAC (MOV コンテナー), FLAC 最小ビットレート(非可逆): 64 kbps |
MOV、MPEG4、MP4、AVI、WMV、MPEGPS、FLV、3GPP/WebM |
AAC/MPEG4コーデック、<=64 kbps | ASF、AVI、FLV、MOV、MPEG-1、MPEG-4、MKV /WebM | |
Vimeo | ステレオAAC-LC (Low Complexity), 320 kbps、48 kHzサンプルレート |
H.240, Apple Pro解像度422 (HQ)、H.265 (HEVC)コーデック |
オーディオフォーマット2 | |
---|---|
Spotify | ステレオFLAC/WAV. 全てのファイルはWAV (44.1 kHz) に変換され、次のフォーマットにコード変換 Ogg/Vorbis (96、160/320 kbps) – AAC (128/256 kbps) – HE-AACv2 (24 kbps) |
Pandora Premium |
AAC+ (32 kbps/64 kbps) MP3 (192 kbps) |
Apple Music | AAC (256 kbps) |
SoundCloud | WAV、FLAC、AIFF、ALAC、MP3、AAC、Ogg/Vorbis、MP4、MP2、M4A、3GP、3G2、MJ2、AMR、WMA 推奨: WAV (16 and 24 bits), FLAC, AIFF/ALAC |
TIDAL HiFi | マスター品質–MQA (Master Quality Authenticated) 44.1 kHz / 16 bits~96 kHz/ 24 bits (192 kHz) 2304~9216 kbps HiFi – FLAC (44.1 kHz / 16 bits) @1411 kbps 標準 – AAC (320 kbps) |
TouchMixの全モデルは、コンピュターを使用せずに、全入力、ステレオミックスダウンの録音、USBドライブへのダイレクト録音をすることができます。トラックは非圧縮32ビットBWF(Broadcast Wave Format)で作成され、ミキサー上でプレイバック、ミックスダウンに使用されます。または、DAW(Digital Audio Workstation)にオーバーダブとポストプロダクション編集用にインポートできます。
さらに、無料のTouchMix DAW Utility(Windows、Mac用)を使用してTouchMixトラックをDAWに、またDAWからTouchMixに転送することもできます。
インターネットの通信量が増加したのにもかかわらず、非可逆圧縮オーディオファイルは、その成長と共に育った音楽愛好家と音楽制作者の間で数世代に渡り標準になっています。しかし、次の世代においては、非圧縮フォーマットの優れた音質を認識させるべきです。
高音質に関心がある全ての人のために、非圧縮、可逆圧縮オーディオを可能な限り積極的に共有し、最高品質のコーデックを求め、最も高いビットレートを選択し、この分野の技術革新から目を離さないようにすべきです。高音質オーディオ再生を目指すなら、高音質オーディオフォーマットが広く使用されなければ意味がありません。
By Christopher Anet (2021年1月7日)
最近、多くのミュージシャンはツアーに出ずに、ライブから遠ざかっているのではないでしょうか。そして、余った時間を利用してスキルを磨く、または何か新しいことに挑戦しているでしょう。しかし、その間、機材はほとんど使われていないはずです。実は機材は使っていないときが最も壊れやすいのです。機材を次のイベントまで完璧な状態に保つために、手入れや保存の仕方について知ることが重要です。
高いお金を出して購入したのですから、保管の仕方に注視するのは当然のことです。
ハードディスクやメモリーカードなどは、ほとんどのオーディオシステムで使われています。これらの機材を保管する前に、バックアップを取り、バックアップが使える状態にあることをチェックしましょう。
電子機器にとって埃は天敵です。ハンダ接点を弱くし、ツマミからはノイズを発生させます。予防として、保管のときも機材には常にカバーを掛けてください。また、定期的にほこりを取り除いてください。先端にブラシがついた掃除機は埃や小さなゴミを取るのに便利です。
機材をクリーニングするなら、柔らかい布に中性洗剤を含ませて埃を拭いてください。布はマイクロファイバーやソフトラグのように柔らかく、機材表面に優しいものを選んでください。
クリーニングには何か特別な専用品が必要と思うかもしれません。しかし、ほとんどの場合、少し水で湿らせた布が一番良い選択になります。石けんやクリーナーは機材の表面を傷める可能性があります。
日常的な埃の除去だけでなく、ハンダ付けの部分も、良好な接触状態を保つのにクリーニングが必要です。機材がバッグに収納されていたとしても、腐食は進み、接点の状態を悪化させます。次のライブ前に、全てのケーブルと機材との接触状態が良好かどうかチェックする必要があります。接触が悪いところを見つけたら、接点復活剤を使用するのも良いでしょう。速乾性のスプレーで、繊細な電子回路にも使用できるように設計されており、ハンダ付けされた部品の接触不良を引き起こす汚れを取り除くことができます。
オーディオ機材に使用されている部品には寿命の存在が避けられないものもあります。真空管、ヒューズ、ギター弦、オーディオケーブルなどは劣化する前に交換する必要があります。ギターアンプやマイク・プリアンプにある真空管が突然ノイズを発し、不安定になることがあります。接点に関しても保管しているだけで劣化することがあるため、全ての電源を入れて音に問題がないか確認します。ケーブル、弦、コネクター、電池、それから真空管とヒューズは常に予備が必要です。
電池は長い間使用しない場合、抜いておくべきです。どのようなタイプの電池でも、液漏れの可能性があり、それはオーディオ機材に影響を与えます。特に注意すべきは電池によりLEDディスプレーや他のデジタル部品に電気を供給しているビンテージ・シンセサイザーでしょう。電池を外しておき、次のライブの時には新しい電池に交換することを強く推奨します。
湿気は明らかにオーディオ機材の敵です。使用しないときは、乾燥した場所に保管すべきです。地域によっては除湿機を使う必要もあるでしょう。湿気の多いところは接点表面に腐食した薄膜を作り、接触不良を起こします。
長期間保存するとき、乾燥した場所を選び、腐食や酸化を遅らせる透過性防錆潤滑剤などを使用してプラグやソケットを保護します。
マイクに関しては特別な注意が必要です。湿気がマイク内に入ると、ダイアフラムの動きが悪くなり、音が不自然になります。不適切なフィルターを使用したマイクは、使用中にボーカリストの息がかかり、この問題を引き起こす可能性すらあります。乾燥させると問題が解消することもあります。
非常に高温になる環境はオーディオ機器には良くありません。保管場所が非常に高温になるのを防ぐために、十分な換気を行ってください。また、ファンを搭載したオーディオ機材は、排気やヒートシンクが周囲の壁などにブロックされていないか確認する必要があります。氷点下の車のトランクに入れていたオーディオ機材は、使用する前にゆっくりと室温に戻しておく必要があります。急に温かい部屋に持ち込むと、機材表面が結露し、電気的、機械的問題を引き起こす可能性があります。保管温度は室温(20℃)が最適です。
スピーカーも他の機材同様、手荒に扱ってはいけません。衝撃により、ボイスコイルの調整位置がずれたり、コーンに影響を与えます。この問題をチェックするのに、クリーンなベース音を含む音源を普通の音量で鳴らして、ベース音が「きしむ」かどうかスピーカーの近くで聴いてみてください。初めは問題がなくとも、時間の経過と共に悪化し、トランスデューサーの交換、またはスピーカーごと交換することになるかもしれません。スピーカーのモデル、特に長い間保管されていた旧モデルでは、コーンの乾燥、加水分解などで破れてしまうものもあり、使用不可能になる場合もあります。次のライブ前に、ぜひチェックしておいてください。
仕様通りの電源を使用しているか確認します。保管する前に電源にラベルを貼っておくと良いでしょう。電源装置を交換する必要がある場合、次の点に注意してください。
一般にケーブル、プラグ、ソケットは他の部品より問題を起こす可能性が高いです。だからこそ、故障を防止し機材の寿命を長くするために十分注意を払い、頻繁にチェックする必要があります。また、これらの部品は故障する前に事前に何らかの予兆があります。
プラグを何度もソケットに抜き差しすると摩耗します。接触が悪くなる前に交換する必要があります。
プラグとソケットは湿気により腐食し、接触が悪くなります。内部が腐食していると、抜き差しがきつくなってきます。応急処置として、透過性防錆潤滑剤などをかけて接触の問題を一時的に解決することができます。
ケーブルは曲げを繰り返すと被覆内に損傷を与えることがあります。機材に接続してからケーブルを指で上下に振りながら全体をチェックしてください。定常的なノイズや信号の分断が起きる場合、ケーブルを交換する必要があります。
電線は何度も曲げを繰り返すと断線します。これを防ぐためにケーブルを緩くコイル状に巻くことによって寿命を延ばすことができます。シールドケーブルには特に効果的です。ケーブルをコイル状に巻くのに一般的に知られた方法がいくつかあります。QSCでは、いわゆる「8の字巻き」を推奨しています。(https://www.youtube.com/watch?v=cpuutP6Df84)
機材を安全に確実に保管するには、機材を整理整頓して収納する必要があります。所有するサウンドシステムには複数の部品やオプションパーツがあると思います。適切に保管すると、部品が混ざったり、壊れたりするのを防ぐことができます。重要なのは、全ての部品をグループ分けして整理してから安全なケースに収納することです。床に直に置いたり、むき出しの状態で放置しないようにすることです。
整理しておくことで、機材が必要なときに直ぐ探し出せるようになります。また、ケースに何が入っているか分かるようにラベルを貼っておくことも重要です。
機材をクリーニングしたり維持したりするのは本当に大変なことです。しかしながら、少しの努力の積み重ねにより機材は良い状態に保たれ、いつでもステージに戻ることができます。
2020年2月27日 MUSIC CONNECTION最新ニュース
仲間と一緒に音楽を楽しむ方法として、ジュークボックスほど長く皆に親しまれてきたものは他にありません。その中で、ジュークボックスの普及に最も貢献したのは、Rock-Ola社でしょう。その名前は創業者のDavid Cullen Rockolaから取ったものです。同社は1927年にコイン式体重計の製造を始め、その後、アミューズメントの世界にも進出。1年以上前にAlexander Walder-Smith氏が、Rockola社を買収し、Rock-Olaのアメリカ的な創意工夫とサウンドにいついてこだわって製品開発を行っています。彼が行った最初の仕事はRock-Olaジュークボックスの心臓部に、QSC GXシリーズ・パワーアンプを採用することでした。
Walder-Smith氏は20年もの間Rock-Ola社の取引先であり、英国の市場にジュークボックスを供給。Rock-Ola社がアメリカに歴史を体現するブランドであるということを認識していました。買収したとき、最初に確認したのは、多くのジュークボックスの部品がアメリカの歴史を継承していることでした。そして、その歴史をさらに継承していくために、QSCは最適だったのです。QSCはアメリカの会社であり、創設者であるPat Quilterのビジョンと共に小さな会社からスタート、品質を重視した製品により、大きく成長してきました。
Rock-Ola社がGX3を選択したのは、その素晴らしい性能とサウンドに感銘を受けたからです。最終的な決定をする前に、Rock-Ola社のチームは性能を試し、スピーカーに最適なパワー、4Ωと8Ω負荷に対する余裕のあるヘッドルームなどの優位点を確認しました。アンプのアップグレードにあたり、エンジニアリングを担当する上級副社長が長期間、多くのアンプをテストし、GX3が最適であると判断しました。使っていたスピーカーとの相性も良く、サウンドは圧倒的に優れていました。コンパクトで軽く、ジュークボックスのキャビネットに余裕を持って収まります。大音量で再生してもサウンドは常にクリーンです。ジュークボックスは、12時間以上連続で使用されることがあります。しかし、GXシリーズのGuardRailTM保護機構は、過負荷や過熱によりジュークボックスがダウンするのを防ぐため、自動的にゲインを抑え、クリーンなサウンドを保ちます。
Walder-Smith氏とデジタル担当副社長のBob Brinklow氏はRock-Olaの新しいVinyl 45シリーズを誇りに思っています。このジュークボックスは3つのモデルから構成されていて、アナログ・レコードを再生するためのカスタムプリアンプを社内で開発。GX3とのマッチングも非常に優れていました。
Walder-Smith氏がコメントしています。「Vinyl 45製品ラインにはJohn Papaの名前を取った特別バージョンが含まれています。JohnはNational Jukebox Exchange社のオーナーであり、ジュークボックスやコインを入れて動作するエンターテインメント・マシンの復活についての第一人者でもあります。コレクターや熱狂的なファンの間では人気があり、とにかく我々はJohnと一緒に何かを作りたかったのです。その中で生まれたJohn Papaエディションは、アップグレードされたフォノ・カートリッジ、伝統的なコインスロットとメカニズム、そしてGX5にステップアップしたアンプを搭載しています。1万ドルで販売され、搭載されたQSCのアンプは、最高級の品質であることは間違いありません。また、Bluetoothストリーミングが使用できるため、SpotifyやiTunesなどから曲を送信し、最高のアンプとスピーカーを用いた音楽を聴くことができます。」
Walder-Smith氏がRock-OlaとQSCを融合したメリットについてさらに語ります。「木材でさえカリフォルニア産。このジュークボックスを完全なアメリカ製にしたかったのです。「ロンドンのHigh Streetでも、ハーレーダビッドソンの話をすれば誰でも、それはアメリカのブランドだと分かります。我々は次に新しい製品を発表するとき、(これ以上話すべきではありませんが、家庭用のスマートシステムを考えています)無意識にアメリカのイメージを持ってもらいたいと思っています。QSCは品質と耐久性をサポートしてくれていて、音楽を聴く製品におけるハーレーダビッドソンになることを支えてくれると期待しています。
Rock-Ola社については下記ホームページを参照してください。
https://www.rock-ola.com/collections/jukeboxes
軽量な筐体ながら、クリーンで歪みのないパワフルなサウンド、QSCならではの高い信頼性を実現
ステレオは8Ω/4Ω/2Ω、ブリッジは8Ω/4Ωに対応
PLX2 02シリーズには、2種類の低域フィルターが搭載されており、これらを組み合わせることで可能な限り最適なパフォーマンスを提供することができます。
2ウェイシステムに最適な100Hzのロー/ハイパスフィルターにより、1台でハイボックスとサブウーハー用の信号を振り分けることができます。
※ステレオ2ウェイの場合は、2台のアンプが必要です。
サブウーハーシステムに対応する33Hzローカットフィルター
33Hz以下を再生可能なサブウーハーは「Full」、サブウーハーではない場合は「33Hz」に設定することをお薦めします。
Load | Top/Full/Sub Switch | 33Hz/Full Switch |
---|---|---|
Subwoofer | Sub | Full or 33Hz |
Small Full Range (10" and smaller woofer) |
Full | 33Hz |
Large Full Range (12" and larger woofer) |
Full | Full or 33Hz |
Top Box | Top | Full |
Studio Reference | Full | Full |
軽量な筐体ながら、クリーンで歪みのないパワフルなサウンド、QSCならではの高い信頼性を実現
PLX1104 | PLX1804 | PLX1802 | PLX2502 | PLX3102 | PLX3602 | GX3 | GX5 | GX7 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ステレオ8Ω | 325W | 600W | 330W | 450W | 600W | 775W | 300W | 500W | 725W |
ステレオ4Ω | 550W | 900W | 575W | 750W | 1000W | 1250W | 425W | 700W | 1000W |
ステレオ2Ω | - | - | 900W | 1250W | 1550W | 1800W | - | - | - |
ブリッジ8Ω | - | - | 1200W | 1500W | 2100W | 2600W | - | - | - |
ブリッジ4Ω | - | - | 1800W | 2500W | 3100W | 3600W | - | - | - |
歪率 | <0.02% | 0.05%未満 | 0.05%未満 | 0.05%未満 | |||||
出力回路 | クラスAB | クラスH (2段階) |
クラスAB | クラスH (2段階) |
クラスH (2段階) |
クラスH (2段階) |
クラスB | クラスH | クラスH |
ダンピングファクター | 200以上 | 500以上 | 100 | 100 | 100 | ||||
入力 | XLR、TRSフォン | XLR、TRSフォン、RCA | |||||||
出力 | スピコン | スピコン、バインディングポスト | スピコン、フォン、バインディングポスト | ||||||
クロスオーバー | なし | 100Hz(TOP/FULL/SUB)、33Hz/FULL | FULL/100Hz(ch1:LF、ch2:HF) | ||||||
保護回路 | ショートサーキット、オープンサーキット、異常温度、超高周波無線周波、異常負荷、電源ON/OFFミュート、DC異常ブロック、クリップリミッター、超低周波フィルター、(-3dB@5Hz) | ショートサーキット、オープンサーキット、異常温度、無線周波、DC異常負荷保護 | |||||||
電源 | AC100V 50/60Hz | ||||||||
消費電力 (1/8出力、4Ω) |
9.0A | 10.1A | 9.7A | 9.0A | 10.6A | 13.1A | 7.6A | 7.0A | 12.2A |
奥行き | 27.9cm | 37.9cm | 25.7cm | ||||||
高さ | 2U | ||||||||
重量 | 5.9kg | 9.5kg | 12.1kg | 12.6kg | 7.7kg |
高効率クラスDアンプとユニバーサルパワーサプライを採用
20種類のプリセットを内蔵、ステレオ、モニター、サブウーハー、バイアンプ、モノと状況に合わせたシステム構築が可能
プリセット名 | 入力 | 出力 | DSP | DSP A | DSP B | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LPF | HPF | LPF | HPF | |||||
P1 | ST SAT FULLRANGE | 2ch | 2ch | ステレオ | バイパス | 20Hz | バイパス | 20Hz |
P2 | ST SAT 80Hz | 2ch | 2ch | ステレオ | バイパス | 80Hz | バイパス | 80Hz |
P3 | ST SAT 90Hz | 2ch | 2ch | ステレオ | バイパス | 90Hz | バイパス | 90Hz |
P4 | ST SAT 100Hz | 2ch | 2ch | ステレオ | バイパス | 100Hz | バイパス | 100Hz |
P5 | ST SUB 80Hz | 2ch | 2ch | ステレオ | 80Hz | 20Hz | 80Hz | 20Hz |
P6 | ST SUB 90Hz | 2ch | 2ch | ステレオ | 90Hz | 20Hz | 90Hz | 20Hz |
P7 | ST SUB 100Hz | 2ch | 2ch | ステレオ | 100Hz | 20Hz | 100Hz | 20Hz |
P8 | MONITORS 60Hz | 2ch | 2ch | セパレート | バイパス | 60Hz | バイパス | 60Hz |
P9 | MONITORS 80Hz | 2ch | 2ch | セパレート | バイパス | 80Hz | バイパス | 80Hz |
P10 | MONITORS 100Hz | 2ch | 2ch | セパレート | バイパス | 100Hz | バイパス | 100Hz |
P11 | SUB SAT 80Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 80Hz | 20Hz | バイパス | 80Hz |
P12 | SUB SAT 90Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 90Hz | 20Hz | バイパス | 90Hz |
P13 | SUB SAT 100Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 100Hz | 20Hz | バイパス | 100Hz |
P14 | BIAMP 1000Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 1000Hz | 20Hz | バイパス | 1000Hz |
P15 | BIAMP 1100Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 1100Hz | 20Hz | バイパス | 1100Hz |
P16 | BIAMP 1200Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 1200Hz | 20Hz | バイパス | 1200Hz |
P17 | BIAMP 1300Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 1300Hz | 20Hz | バイパス | 1300Hz |
P18 | BIAMP 1500Hz | 1 or 2ch | 2ch | セパレート | 1500Hz | 20Hz | バイパス | 1500Hz |
P19 | MONO SATS 50Hz | 1 or 2ch | 2ch | ステレオ | バイパス | 50Hz | バイパス | 50Hz |
P20 | MONO SUB 100Hz | 1 or 2ch | 2ch | ステレオ | 100Hz | 20Hz | 100Hz | 20Hz |
PLDseries
PLD/CXDシリーズ 製品紹介
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