
FOHエンジニアのLarry Sanchez氏は数十年前、航空機のコクピットくらいのサイズがあるアナログコンソールの前に立ちながら最初のライブミキシングを行ったとき、ライオンの檻に放り込まれたような恐怖を覚えました。
今、Sanchez氏が操作しているのは、コンパクトデジタルミキサーQSC TouchMix-30です。
Sanchez氏はほぼ全てのブランド、タイプのコンソールを使用して30年以上ミキシングを行ってきました。グラミー賞の受賞歴をもつコンガ奏者であり、バンドリーダーでもあるPoncho Sanchez氏の専属FOHエンジニアとしてロサンゼルスを拠点に活動。67歳になったとき、バンドリーダーとして行ってきたツアーを減らしたため、Larryはフリーランスとしての仕事を始め、コンサート用に使用するコンソールを探しました。
「第一候補がTouchMixでしたね」。そのとき、すでにTouchMixのファンでした。というのは、友達の一人がTouchMix-16を買ってから、1年以上操作したことがあり、とても素晴らしいミキサーだと感じていました。TouchMix-16のプラットフォームが気に入ってコンサート用にその上位機種であるTouchMix-30 Proを買うことにしました。」
LarryはTouchMix-30のマルチトラック機能を試してみました。Poncho Sanchezと8人編成のバンドのレコーディングです。管楽器が3人、ピアノ、ベース、打楽器3人の構成です。ハリウッドにあるCatalina Bar & Grillは、1987年からライブジャズ会場として有名です。PAシステムはQSC EシリーズE12(12インチ、2wayスピーカー)、E18SWサブウーファー+E10ステージモニターで構成され、PLD4.5パワーアンプにより駆動します。
多くのショーで、小型のハードドライブに2トラックやマルチトラック・レコーディングをします。TouchMixからモニターもミックスできます。人数分のミックスということです。
TouchMix-30 Proはエンジニアとミュージシャンが最近のデジタルミキサーに期待する機能の多くを備えています。例えば、Class Aマイクプリアンプ、DCA、ミュート&サブグループ、パッチマトリックス、マルチバンドEQ、フィルター、リミッター、そして各入力、AUX出力チャンネルのゲートなどです。さらに2セットのリアルタイムアナライザー、アンチフィードバック、ルームチューニング、ゲイン・エフェクトウィザード、自動マイクミキシング、DAWインターフェース、マルチトラックレコーディング/プレイバック、ワイヤレスコントロールなど、最新の機能も搭載しています。
TouchMixを使い始めると、デジタルミキシングがアナログと比べてそれほどかけ離れているとは感じないかもしれません。TouchMixの操作は非常に直感的ですから、アナログに慣れていて、デジタルミキシングの経験がない人でも簡単に操作を覚えることができます。機能は豊富で使い方も簡単です。