ミキサーを使い始めて間もないときに???となる一つがAUXではないでしょうか。補助、予備の意味を持つ「auxiliary」の略であり、入出力を問わず外部機器を接続する端子です。オーディオやTV等では主に入力用に使われていますね。ミキサーではエフェクターや演奏者へのモニター送りに多用されます。
様々な場面で便利に使えるAUXの使い方をマスターしましょう。
今回は、外部エフェクターを使用する方法を紹介します。
例えばマイクにエコーなどのエフェクトをかけたいとき、どのように接続したらよいでしょう?
マイク → エフェクター → ミキサー → アンプ/スピーカーと接続すればOKですね!
ではマイクを増やして2本にしたときはどうしましょう。上記の方法でいくと、もう1台エフェクターを用意しなくてはなりません。ではもう1本…とマイクの数だけエフェクターを増やしていくのは不経済 ^^)ゞ
マイクの本数分を用意するより、1台のエフェクターを複数のマイクで共有するのがよさそうです。
そこで登場するのが「AUX SEND」です。各チャンネルからの信号をまとめてエフェクターへ送り、エフェクト音をミキサーに戻して原音にミックスすれば、1台のエフェクターを複数のマイクで共有することができます。
一般的なミキサーでは、チャンネルを縦にみてEQの下あたりにAUXツマミがあります。
ミキサーの大きさにもよりますが、小型のもので1つ、中型で2つ、大型のコンソールになると6-8つほど装備されているものもあります。
今回は定番ミキサーのYAMAHA MG12を例にとって説明します。(エフェクターを搭載していないモデルです)
YAMAHA / MG12
青いツマミがAUXのセンドツマミです。

ツマミを上げた分だけ、外部に出力されます。今回は「PRE」ボタンは押しません。(次回説明します)
では、外部エフェクターを接続しましょう。
エフェクターからはエフェクト音のみが出力されるように設定しておきます(原音は戻さない)。SEND端子のAUX1とエフェクターのINPUTを接続し、エフェクターの出力信号をミキサーに戻します。
RETURN端子のあるミキサーは基本的にその端子に接続。MG12では任意のチャンネル、今回は11/12のステレオ・チャンネルに戻します。
チャンネルスイッチをONにし、STアサインスイッチを押してフェーダーを上げておけば準備完了です。

TC ELECTRONIC / M350

ゲインやEQなどを適宜設定し、マイクの音が出る状態にします。マイクを接続しているチャンネルのAUX1のツマミを上げていきます。マイクに入れた音声にエフェクト音がかかっているでしょうか?
あっ!もう一つ設定がありました…SEND MASTERです。

こちらのセクションのAUX1を上げてください。エコーがかかれば成功です。
ちなみにSEND MASTERはチャンネルごとに設定したセンド量を一括調整できるため「全体的にかかり過ぎた」「もの足りない」といったときに重宝します。
もう一点、今回のようにチャンネルへエフェクト信号を戻した場合、EQをかけられるメリットがあります。
フェーダーでエフェクト量をコントロールできることもあり、チャンネルに余裕があればおすすめの方法です。
逆に注意点として戻したチャンネルのAUX1ツマミを絞っておかないとエフェクト音が無限ループ!!発信する場合があります。意図的に設定する場合以外は絞りきっておきましょう。
AUXを使って、外部エフェクトをかける手順は以上になります。
ミキサー初心者の方や、苦手に感じられている方の参考になれば幸いです!