
レコード再生を気軽に楽しめるプレーヤー、KORG「handytraxx play」。Part1では、handytraxx playを眺めながらのんびりお茶を楽しみながら聴きたいタイトルのLP、Part 2では仲間と集まって話のネタになる様なシングルレコードをご紹介しました。
- ポータブル・レコードプレーヤー生活のススメ KORG / handytraxx playで聴きたいティータイムLPレコード5選
- ポータブル・レコードプレーヤー生活のススメPart2 KORG / handytraxx playで楽しむ、話のネタになる7インチシングル列伝
そして今回、handytraxx playに搭載された様々な機能を使いながら、聴くだけでなく、レコードの音に新たな彩りを添える様な楽しみ方ができる機能をご紹介していきます。スクラッチを気軽にやってみたいという方も、ご紹介する機能を駆使すれば、どんどんこのプレーヤーの世界にはまっていく事でしょう!
ディレイ

ずばりレコードの音に残響音を加える効果があり、メロディアスな曲でこの機能を使うとアンビエントだったりシューゲイザーな雰囲気にもなることも!
ディレイ機能をONにした状態で再生したレコードをぱっと止めると、止めた瞬間の音がバッバッバと山びこのように残る効果もあります。
ディレイ機能にあるふたつのツマミも少し触ってみましょう。

曲によってTEMPOのツマミを調整すると、元の音楽とはまた違ったカッコ良さも味わえます。
またこのツマミを左から右に一気に回すと少しスクラッチをしたような飛び道具的な感じも出てきます。
FEEDBACKのつまみでディレイの感覚の長さ(回数)調整。
先述のレコードをぱっと止めた時のディレイの残響音の調整もこのツマミでできます。
フィルター
TYPEボタンをおして3種類のフィルターを選んで、左のツマミで調整します。

ボタンを押すとLEDの色が変わりますが、緑のLEDがついている時のフィルター機能の例ですと、ツマミを左に回していくと段々音がくぐもっていきます。よくトランスミュージックのビートがモゴモゴと曇っているのを聴いた事があるかと思いますが、まさにそんなフィルターのかかったサウンドになります。また緑色の時に左右に振るとワウをかけたような効果を得られます。
LEDをオレンジ色のセッティングでは左に回すとメイン楽器の音が大きいまま低音のドスが効いた感じ。右に回すとメインの楽器やボーカルのみというメロディー部分を抉りだしたかのような面白さ。
赤色に光っている時に右に回すと少しテルミンの様な音が出てきます。左に回すとフィルターがかかったテルミン。ブルースのレコードでテンポを速くしてこの機能を使用するとジョン・スペンサーの様なアナーキックブルースが楽しめるかもしれません。
さて他にも沢山面白い機能があるのですが、まずは簡単に楽しめそうなこの二つの機能でロックのヒット曲、3曲で遊んでみたいと思います!
01. Fleetwood Mac / Albatross

初期フリートウッドマック、1968年のお聴きの通りメロディアスで涼しげなスロー・インストナンバー。ビートルズの"Sun King"にも影響を与えたというこの曲からhandytraxx playで遊んでみます!
FILTERのTYPEボタンを赤にしてツマミを左右すると機能紹介のところで触れたワウのような効果がこの曲で素晴らしく開花!海の中にいる景色を想像しますね。ツマミを右にマックスにするとトレモロの洪水。徐々に上げていくと実に美しく盛り上がります。静かな曲なのでディレイボタンとテンポの調整は控え目にして楽しみました。

02. Roxy Music / Virginia Plain

ロキシー・ミュージックのデビュー曲にして代表的なヒット曲の一つ。ディスコティックなアッパービートとファンタジックな濃厚シンセサウンドが、少し怪しげなダンディズムを醸し出すようなボーカルと鬩ぎ合うこのナンバーで遊んでみるとどうなるのでしょうか。
ディレイをかけた状態でこの曲をかけますとブレイク部分でもボーカルのみのディレイ音の嵐に加え手前で止まっていたはずの楽器の音も残って響きます。これはこれで実にアガりますね!そして白眉はギターソロにおいて、フィルター機能のLEDを赤にした状態でツマミを左右自由に激しく振ってみますとテルミン的なサウンドがフロアの宙を舞うかのような効果!このシングルのために、handytraxx playを買ってもいいかも知れません!
最後のブレイク部分でレコード抑えてディレイ音をループさせて終わらせてもカッコいい自分ver.になりますね。

03. Joy Division/Love Will Tear Us Apart

ポストパンクを代表するバンドの一つとして挙げられる伝説のロックバンドの名曲。神聖なるこの名曲をクラブミュージックとして遊ぶ事に抵抗を持つ方もいるかも知れませんが、UKロックとクラブシーンは切っても切り離せないという持論の元、handytraxx playの機能を使ってこの曲の素晴らしさをいろいろな形で導き出すのもロックミュージックの自由な楽しみ方の一つかと思います!
まずはイントロにおいて、フィルターのTYPEスイッチでLEDを赤ランプにしてつまみを左から右へ少しずつ回していき、キーボードが入ったら真ん中に戻した時。この盛り上がり方が曲のダイナミズムを昇華させているかのような幸福感。
エンディングに近づいてきたら徐々にディレイをかけていき、TEMPOやFEEDBACKも上げて、トドメにフィルターのツマミを左右に激しく振ってみたら、この曲でミュージカルを演出しているかのような楽しさでした。

さて3回に渡りましてKORGのhandytraxx playを楽しんで見ましたが、ただレコードが回っているのを眺めながら音楽を聴いてみたり、仲間と集まってレコードをかけながら音楽話をしたり食事をしたり、DJ的な楽しみを気軽に初めてみたりといろいろな楽しみかたができるポータブルプレーヤーである事を実感いたしました。
ご紹介したhandytraxx play楽しみ方はほんの一部に過ぎませんので、皆様もhandytraxx playで、豊かなレコード生活を送ってみてはいかがでしょうか?