ライブやコンサートなどの照明演出において、ステージの地明かりや光の筋を際立たせるために用いられるパーライト電球。全ての照明の原点とも言えるこの電球は、簡易的なスポットライトとしても使われるなど、多岐にわたる用途で活躍しています。近年、寿命の面ではLED電球が主流となっていますが、パーライト電球特有の温かみのある自然な光色は依然として根強い人気があり、現在もさまざまな場所で広く使用されています。
今回はそんなパーライト電球の選び方について下記項目で詳しく紹介していきます。
■ パーライト・パーライト電球の選び方について
パーライトの種類
パーライト電球とセットで準備する必要があるパーライト本体には主に3種類のタイプがあります。選び方は、どのように照らしたいかに応じて選択してください。また、PAR64、56、46、38、36、30、20、16とパーライトの大きさは種類によって異なります。
ロングタイプ・・・スポット的に照らす用途向き
STAGE EVOLUTION / PAR64LB II Black パーライト
STAGE EVOLUTION / PAR64LP II POLISH パーライト
ショートタイプ・・・広範囲に照らす用途向き
STAGE EVOLUTION / PAR64SB II Black パーライト
STAGE EVOLUTION / PAR64SP II Polish パーライト
フロアタイプ・・・床置きで使用
STAGE EVOLUTION / PAR64FSP II Polish パーライト
パーライトの色の違いについて
サウンドハウスではブラックとシルバーのパーライトを取り扱っています。灯具自体を目立たせたい場合はシルバーなど光沢のある色のパーライトを選びましょう。
なお、シルバーのパーライトは、光を反射しやすいという特性があるため、設置場所や照明の角度によっては、観客の目に光が入り込んでしまう可能性もあります。逆にブラックのパーライトは、暗い背景に溶け込みやすく、灯具自体を目立たせたくない場合に最適です。舞台やコンサート照明で他の照明やセットに悪影響を与えないメリットがあります。
パーライトの大きさについて
PAR64、56、46、38、36、30、20、16の数字の由来。
1/8インチ×数値にて電球寸法を表しています。例としてPAR64球であれば1/8インチ×64で直径8インチ(約20.3cm)となります。パーライトの大きさは、レンズの直径と全体の形状によって決まります。用途に合わせて適切なサイズのパーライトを選択することが重要です。
パーライトのソケット形状&付け方について
パーライトのソケットを選ぶ際には、使用する電球の種類と、照明器具の仕様を確認する必要があります。異なるソケット形状の電球は互換性がないため注意が必要です。
今回はSTAGE EVOLUTIONのパーライトの仕様を参考に説明していきます。
パーライトのソケット形状
- ① モーガル端子・・・PAR64、PAR 56、PAR 54で使用
- ② Y型ネジ端子・・・PAR36で使用
③ E26 ・・・PAR46、PAR38、PAR30、PAR20、PAR16 で使用
電球の取り付け方
① モーガル端子の場合
1. パーライトの頭を外す

2. パーライトに電球をはめる。※手ぶれすみません。


3. パーライト電球が落ちないように鉄のリングをはめる。

4. 電球とパーライトの差し込み口を接続し、パーライトの頭をもとに戻して完成!
簡単ですね(‘◇’)ゞ


② Y型ネジ端子の場合
1. パーライトの頭を外す

2. パーライトに電球をはめて電球固定用のリングをつける。
※ネジ部分がサビてるけど問題なし☆

3. パーライトのY端子とパーライト電球のネジ端子をドライバーを使ってとりつける。
※Y端子をネジ端子に挟んでから固定します。


4. 頭をつけて完成!(^^)! Y型ネジ端子はモーガル端子に比べてちょっと難しい!

③ E26の場合
1. パーライトの頭を取って電球をつける。


2. パーライト電球を回してはめる。

3. 完成!すごく簡単!

パーライト電球の種類について
パーライト電球の選び方は、上記で説明したパーライトの組み合わせや光らせ方で決めましょう。使用するパーライトの大きさやソケット形状の組み合わせが異なると、取り付けられないため注意が必要です。
主なパーライト電球の種類↓
- VN(ベリーナロー):超狭角
- N(ナロー):狭角
- M(ミディアム):中角
- W(ワイド):広角
- FL(フラッド):拡散
- NSP(ナロースポット):狭角/集中
- NFL(ナローフラッド):狭角/拡散
狭角タイプは、光を一点に集中させて遠くまで強く照射するため、ピンポイントで対象物を照らすスポットライトのような用途で使用します。一方の中/広角タイプは、光を広い範囲に拡散して均一に照射するため、ステージ全体をムラなく照らす用途に適しています。
パーライト電球のQ&Aコーナー
最後にここからはパーライト電球のQ&Aコーナーです。ご参考になれば幸いです。
パーライト電球のQ&A ―①パーライト電球の平均寿命の違いはなに?―
パーライト電球はLEDに比べて安価ではありますが、1個1万円を超える製品も少なくありません。そのため、できるだけ長く使用できる電球を選びたいとお考えのお客様も多いのではないでしょうか。同じ電圧(V)や消費電力(W)の電球でも平均寿命が異なる理由について、以下で分かりやすくご説明します。
例:
USHIO/ JP100V1000WC/M/S6/E
平均寿命:200時間
USHIO/ JDR100V1000WG/M/S6/E
平均寿命:2000時間
主な違いはズバリ。。。コイルの巻き数の違いです。
寿命が短いパーライト電球はJP(シングルコイル)
寿命が長いパーライト電球はJDR(ダブルコイル)
JDRを選ぶ際のデメリットはJPに比べて、値段が高いのと色温度が低い点です。つまり、JDRの方が赤みのある光が出ます。
色温度(K:ケルビン)数値の大体目安は下記↓
2800K…電球食:暖色系(オレンジ寄り)、電球色
3500K…昼白色:やや温かみのある光
4200K…白色
5000K…昼白色:さわやかな白さのある光
6500K…昼光色:寒色系(青寄り)
パーライト電球のQ&A―②500Wと1000Wのパーライト電球、どっちを選べばいいの?―
この質問を答える際、重要な点は下記の2つ
① 使用できる電気容量
使用する場所の電気容量を確認し、安全に使える電力容量の電球を選びましょう。電気容量は使用する場所によって決まっているため、複数個使用する場合や他の機材と併用する場合は、ブレーカーが落ちたりする可能性があります。安全のため、使用する前に必ず電気容量を確認し、適切な電球を選びましょう。
② 照らす範囲・使用する場所の広さで選ぶ
広いホールや屋外ステージでは1000Wのパーライト電球が適しているでしょう。一方、小さなライブハウスや店舗など、比較的狭い空間では500W程度のパーライト電球でも十分な照明効果を得られます。
いかがだったでしょうか!今回はパーライト・パーライト電球の選び方について細かく説明してみました!パーライト・パーライト電球は、様々な種類がありますが、用途や設置場所に合わせて選ぶことで、理想的な照明効果を得ることができます。今回の記事を参考に、ステージや空間に最適なパーライトを選んでみてくださいね(@^^)/~~~