前回、楽譜のあれこれ~演奏表現~というブログで、強弱記号や速度記号などをご紹介しました。
音楽の知識は奥深く、難しそうに見えて分かると結構面白いんです。
よく曲名に書かれている「●●調」。
- モーツァルト / ピアノソナタ ハ長調 K.545
- バッハ / インヴェンション No.8 へ長調
この各調、じつは仕組みが決まっています!
今回は、調の仕組みについて詳しくお伝えしていきます。
1. 各調の音列
調は全部で24種類!大きく分けると、長調と短調があります。
”長調”は明るい調、”短調”は暗い調です。
厳選して、11の長調のみをご紹介します。
「ハ長調(C調)」(ドレミファソラシド)
「二長調(D調)」(レミファ#ソラシドレ)
「ホ長調(E調)」(ミファ#ソ#ラシド#レ#ミ)
「ヘ長調(F調)」(ファソラシ♭ドレミファ)
「ト長調(G調)」(ソラシドレミファ#ソ)
「イ長調(A調)」(ラシド#レミファ#ソ#ラ)
「ロ長調(B調)」(シド#レ#ミファ#ソ#ラ#シ)
「変ロ長調(B♭調)」(シ♭ドレミ♭ファソラシ♭)
「変ホ長調(E♭調)」(ミ♭ファソラ♭シ♭ドレミ♭)
「変イ長調(A♭調)」(ラ♭シ♭ドレ♭ミ♭ファソ♭ラ♭)
「変ニ長調(D♭調)」(レ♭ミ♭ファソ♭ラ♭シ♭ドレ♭)
各調を並べてみました!
2. 調の仕組みとは?
1番最初のハ長調を除き、ト音記号の右側を見ると、それぞれ#(シャープ)や♭(フラット)などの調号が付いていますよね。
どちらの調号が使われているか、この調号が何個ついているかによって何調かを判断できるのですが、調の名前に着目すると面白い発見があります!
知らない人はいない、「ドレミファソラシド」。これは実はイタリア語です。
では、日本語・ドイツ語・英語では何というかご存じですか?
正解はこちら⇩
イタリア語 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本語 | ハ | 二 | ホ | へ | ト | イ | ロ | ハ |
ドイツ語 | C (ツェー) | D (デー) | E (エー) | F (エフ) | G (ゲー) | A (アー) | H (ハー) | C (ツェー) |
英語 | C (シー) | D (ディー) | E (イー) | F (エフ) | G (ジー) | A (エー) | B (ビー) | C (シー) |
この表をよく覚えていてください!
例えば、こちらの音階は何調でしょう…
① 先ほどお伝えしたように、ト音記号の横に書いてある調号を見ます。
→何もついていませんね。
② 最後の音が何で終わっているかを見ます。
→この音階は” ド ”で終わっています。
③ ここが面白いポイント☆
各語の表をもう一度見てみましょう!
イタリア語 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本語 | ハ | 二 | ホ | へ | ト | イ | ロ | ハ |
ドイツ語 | C (ツェー) | D (デー) | E (エー) | F (エフ) | G (ゲー) | A (アー) | H (ハー) | C (ツェー) |
英語 | C (シー) | D (ディー) | E (イー) | F (エフ) | G (ジー) | A (エー) | B (ビー) | C (シー) |
イタリア語のドは、日本語で「ハ」。つまり、この調は
「ハ長調」ということになります!
他の調も見てみると…
この音階は、最後の音が ラ ですよね!
イタリア語のラは、日本語で イ なので、答えは「イ長調」です☆
「〇長調」の〇の部分は、日本語に変換した音名を表していたんです!
ぜひ、他の調も確かめてみてください♪
「〇長調」の〇は音名を表しているとお伝えしましたが、「変ロ長調」や「変イ長調」など、音名の前に”変”が付いていますよね。
”変”とは、♭(フラット)を意味しています。
「変イ長調」
最後の音を見ると「ラ」ですが、この調はラに♭が付いているので、ただの「イ長調」ではなく「変イ長調」になります。
今回は、11つの調に厳選してご紹介したため、#(シャープ)が付く音で終わる調はご紹介できませんでしたが、#(シャープ)はどのように表すのかというと、”嬰”(えい)となります。
「嬰へ長調」
いかがでしょうか?なるほど~!と結構すっきりした気持ちになりませんか?
調の中にも、本当はまだまだ細かい仕組みもあるのですが、まずは分かりやすいポイントをお伝えしました!
今後もまた、面白い音楽知識をご紹介していけたらと思います!