こんにちは。
通勤中に音楽を聴いている際に「あっ!メリーアン、ん?あぁSeparate Waysか」となった者です。
8月にTHE ALFEE 2024 Wind of Time 50周年の夏祭りに行ってみたところ、コンサートの豪華な演出と素敵な演奏と歌声は圧巻でした!!
デビュー50周年を迎え、メンバー2人は70歳にしてあのパワフルなパフォーマンスと毛量は人間を超越していますね。
そしてギター技術部的に忘れてはいけないのが高見沢さんのエンジェルギターやシンカリオンギター!!
めちゃくちゃカッコよかったです。
さて、今回のブログの内容は前回に引き続きピックアップ購入後、取り付け前に確認すること2です。
前回、まさかの見た目の確認だけの内容になってしまい申し訳ありませんでした。
今回は前回に加えてピックアップの抵抗値の確認についてです。
こちらもとっても重要な内容となっておりますので最後まで読んでいただければ幸いです。
○ 抵抗値の確認
テスター
ピックアップの取り付け前に最も確認していただきたいといっても過言ではないのが抵抗値。こちらを計測するにはテスターという機械を使います。
小さいモノから大きなものまで形もさまざまでかっこいいですね。
テスターはたった1つで電流、電圧、抵抗値、導通の確認、ものによっては静電容量まで測れるすぐれものです。
これを見た方は「ピックアップとは別に計測する機械も買わないといけないのか」とお思いでしょうが、安価なもので良いので持っておいた方が良いと思います。
というのもピックアップを自身で交換しようと考える方は結構な確率で後にエフェクター、真空管アンプの改造や自作に手を出しがちです。
その際に持っているとかなり便利なんですよ。
ちなみにテスターの種類にはデジタルテスターとアナログテスターがあるのですが、違いについてはまた別の機会に解説するとして、今回はデジタルの方を使っていきます。
で、このテスターでどうやってピックアップの抵抗値を測るのかといいますととっても簡単。下の写真のようにテスターのメモリをΩに合わせてピックアップの配線材とテスターの針を繋ぐだけです。
この際にワニ口クリップなどがあるとしっかり針と配線材を固定できるのでオススメです。
正しい抵抗値
そして、測ったは良いけどそもそもピックアップの正しい値がわからないと測った意味がないですよね。
ほとんどの製品には外箱か説明書またはメーカーサイト抵抗値を記載してありますのでその値と照らし合わせていただきメーカー公表値と実数値がそろっていればOKです。
とっても簡単ですね。
しかしこれだけで終われないのがピックアップの抵抗値。
じつは実測した抵抗値と記載されている抵抗値はほとんどの確率で誤差があるのです。
なぜかというとピックアップの構造上、磁石にエナメル線を巻き付けているだけなので複数のピックアップを製造する際に同じ素材の磁石とエナメル線を使用し同じ巻き数であっても、ほんの僅かなエナメル線の太さのバラツキや巻いている位置が少しずれているだけで抵抗値は変わってしまうものなのです。
なんなら測定をする環境の温度でも値が多少変わってしまいます。
手巻きのピックアップは手巻き特有の音がするなんて言いますが、上記の事が関係しているのかもしれませんね。
試しに測ってみますと……
こちらの個体は+0.5kΩでちょっぴり誤差がありますが全然誤差範囲内ですね。
メーカーが公表している値を目安に大体上下に0.2~0.3kΩ程度はずれるものと思っておいてください。
不良の抵抗値
そして次に大切なのが、ダメなパターンを知っておくということです。
手持ちの音の出ないピックアップをいくつか計測してみましょう。
テスターで計測しても抵抗値が出ていません。
これは明らかにおかしいので確認してみると
断線です。
こちらは初期不良の典型的なケースですね。
次にこちら
こちらのピックアップは上下二段のスタックシングルタイプのピックアップです。
計測してみると
またしてもテスターが反応しませんね。
これで初期不良確定にしても良いのですがもう少し調べてみましょう。
片方は対抗値が出て大丈夫のようです。
ではもう片方も測ります。
計測できませんね。
これは片方だけ断線しているちょっとレアなケースです。
とまぁこんな感じです。
今回は手持ちになく写真を撮る事ができませんでしたが、他に初期不良のパターンとしては抵抗値が公式の値よりも大幅に高い数値や低い数値を示したり、抵抗値が無限大になったりするモノもあります。
最後にもう1つ
こちらは余談なのですが、シングルピックアップよりハムバカーピックアップの方がコイルが2つの分、抵抗値が高く出力も高いという認識で抵抗値を参考に出力を想定してピックアップを選んでいる方も少なくないのではないかと思います。
しかし一概にそうとは言えない場合もありまして、それはスタックタイプのシングルピックアップです。
例を挙げると本ブログで2つ目に計測した FENDER / Noiseless Pickups や DIMARZIO/HS-3 などですね。
試しにこちら自宅で遭遇した野生のDuncan/YJM、こちらもスタックタイプなので計測してみると……
同メーカーの高出力ピックアップで知られるInvaderが16.6KΩですので抵抗値はかなり高めですね。
そしてこの2つのピックアップを実際に鳴らしてみるとビックリするくらい音量に差があります。
特にYJMの方はYngwie Malmsteenがステージ上でギャンギャンに歪ませて弾く激しいギタープレイを想像して購入するとすごく音が小さくて驚きます。
ですがその分ノイズも少ないので、アンプとエフェクターでガッツリ歪ませてピックアップが「私の出力ではこれがもう限界ですぅぅっ!!」みたいな感じの音が凄く良いんですけどね。
つまり抵抗値がそのまま出力に直結するわけではないので、あくまで抵抗値はピックアップを選択する際の1つの材料と考えていただいたほうが良いということです。
今回はピックアップの抵抗値の確認について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
今回の確認にはテスターが必要だったりするのでちょっと気軽に~とはいきませんが、テスターは本当に便利な道具です。今後も見据えてぜひ購入を検討してみてくださいね。
そしてピックアップの確認についてはもう1つ重要なことがあります。
ブログ4でもお話しさせていただきました位相についてです。
次回はピックアップの位相の確認についての内容となりますのでよろしくお願いいたします。
それではまたサウンドハウススタッフブログで会いましょう。
さようなら。