前回のブログ「EVANSドラムヘッドの魅力」に続き、今回もEVANSドラムヘッドについてです!
ドラムヘッドは同じインチ数でもさまざまな種類があります。張り替える手間やコストを考えるといくつも買って試して……ということは難しいかと思います。
見た目で違いが分かるものもあれば、見た目だけでは分からない構造的な違いもあります。今回は構造の違いに着目して紹介します。
1. フィルムの厚さ
構造の違いで最もわかりやすいのは層とフィルムの違いです。この違いはEVANSに限らず、他メーカーのヘッドでも共通しています。一般的に層を指し示す単位は「ply(プライ)」、厚さを指し示す単位は「mil(ミル)」で表記されます。層は何枚のフィルムで構造されているかによって、1ply、2plyとなります。
厚さはフィルムの厚さです。「mil」という単位、日常生活ではあまり使わず馴染みがないですよね。1milは0.0254mmで1/1,000インチ。塗料や紙、フィルムの厚み等に使われている単位です。ドラムヘッドはフィルム1枚あたり6~10milで作られていることが多いです。
2枚の画像はどちらも同じシリーズの同じサイズのヘッドです。違いは層、フィルムの厚さのみです。左側は1ply 10mil、左側は2ply 14mil。並べて見比べても違いはほとんど変わりませんが、触ってみると厚みの違いがわかります。ドラム本体に装着せずに指で少し打面を叩いてみるだけでも、サスティンの違いやトーンの違いが感じられます。私が叩いてみた感覚ではありますが、2plyは1plyに比べサスティンが長めに感じられました。
2. 打面のコーティング
先ほど紹介したフィルムの厚さは見た目ではあまり分かりませんが、打面のコーティンは見た目でもわかる違いがあります。EVANSで採用されているコーティングは約8種類。コーティングによってあたたかめな音やクリアな音、ビンテージな音など演奏する曲のジャンルや奏者の好みによって選ばれています。また、レッドやブルーなどのカラーコーティングされたヘッドも。主なコーティングの種類はこちらです!
Coated
白くざらざらした表面。明るくまとまりのあるサウンド、サスティンが魅力のコーティング。
EVANS ( エバンス ) / B14G1 G1コーテッド 14インチ
Clear
つるつるとしていて透明な表面。ボトム用として使用されることが多く、明るく抜けの良いサウンド魅力のコーティング。
EVANS ( エバンス ) / S14H30 スネアサイド300 14インチ
UV
EVANS独自のUV硬化コーティング。UVは耐久性を向上させ、暖かみのあるアタック音が特徴です。1ply、2plyのUV1とUV2に加え、バスドラムヘッドとして使われることの多いEMADシリーズにもUV加工がされているヘッドがあります。
EVANS ( エバンス ) / B14UV1 UV1 コーテッド 14インチ
EVANS ( エバンス ) / B14UV2 UV2コーテッド14インチ
EVANS ( エバンス ) / BD22EMADUV UV EMAD 22インチ
今回は厚さとコーティングに着目してみました。コーティングは他にも数種類ありますので、次回以降のブログで紹介します。また、厚さやコーティングの他にもドラムヘッドの裏側に倍音をコントロールするためのリングが搭載されていたり、取り外し可能なミュートがついていたりなどします。演奏スタイルや環境によってさまざまなヘッドを試してみるのも良いかもしれません。