みなさまこんにちは。こんばんは。
今回はFS600LEDをお預かりしたので、どのような修理を行ったか紹介したいと思います。
AMERICAN DJ ( アメリカンディージェイ ) / FS600LED LEDスポットライト
60WのLEDスポットライト。カラーは白、赤、黄、青、緑、オレンジ、UV、ウォームホワイトの7色が搭載されており、本体上部のスイッチで直観的に操作することが可能です。
ビーム、フォーカス、ズームなどの機能があり、一台で手軽に舞台の雰囲気を作り出せます。
※現在(2024年6月)は生産完了品となっております。

さて、修理に取り掛かっていきましょう。


状態を見ると、フレーミングシャッターの取手が破損しており、アイリスシャッターも途中から絞り切れないことが確認できます。
シャッター類のみ破損しているということから察するに、おそらくは対象物に焦点を絞ることが多い現場で使われてきたのでしょう。例えば、花道を演者が動き回るような舞台などでしょうか。(なんとなく、故障部品から想像したりします)
他にも不具合がないか、点灯動作やカラーホイール動作、ディマー操作を確認してみたところ、幸いにも問題はないことが確認できました。
多少、変形や経年劣化が見えますが、ご使用期間から見ると平均的なものかと思います。
というわけで、一通り状態確認が済んだので分解をしていきます。

(分解ッッッ)

中はこんな感じです。結構複雑そうに見えますが、構造的には、「LED→フレーミングシャッター→アイリスシャッター→カラーホイール→レンズ」でした。
今回はシャッター類の交換をするので、間のユニットを丸ごと取り出していきます。

しかし、思いのほかシャッターのユニットまでの道のりは険しく……
あれやこれやとシャッターを外す方法を探していましたが、結局は周辺一帯を分解しなければなりませんでした。
スポットライト系の修理は一癖あります。


なんとか取り出せたので、気を取り直して新しいパーツに交換していきます。
ちなみに、フレーミングシャッター(画像上)は刃と刃で光を遮るシンプルな構造で、つまりは取っ手の付いた板です。まるでもんじゃ焼きで使うこてのようですね。
一方のアイリスシャッター(画像下)は何枚もの薄い刃を組み合わせることで円を形作っており、円の形そのままで光の大きさを変えられます。
舞台照明機器はこの二種類のシャッターのどちらかが搭載されていることが多いです。

目標のパーツ交換は完了したので、逆の順序で組み上げして動作確認です。
以前と比べてきちんと光を絞れています。くっきりと円形で素晴らしい。
これにて、修理完了です!

というわけで、FS600LEDシャッター交換でした。
FS600LEDは直観的に使いやすい構造になっており、初心者からプロまで幅広く使えそうな照明機器です。使いやすい機能を搭載しているので、照明が必要となった際に1台あれば心強いですね。
今日も今日とて力強く照らしてくれています。
そして、明日からまた現場へ向かうFS600LEDへ、激励のサムズアップ。
以上、修理日記でした。また次回もよろしくお願い致します。