Princeを好きになった頃、彼はもうこの世にはいなかった。
初めて聴いた曲は「SIGN "O" THE TIMES」。たまたま流れていたPrinceのLIVE DVDに釘付けとなり、実家にあった彼のアルバムは二日間で全て聴いてしまった。この二日間の事は一生忘れないだろう。
10代の頃に私が求めていた憧れ、夢などの不確かであったモヤモヤは混然一体となり、再構築されある種の道標となるような感覚になった。
学校でこの気持ちを温度感も含めて語り合える奴はいなかった。私は一人で彼を独占し、自分自身の夢まで見いだすことができた。
彼の圧倒的な才能、パフォーマンス、人格、音楽を作り出すスタイルに感動し、愚かにも私は、1980年代からPrinceが愛用していた「MADCAT」というテレキャスタータイプの同じギターを買い、自分自身もミュージシャンになることを天国にいるPrinceに誓ってしまった。
私の作り出す音楽はPrinceの足元に到底及ばないが、Princeに対するパッションは人類の中で誰にも負けないだろう。Princeの音楽制作の速度は異次元であり、彼のアルバムをすべて聴くまでに3年かかってしまった。しかし、まだ彼の楽曲は地下音源が多く出回っているという。Princeが夢うつつの中、感性と感覚のままに作った曲も、まだ知られていないだけで音楽シーンに莫大な影響を与えてしまうかもしれないものなのだ。世の空気に触れていない極秘の曲がまだまだ残っている。見つけ出すのは至極難しいことだが、見つけ出すのが楽しみでならない。
私は彼と画面の中でしか会ったことがない。しかし、今後も超えることはないであろう爆発的なインパクトを私の心に落とし、消えることない縫い傷のように残り続けている。
そんなPrinceが実際に使用していたというギターが、なんとオークションに出されるという情報を知った。
ニュース・サイト「amass」 | プリンスが80~90年代にステージで使用したギター 黄色い「Cloud 3」が競売へ 1億円以上か?
買うしかない、そう思った。
1億円。到底無理だった。
Princeのギターにこんなにも高値が付くことに喜びと悲しみを感じる。私は現在22歳である。同年代でPrinceを聴いている人はどれくらいいるのか。このギターの美しさを誰に語ればいいのか。早くPrince仲間が欲しいところだ。
この独特なフォルムに神々しく光るバナナイエロー、たまらない。こんなギターが今でも現行モデルとして販売していたらどれほど嬉しいことか。
私は誰も持っていないようなギターが大好きである。唯一無二になった気分になるからだ。
そんなPrinceへの憧れとオリジナリティあふれるギターへの愛をこめて、独断と偏見で選んだおすすめの変形フォルムギターをご紹介しよう。メタラーやプログレ・ロック好きはもちろん、ステージ上での唯一無二なパフォーマンスを夢見る未来のギターヒーローたちの愛機選びの一助になれば嬉しいことこの上ない。
DEAN GUITARS ( ディーンギター ) / Michael Amott Tyrant Tin Man
ご覧の通り、銀ギラ銀のフライングV型のエレキギター。
ボディー下部はまるで天使の翼のようないで立ち。
指板には幾何学なインレイが施されているほか、ミラーピックガードを採用したビジュアル・インパクト抜群の逸品。
アーチエネミーのギタリストとして知られるMichael Amottのシグネチャーモデル。
JACKSON ( ジャクソン ) / JS Series Rhoads MAH JS32 Natural
見た瞬間から早引きした意欲を駆られるデザインは、どこか80'sのロックバンドでも使われていそうな空気感も漂っています。
カラーも木目を活かしたナチュラル仕様のため、見た目もくどくない。魅力的なデザインを融合したJSシリーズ。
クラシカルなJacksonトーン、ルックス、そして演奏性を感じさせてくれる1本!
JACKSON ( ジャクソン ) / RR24 Lightning Crackle
一目見た瞬間から脳内に稲妻が走るインパクト。
オジー・オズボーン・バンドのギタリストとして、人気絶頂を迎える折に飛行機事故で亡くなった夭逝の天才、ランディ・ローズのVスタイルギター。
反りに強いグラファイト補強されたメイプルネックを採用したほか、Seymour Duncan JBTB-4と59 SH-1Nを搭載し、パワフルでファットなサウンドを実現。Floyd Roseのダブルロック・トレモロ・システムにより激しいアーム奏法でもチューニングが安定。コンパウンドラジアスのエボニー指板は演奏性も抜群!
PLAYTECH ( プレイテック ) / FV430 PINK
手にした瞬間にボルテージ全開。アグレッシブなデザインのVタイプが衝撃的なプライスで手に入るというので人気のモデル。
伝統的な2ハムバッカー仕様で過激なサウンドにも対応する。初心者の方にも安心してお勧めできるモデル!
ざっとサウンドハウスで取り扱っている変形ギターを紹介した。まだまだ紹介しきれない数のカッコいい変形ギターが世の中には多数ある。気合マックス、感情だけで書いてしまった駄文で申し訳ないが、少しでも気になった方は是非、深堀りしてみて欲しい。世界にはまだ誰も見たことのない程のフォルムのギターが眠っているに違いない。さまざまなシェイプのギターがあるが、あなただけの1本が見つかることを祈っている。