ポータブルPAスピーカーの大定番ブランド「Electro-Voice」から、待望の新シリーズ「ZLX-G2パッシブ/パワード」が発売されました!「ZLXシリーズ」は、リーズナブルな価格ながら、Electro-Voiceならではの高音質、軽量ボディによる高い可搬性で人気があり、パワードバージョンはZLX-Pから始まり、ZLX-BTに続いての今回の新作ということで、個人的に「待ってました!」という感じです。
今回、メーカーから全6モデルをお借りすることができましたので、さっそくレビューしていきたいと思います。
左から8インチ、12インチ、15インチとなります。PAスピーカーでは見かけることが少ない「8インチ」もラインナップしているところにElectro-Voiceの本気を感じました!
左側がパワードモデル、右側がパッシブモデルです。
パワードは、電源ケーブルを挿す場所、液晶ディスプレイがあるのですぐにわかりますね。
底面には35mmポールソケットがあるので一般的なスピーカースタンドにマウントすることができます。
さらにポールソケットには、回転防止するためのねじが付いているのはさすがです。どうしてもスタンドによっては隙間がわずかに生じてグラつきが出てしまったりするのですがこれなら安心です(8インチモデルはマイナスドライバーで回すタイプ)。
横向きにしてフロアモニター(ころがし)として使用する場合にスピーカーケーブルとコネクターが床面と干渉しないようになっている点も好印象でした。
ハンドルもしっかり握りこめるようにデザインされているので、持ち上げる時、移動させる時に重いと感じることはありませんでした。
そして、12インチ、15インチモデルはキックバックポジションにも対応しています。床置きだけども、音を遠くに届けたい、立っている人に向けたいというニーズにもしっかり対応していて良く考えられているなと感心しきりでした。
ここまで撮影するために、何度もスピーカーを持ち上げたのですが、「とてつもなく軽い」です。15インチも、サイズは他の一般的なモデルと変わらないのに一回り小さいサイズ?と勘違いしてしまうほどでした。ポータブルPAという用途においてはこの「軽さ」がひとつ重要な選定要素になるので、これはかなり有利だと思います。
そして、Electro-Voiceパワードスピーカーと言えば、ワイヤレスコントロールアプリEV QuickSmart Mobileがあり、もちろん対応しています!
「接続難しくないですか?」とよく聞かれますが「超簡単」です!
スピーカー側のMAINメニューを開いて、BLUETOOTH → CONTROL PAIR を選ぶだけです。
この状態でiPad側のアプリを開くと、スピーカーが表示されるのでConnectをタッチします。
接続が完了するとミキサー画面が表示されます。
なにがスゴイって?
このアプリでは本当にたくさんのコントロールをすることができて、至れり尽くせりとはまさにこのことです。その機能の数々をご紹介します。
左:ディレイ、右:クロスオーバー上:ディレイ、下:クロスオーバー
左:ロケーション、右:モード上:ロケーション、下:モード
左:各chの音量、エフェクト、EQ、MIX OUT、右:ch個別の各設定上:各chの音量、エフェクト、EQ、MIX OUT、下:ch個別の各設定
エフェクトの数はなんと30種類!!
左:グラフィックイコライザー、右:パラメトリックイコライザー
(どちらかを選択)上:グラフィックイコライザー、下:パラメトリックイコライザー
(どちらかを選択)
左:MIX OUT、右:ファンタム電源(ch1のみ)上:MIX OUT、下:ファンタム電源(ch1のみ)
マイク用のものからアコースティックギター、エレキギター、エレキベース、パーカッション、ライン入力用と豊富なプリセットが用意されています。
肝心の音質は、高域から低域までバランス良く鳴っていて、音量を上げていっても高域は落ち着いていて(痛くない)聴きやすいサウンドでした。個人的にこれぞElectro-Voiceと感じたのは低域の厚みの部分でした。弾力がありながらも、程よく引き締まった気持ちの良い低域は、バンドやDJなど迫力が欲しいシーンにピッタリだと思います。パッシブ、パワードともに比較用音源をご用意しましたのでぜひじっくりと聴き比べてみてください。
ZLX-G2シリーズは、天井面、壁面などに設置可能なアクセサリーも用意されていて、幅広いシチュエーションに対応できる点も大きな魅力の1つです。
今回たくさん触ってみて、個人的にとても好きになった使用方法はエレキベースでした。
ZLX-G2パワードには、ch2にHi-Z入力があるので、ハイインピーダンス出力のエレキベースを直接接続して鳴らすことができます。プリセットでBass Guitarを選んで、スリーバンドEQで微調整して、コンプレッサーをONにしたら、それはもうベースアンプのできあがりです。弾くのが楽しくてずっと弾いていたくなるあの感覚をPAスピーカーでも味わうことができたのには感激しました。
まとめると、ZLX-G2シリーズは、驚くほどの軽さ、妥協無しの音質、最新DSP(パワード)をリーズナブルな価格で実現しており、現場で求められるポータブルPAスピーカーの理想とも言えるものだと思いました。これからPAを始める方にも、ワンランク上のモデルに買い替えを検討される方にも自信を持っておすすめできるPAスピーカーです。ぜひチェックしてみてください。