あのPAスピーカーの超定番SX300Eを擁するElectro-Voiceから、バッテリー駆動に対応したポータブルPAスピーカーが新発売!さっそく実機を交えてレビューしていきたいと思います。
EVERSE 8
weatherized battery-powered loudspeaker with Bluetooth® audio and control
その名のとおり
・全天候型
付属する防水入力カバーを装着することにより、IP43 定格 (水しぶきや小雨に対する耐水性) に準拠し、悪天候時のBluetooth音楽再生にも対応
・バッテリー駆動
カスタム設計の大容量リチウムイオンバッテリーパックにより、最大12時間の使用が可能
・Bluetoothによる音楽再生&コントロール
発表会、レッスン、弾き語り、パーティーなどに流すBGMをワイヤレスで再生できます。また、EV QuickSmart モバイルアプリを使用すれば、ワイヤレスで簡単にコントロールとモニタリングができるだけでなく、スマートフォンやタブレットですべてのオーディオ、エフェクト、ミックス機能を調整可能
と、メインの特長だけでも、かなり期待できてしまう内容です!!
ではさっそく実機を見てみましょう!
まず、大きさを比べるために、JBL EON One Compactと並べてみました。
まるで双子のようなサイズ感(笑)
幅、高さ、奥行が、ほぼほぼ同じです!!
コンパクトで重さも7.6㎏と軽く、片手でひょいと持ち運べるくらいで好印象です。
優れているなと最初に思ったのが設置パターンの多さでした。
- 普通に置く
- スピーカースタンドに設置
- 横置きにして上に傾ける
ここまではよくあるパターンですが、EVERSE 8は「縦置きのまま上に傾ける」ができます。
このキックバックポジションは、横置きの55度より、角度が浅い30度となっており、床置きだけど、立っているお客さんに聴かせたい、遠くに聴かせたい時など、使用パターンの幅が広がりますね。
また、この設置方法それぞれに最適なEQプリセットが用意されています。LOCATIONメニューで「TRIPOD」「MONITOR」「KICKBACK」から選ぶだけで低音域をベストなバランスに調整してくれるので簡単です。
お次は、入出力端子のある背面パネルです。
入力は3系統です。
- CH1
- マイク/ライン、+48Vファンタム電源
- CH2
- マイク/ライン、Hi-Z入力
- CH3/4
- 3.5mmステレオミニ、Bluetooth
コンデンサーマイクもいけるし、ダイレクトボックスが無くてもエレキギターやエレキベースのハイインピーダンス信号を入力することもできるのは、よく考えられているなと思いました。
- FOOTSWITCH端子
- これもあると便利な端子で、エフェクトのON/OFFが足元で可能です。リバーブかけて歌い終わった後、MCではエフェクトを切りたい時に活躍します。
- MIX OUT端子
- これも単なる出力だけじゃなく、「L+R」、「L」、「R」と出力内容を選べるのは良いですね。EVERSE 8を2台使って、ステレオ音源をステレオ再生したい時に使えます!
そして、驚きを隠せなかったのが2種類の外部機器用の電源出力!!
1つは、USB端子でスマートフォンなどの充電に使えるもので、よく見かけるパターンですが、なんと「DC12V、センタープラス、500mA、内径2.5mm」の出力ができます! メーカーサイト商品ページでは、ワイヤレス受信機を載せた画像で紹介されていますが、これがあれば、ワイヤレスマイクを使ったストリートライブ、パフォーマンス、レッスンなどなど色々な場面で「電源コンセントがあるかを気にせず」に使用できますね♪これは夢が広がる端子です♪
まだまだあります!
誰しもが一度は困ったことがある「ハウリング」。マイク→スピーカー→マイク→・・・とループすることで「キーン」とか「ブワーン」とか強烈な発振音を出すアレです。PAだとグラフィックイコライザーで原因となっている周波数のフェーダーでそこだけカットすることで対応しますが、普通の人にはハードルが高い。でもEVERSE 8なら、DSPメニューにある「AFS」を「ON」にするだけで、この悩みから解放されます!試しにマイクを持って、スピーカーの正面に立ってハウリングをわざと起こしてみたところ、起きだしたなと感じたところですぐにスンッと鳴り止みました。さすが「Automatic Feedback Suppression」ですね。ここは、とりあえずONにしておけば間違いなしです!
誰しもが一度は困ったことがあるパート2「EQ」。楽器が違えば「EQ」の最適値も変わります。でも、正直よくわからないし、難しい……。と思って諦めていた方もご安心ください。なんと16種類のプリセットが用意されています。それぞれに最適な「EQ」と「コンプレッサー」が設定されているので「選ぶだけ」でOKです!
極めつけは、EV QuickSmart モバイルアプリで簡単ワイヤレスコントロールだと思います。
https://apps.apple.com/us/app/ev-quicksmart-mobile/id1238381397
スピーカー本体の液晶ディスプレイでも操作はできるけど、大きなスマホ画面のほうが、より見やすく、わかりやすいです。各チャンネルの音量バランス、チャンネルごとの3バンドEQ、エフェクト量はもちろん、グラフィックイコライザー、パラメトリックイコライザーなどは大画面ならではの恩恵が得られます。個人的には指先で色々いじれることが一番ありがたいですね。直感的にサクサクッと設定を決めていけることがラクと感じるのは現代ならではですかね♪
肝心のサウンドはというと、これもちょっと衝撃的でした。
8インチのPAスピーカーは数あれど、そんな中でもトップクラスの音量、音圧。ぐっと体に響いてくる迫力のある低域を持っていて、レンジが広く、濃密なサウンドには驚かされました。アコースティック系のライブやイベントなら、これ1台でもメインスピーカーとして安心して使えるでしょうし、モニターとして近くにあれば、こんなに頼りになるスピーカーは他にそうは無いと思います。
今回、一足早く使ってみて感じたEVERSE 8の推しポイントはずばりコチラです。
- 超コンパクト&軽量
- 8インチ界では大音量&重低音
- 多機能&高機能DSP
- 直感的ワイヤレスコントロール
- バッテリー駆動&耐候性
- USB給電&DC12V出力
コンパクトなPAスピーカーを選ぶ際、大きさ、機能、重量、音質、価格などいろいろなポイントで迷ってしまうことが多いかもしれませんが、Electro-Voice / EVERSE 8は、そんな時に「コレなら間違いない」「必要と考え得る機能がすべて網羅されている」と言えるスピーカーです。正直、まだまだ、たくさん推しポイントがありますが、全部紹介しようとすると壮大なものになってしまうので、またの機会とさせていただきます(笑)