ここから本文です

完全DIY機材への道!番外編その1 「幻のストレートサウンド ナチュラルプレゼンスボリューム」あなたのギターサウンドは濁っている

2023-12-04

テーマ:実録 ! サービスマン日記, ギター, Tips&お役立ち

さて、今回は番外編ということで、口休め程度の難易度であるナチュラルプレゼンスボリュームを制作する。
PUから出た信号を、ダイレクトにアンプへ入力できるようにしたボリュームコントロールだ。

各メーカーから様々な名称で販売されているようだが、元になっている回路はYAMAHAの「ダイレクトサーキット回路」であることは疑う余地はない。設計は古いが、それだけ優秀な回路なのだ。

簡単にどのような効果があるのかを説明する。
PUから出た信号はセレクタースイッチを通りボリュームで音量を増減されアウトプットジャックに向かう。
この時、ボリュームポットを通過するとボリューム全開でも信号の5%~15%は無くなる。
嘘だと思うだろうが事実。
全体的な音量が下がる訳ではないが高い周波数の音が減衰する(じつは全体の音量も下がっているが、音質の変化よりも分かりづらい)。
そこで、考え出された回路がこれである。
(通常と同じボリューム操作ができるが、ボリュームを全開にするとホット~アース間の抵抗が無限大になる。そのためPUからの音質が一切劣化しない)
正に天才的な発想で高周波数の劣化を防いでいる、すごい!
実際にこの回路をマウントしたギターを何度も弾いているが、大変効果が分かりやすく実用的だ。

今回買わなければならない部品は一つだけ。
500KΩAカーブ2連ボリュームだ。
この部品1個であなたのギターサウンドは激的に変化する。

では簡単な、いつもの見苦しい手書きの回路図を……

解説すると、まずPUからの信号は最初に2連ボリュームの3番端子に入力される。
そして真ん中の2番端子から出力されてアウトに向かう。
しかし、アウトに向かう信号は2連ボリュームのもう一つの2番端子にも繋がっていて、そのボリュームの1番端子はアースに落ちる。
ここまでは普通のボリュームと同じ。
この回路はもう一工夫必要だ。

ポットの抑え部分を慎重にニッパーで開き、抵抗体をはずす。

次に外した抵抗体に切れ目を入れる。
表面を軽くカッターの刃で切り離す感じだ。
抵抗体が両端導通しなければOKだが、強くやりすぎると切れ目に盛り上がりができて端子が引っかかる。軽くでOKと思う。

切り込みを入れたら元のようにボリュームを組み立てて完成。
配線図はこうだ。

一応500KΩAカーブを指定したが、1MΩ~250KΩまで使用できる。
ハムバッカーPUで250KΩを使用するとボリューム全開時にいきなり高音と音量がドンっ!!と出るのでやはりここは常道のハムに500KΩ、シングルに250KΩが良いだろう。
ちなみにEMGなどのアクティブPUには効果は薄い。
元々ローインピーダンス出力で劣化が少ないため、最初からプレゼンスの効いた音が出ている。

安価なポットでも充分な効果が期待できるのであえてポットのメーカー指定はしない。
これで初めてあなたは自分のギターの本来出るべき音を確認できるだろう。
騙されたと思って作った方が良い。
ギターの神様も、じつはストラトの中に同じ原理の回路を入れているのだ(本当!!)。

ではまた!!

技術サポート / 盛 寿

Bogner、 ENGLのカスタマーエンジニア経験を経てあらゆるメーカーのAMPを修理し続け早や20年、中でもMarshallの修理では他の追従を許さぬほどの経験値あり。Noasharkエフェクターの回路設計者でもあり、あらゆる音響機器に造詣が深く、自分用のエフェクターは自分で作るがモットー。しかしただのビンテージコンデンサーフェチではないか?と噂されている事を本人は知らない。

 
 
 
サウンドマートスキル出品を探す サウンドナビアフィリエイト記事を書く

カテゴリーから探す

翻訳記事

ブログカレンダー

2025年4月

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30

ブランドから探す

ブランド一覧を見る
FACEBOOK LINE YouTube X Instagram TikTok