突然ですが、みなさんは普段どんなジャンルの音楽を聴きますか?
きっとポップス音楽を聴く人が多いのではないかと思いますが、“クラシック音楽”には心が浄化される曲がたくさんあります。
私は音楽高校・音楽大学出身のため、常にクラシック音楽が身近にある人生を歩んできました。年2回の演奏試験では、皆さんご存じのバッハや、ショパン、ドビュッシーなどの曲を演奏していました。音楽界では有名でも、きっと聴いたことがない曲はたくさんあるはずです!
以前ショパンのおすすめ曲をご紹介しましたが、今回は私が過去の演奏試験で弾いた曲の中から、知らない人にもぜひ聴いていただきたいおすすめのクラシック曲をご紹介します♪
ベ―トーヴェン/ピアノソナタ第31番 Op.110
ベートーヴェンのピアノソナタといえば、連続テレビドラマ“のだめカンタービレ”でもおなじみの「ピアノソナタ第14番 月光」が有名かと思いますが、個人的にはベートーヴェンのソナタの中でこの曲が1番好きです。人生最後の卒業試験では、自分が弾きたい曲を演奏しようと思い、選曲した思い出の1曲です(#^^#)
ベートーヴェンは全部で32曲のピアノソナタを作曲しているのですが、同じ時代を生きていたモーツァルトやハイドンとは違い、耳が聞こえなくなるという病に冒された苦悩を感じる、重みのある作風が特徴です。
ですが「べ―トーヴェン/ピアノソナタ第31番 Op.110」は、苦悩よりも高揚感や溢れる抒情性に包まれたような、穏やかなベートーヴェンの感情が曲全体を通して感じ取れます。
まずは、「ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番 月光 第3楽章」を聴いてみてください。
■ ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番 月光 第3楽章
何とも言えない悲しみと苦しみに包まれた雰囲気が漂っています……
■ ベ―トーヴェン/ピアノソナタ第31番 Op.110
どうでしょうか。月光とは全く雰囲気の異なる曲ですよね?
3楽章構成でなんと18分の大作。最初の1フレーズを聴くだけで、スッとこの曲の世界観に引き込まれる冒頭部分。そして曲の終盤になればなるほどベートーヴェンの気持ちが高まり、喜びに溢れていくのを感じます。
聴いているだけで穏やかな気持ちになり、現実を忘れて別の世界に浸っているような感覚を味わうことのできる素晴らしい作品です。この機会にぜひ聴いてみてください♪
シューマン/アベッグ変奏曲
何とも不思議な曲名ですが、まずこの曲名について簡単に説明します★
誰もが知っている「ドレミファソラシド」はイタリア語で表した音階なのですが、この音階をドイツ語で表すと……
「C(ツェー)・D(デー)・E(エー)・F(エフ)・G(ゲー)・A(アー)・H(ハー)・C(ツェー)」
となります!
曲の冒頭部分を見てください。
※私が使っていた楽譜のため書き込みがあります。

冒頭部分の右手は「ラ-シ♭-ミ-ソ-ソ」という音で始まっています。
これをドイツ語に変換すると…
「A-B-E-G-G」※シ♭はドイツ語でB
これをそのまま読むとなんと「アベッグ」になります★
さっそく聞いてみましょう!
架空の伯爵令嬢パウリーネ・フォン・アベッグに献呈されたこの曲は、シューマンが20歳の時に作曲された作品です。どこか若々しさも感じられる明るくて素直な感じがしますが、皆様はどんなことを感じとれましたか?
主題から始まり、最初のテーマが変奏されながら曲が展開していきます。
実はこの「A-B-E-G-G」、第2変奏のテノール部分にも登場するのです。

比較的シンプルな作品ではありますが、演奏してみるとシンプルだからこそ、どう表現するかとても難しい作品でした(^_^;)
軽快で喜びに包まれたようなこの作品は、次はどんな変奏になるのだろうと、初めて聴く方はたくさん想像を膨らませながら聴いていただける作品です♪
ドビュッシー/前奏曲集 第2集より 「花火」
ドビュッシーは近現代を代表する作曲家です。感情をありのままに表現する主観的な表現が多くされていたロマン派とは異なり、美術や文学などと音楽が結びつき、絵画から影響を受けて作曲された客観的な表現が多い時代でした。よく印象派とも呼ばれます!
7月14日の革命記念日を描いた作品で、曲を聴いてみるとすぐにわかりますが、印象派と言われるだけあって、まさに花火が空に舞っているさまが、さまざまな技法を用いて表現されています。
1度聴いてみてください♪
自分で弾いていても目が回ってしまいそうなほど細かなパッセージが連続しているのですが、このパッセージこそが澄んだ夜空を思わせ、時折出てくる不協のハーモニーが花火の色彩や花開く瞬間を表現しているのではないかと思いました。曲の最後には、フランス国家「ラ・マルセイエーズ」から引用されたフレーズが用いられています!
3曲ご紹介しましたが、聴いたことがある曲はありましたか?音楽を専門に勉強している人なら必ず知っていると思いますが、馴染みがなくあまり興味が無い人にも、このブログを通して少しでもクラシック音楽の素晴らしさや面白さを感じていただけたら嬉しいです!