みなさま、そもそもサブウーファーというのはご存じでしょうか?
ライブやイベントなどでPAに携わっている方やご自宅でホームシアターのシステムを組まれている方、カーオーディオが好きな方などでしたらわかるかと思いますが、意外と一般の方はあまり馴染みがないのではないでしょうか。

■ サブウーファーとは
「フルレンジスピーカーでは十分に鳴らすことができない低域(約100Hz以下)を補うためのスピーカーです。しっかりとコントロールされたサブウーファーは、低音を強調しすぎることなく、音に色と深み、インパクトを与えます。魅力的なベースリフや陶酔するドラムビートから非常に複雑なエレクトロ・ベース・サウンドまで、サウンドに新たな厚み、躍動感を追加し、パフォーマンス全体のクオリティを高められます。ロックバンドのライブイベントやダンスミュージックでフロアを盛り上げるクラブDJに必須な要素となっています。」
サウンドハウス虎の巻では下記のようなサブウーファー特集ページもご用意していますので見てみてください。
今回は、JBLの最新PAスピーカーEON700シリーズのパワード・サブウーファーEON718Sを実際に使用してみました。
JBL ( ジェービーエル ) / EON718S パワードサブウーファー
パワードタイプ(パワーアンプ内蔵)のフルレンジスピーカーとサブウーファーを接続する方法はいくつかあるのですが、今回はフルレンジスピーカーのライン出力とパワード・サブウーファーのライン入力を接続する方法にしました。

設定は、EON700シリーズをスマホでコントロールできるようにするアプリ「JBL PRO CONNECT」の画面で説明します。

フルレンジスピーカーをペアリングした後、左画面の「Pass Thru Settings」を選んでもらうと右の画面に移ります。
この画面では、
- 入力信号をそのままPass Thru端子から出力する「Full Range」
- 80Hz以上をフルレンジスピーカー、80Hz以下をPass Thru端子から出力する「SUB」
- 任意に値を決めることができる「Custom」
から選ぶことができますが、今回はCustomにして120Hzに設定をしてみました。なぜ120Hzにしたかは個人的な感覚でなんとなくこのあたりが気持ちいいなと思ったからです。深くは追及しないでください(笑)
JBL EON700シリーズのスゴイところは、ライン出力に関する設定が自由にできることです。
○ High Pass Filter to this Speaker
→フルレンジスピーカーから鳴らす周波数帯の下限を変更可能
○ Low Pass Filter on Pass Thru Out
→Pass Thru端子から出力する周波数帯の上限を変更可能
○ Pass Thru XLR Out
→Pass Thru端子から出力するレベルを変更可能

試聴環境は下記で行いました。
CDデッキ → アナログミキサー → EON710/712/715 → EON718S
クリップしない(LIMITが点灯しない)ぎりぎり大きな音量に設定
それをZOOM/H6をオーディオインターフェイスとしてPCに接続してAudacityで録音
感想はズバリ
「フルレンジスピーカーの出す低域とサブウーファーが出す低域は全然違う」
「低域が単純に足されるだけではなく、音の隙間みたいなものを埋めてくれて全体的な音像にも厚みが出る」
フルレンジスピーカーは床に直置きではなく、スタンドに載せている(宙に浮いている)状態ということもあり、もちろん低音はしっかり出ているのですが、直置きされた大きなエンクロージャーのサブウーファーから振動として伝わってくる低域は別物です。
「10インチ+サブウーファーと15インチ+サブウーファーは、あんまり違いが出ない」
これは、自分のイメージとは違う結果でした。サブウーファーを追加した場合も、フルレンジスピーカーのサイズが大きくなればなるほど、音量、音圧面で有利になるのかと思っていましたが、私の感覚ではそれほど大きな違いは感じませんでした。
もちろんフルレンジスピーカーのウーファーユニットのサイズが違うので、中低域の部分で若干の音の密度感に違いがあるとは感じましたが、全体の音像として聴いた時にあまり気にしなくてもいいくらいの差なんだなと思いました。
なので、私個人のお薦めとしては下記です。
「18インチのサブウーファーを使うなら、フルレンジは10インチ、12インチでもOK」
「サブウーファーを使わずにできるだけ低音を出したいなら15インチのフルレンジがおすすめ」
正直、言葉で言われても伝わらないと思いますのでSOUNDCLOUDに比較用音源を用意しました。
■ 定番PAスピーカー(パワード)比較
実際に耳で聴く、体で感じるのとは違うと思いますが、参考になると思いますのでぜひ聴いてみてください。
18インチのサブウーファーは、ライブ、DJ、ダンスミュージックなど低音が重要視される音楽において、フロアを揺るがし、体の芯に響くような重低音を追加し、よりリアルなサウンドにしてくれるアイテムです!
ワンランク上のPAシステムを構築したいという方、ぜひご検討ください♪