さて、のっけからレコスタに反感を買いまくるようなタイトルだ。
音楽制作や配信のための音質補正に欠かせない物が「ヘッドフォン」と自信を持って思った人にはこのブログは必要ない。
今回の内容はモニタースピーカーを愛用している諸君に送る福音書だ。
あなたのスピーカーから出る音をこれでもかというぐらい最高の音質に仕上げようではないか。
スピーカーについて個人的な好みから言うとフルレンジは好きじゃない。
音のバランス、まとまりやボーカル再生に大変良いのはわかる。
しかし倍音を含んだギターのハーモニクス音が聴こえない、バスドラのエッジが立ってないためバスドラが休日に布団を干して一心不乱に叩く音にしか聴こえない。
全体がソフトフォーカスされたような優しい音と言えば聞こえは良いが、要は半分寝ぼけた音だ。
そこでマルチウェイスピーカーの登場だ。
高音はツィーターに、中音はスコーカーに、低音はウーファーにそれぞれまかせ、さらにそのスピーカー別にパワーアンプを用意するのだ。
何と贅沢なシステムだろう。
・・・という事はステレオパワーアンプが2~3台必要になる。
『無理無理、そんなお金は無い!』という前にこのご時世いくらでも安くて良い物は有る。
自分の部屋でマルチウェイシステムを組むのにさほどお金はかからない時代になったのだ。
さっそく、目ぼしいブツをご紹介しよう。
と、その前にマルチシステムを構築する際どうしても必要なものが一つある。
それはチャンネルデバイダーという機器だ。
Fostex ( フォステクス ) / EN15

dbx ( ディービーエックス ) / 223xs クロスオーバー(チャンネルディバイダー)
通常の2ウェイスピーカー、3ウェイスピーカーの内部には入って来た信号を高音、中音、低音に振り分けるための回路が内蔵されている。
これが「ネットワーク」という回路で、基本は電源を必要としないコイルとコンデンサー、抵抗で構成されている。
しかしマルチウェイシステムではスピーカーに入る信号をパワーアンプで音を大きくする前に振り分けてしまうのだ。
このやり方のメリットは
- それぞれのスピーカーユニットに最適な周波数の信号しか流さないので、スピーカーからの音質が格段に鮮明になり音像が鮮やかに浮き出る。
- 各ユニットへ流す信号量が減るためパワーアンプの負担が減り駆動力が増す。
- 出力バランスの悪いスピーカーや、再生能率の大きく違うユニットでもパワーアンプ側の出力でバランスを簡単に取る事ができる。
大まかざっくり説明したが大体こんな感じ。例えばキーボードのSTRINGSという音色で出した音が普通のスピーカーの音とすれば、マルチシステムはオーケストラの弦楽器隊が出す生音に近い。
それほどまでの違いがあると私は思う(実際、私はマルチで3ウェイシステムを鳴らしていた、しかもJBLの大型3ウェイツインウーファーというキチガイじみたシステム)。
では、パワーアンプを通す前に必要な機器であるチャンネルデバイダーとはいかほどの物か、何種類か紹介しよう。
BEHRINGER ( ベリンガー ) / CX2310 V2
ART ( エーアールティー ) / CX311 チャンネルディバイダー
それこそ自室の床をぶち抜き、直接地面からコンクリートのスピーカー用置き台を構築するようなマニア(オタクではない)ならいざ知らず、コンパクトなモニター用スピーカーをマルチにするぐらいならこの辺が価格的にも使い勝手もちょうど良いのではないだろうか。
これを入手したら次はパワーアンプ。
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / DCP30 mini 小型パワーアンプ5
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / DCP100 超小型Bluetoothパワーアンプ
これがまたトホホなぐらい安い。しかし音質は折り紙付き。
1台のステレオパワーアンプにウン万円出すのがアホらしくなる。
これを2ウェイなら2台、3ウェイなら3台買えばいい。まあ室内のモニターという事を考えるとスピーカー自体もそれほど大きくはないだろうから2ウェイが多いのかな?
とにかく聴いてみてくれとしか言えない。
恐らくチャンネルデバイダーの調整に一苦労するだろうが、自前のスピーカーにドンピシャでチューニングできた時には思わず踊りだしたくなるほどの音質である(実際、私は踊った事が有る)。
二度と今までの普通のシステムには戻れなくなる。
バスドラのキックが明確に重さを伴い鳴り響き、楽器の隙間を縫って吐息まで聴こえるボーカル。その余韻すら明確に聞き取れる。
『あれ?こんな音入ってたっけ?』『あ、ここコーラス入ってたんだ?!」『このボーカルにかかってるエコーは1種類じゃないな」など、今まで気づかなかった発見が次々と露見する。
あなたのサウンドシステムは今まで音源に入っている音の何%を再生できていただろう。
信じられないかもしれないが、たぶん音源の半分の情報しか聞けてなかったかもしれない。
それほどまでに強力な再生音になる事は保証する。
もしマルチシステムに興味が有り、本機で実践してみたい人からの要望が多ければより詳しく、よりわかりやすく、突っ込んだブログをまた書きたいとおもう。
ではまた。