次世代スタンダードとも称される、今最も勢いのあるDTM系ブランド、iZotopeより『Stutter Edit 2』が発売されました!刺激的なスタッターやブレイク、カットなどを楽器のように直感的に操作できる、まさに次世代的なプラグインエフェクト。スタッターテクニックの先駆者とも言われる"BT"ことBrian Transeau氏とiZotope社のコラボレーションによって生まれた「Stutter Edit」の最新バージョンとなります。
”Stutter”とは?
音の短い断片を切り取ってリズミカルにループする制作手法。サウンドの一部分を連打したり、切り刻んで楽曲に配置することで楽曲にダイナミックなアクセントをつけることができる。
旧バージョンの頃から大人気のプラグインでしたが、2となりUIが刷新され、より簡単に、よりスピーディーにアイデアを形にできるようになりました。思いのままにエフェクトを操ることができ、11種類のエフェクトと新しい「Curve Editor」を駆使してオリジナルスタッターサウンドが作れます。
下記に挙げるこの「11種類のエフェクト」が非常にバラエティに富んでいて、ひとつひとつのキャラクターが見事に確立されています。
- LO-FI
- ビットデプスやサンプルレートを時間軸に沿って自由に可変。グリッチサウンドには不可欠のエフェクト。
- CHORUS
- 透明感と広がりのある美しいコーラスエフェクト。
- COMB
- 櫛のような周波数特性を持ったステレオ感のあるフィルター。Stutterサウンドとの相性も抜群。
- REVERB
- シンプルに空間を広げる以外にも、独自のうねりを生み出すことも可能なリバーブエフェクト。
- DISTORT
- 歪みのタイプも多数用意されており、Low Band、High Bandと周波数ごとにかかり具合を細かくカスタマイズ可能なディストーション。
- FLANGER
- 微妙なうねりからジェットサウンドや竜巻のような強烈な効果まで幅広く対応するフランジサウンド。
- PHASER
- 脳内をかき乱すような立体感のあるフェイズサウンド。
- LOWPASS
- まるで「水中に潜ったり地上に現れたり」を自由に行き来できるようなローパスフィルター。
- TAPESTOP
- 一瞬テープスピードを落としてアクセントにしたり、完全にテープストップさせることまで可能。
- HIGHPASS
- 小気味よく鮮やかにかかるハイパスフィルター。グラデーションのようなかけ方はもちろん、楽曲のリズムに合わせた大胆なフィルタリングもダイナミックなアクセントになる。
- DELAY
- 「Curve Filter」と合わせて変化させることであらゆるディレイパターンを作成可能。左右のディレイを別々に調整できるため、可能性は無限。
この11種類のエフェクトは、パラメーターを細かくいじることができるため、自分好みのニュアンスにカスタマイズ可能です。一つひとつの項目をクリックするごとにそのパラメーター用の「Curve Editor」が表示されます。ここから時間軸によって変化するエフェクトを作るのが非常に簡単です。
Stutter Edit 2の基本的な使い方としては、2つのモードが用意されています。AUTO MODEとMIDI MODEです。
AUTO MODEは、上述のエフェクトを組み合わせて作ったGestureと呼ばれるセットを、連続的にかかった状態で使用するモードです。一般的なプラグインエフェクトなどと同じ使い方になります。
MIDI MODEは、これぞStutter Edit 2の醍醐味と言えるモードで、MIDIキーボードをトリガーにしてGesture(エフェクト)を素早く発動させることができるモードです。例えばMIDIキーボードのCキーにスタッターとLo-Fiのエフェクト、DキーにDISTORTとHIGHPASSのエフェクト、といった具合に、素早くエフェクトを切り替えて操作することが可能です。それは効果音のポン出しのような感覚でカッコいいエフェクトをグリグリかけられます。MIDIキーボードの各キーにGestureを割り当てたセットをBankと呼びますが、プリセットだけでも充分にカッコいいサウンドがアサインされているため、立ち上げてすぐに1人DJプレイを楽しめます!キーを押している間だけエフェクトがかかり、違うキーを押せば一瞬で違うプリセットのエフェクトがかかるため、極めてスピーディーに、直感的にエフェクトをコントロールすることができます。
Stutter Edit 2の画面を見ていきましょう。

- 全体に関連する項目が並んでいます。一番左のバーは、Stutterエフェクトのスライスのリズムや各エフェクトのかかり具合が簡易的かつ視覚的に見られるようになっています。「Palindrome」をオンにすることで、終端まで再生したGestureがそのまま逆再生されます。
- メインとなるStutterに関わる項目が並んでいます。Stutterのリズムや、BPMに同期させるためのQuantizeや、Stutterの音をぶつ切りにするためのGate、サンプルのどの部分をピックアップするかを決めるBufferなど、多様な設定をいじることができます。Bufferでは左右別々の動きをさせることもでき、逆回転で動作させることなども可能です。
- 上述の11種類のエフェクトを調整するセクションです。エフェクトは自由に並べ替えることができ(DELAYのみ最終段に固定)、無数の組み合わせで音作りすることができます。
- 最終的なアウトプットのセクション。WET、DRY、それぞれの音量を調整することができます。Limiterもオートメーションできるようになっており、この段でも積極的に音作りをすることが可能です。
触ってみるとすぐに理解できますが、とにかく楽しいプラグインです!「Stutter Edit 2」と名付けられていますが、Stutterにとどまらない総合的な動的エフェクターとして完成されています。EDMやDJ、ヒップホップや映像のサウンドデザインなどでの使用を想定されているようですが、これだけカスタマイズ性が高いと、発想次第で可能性が無限大にあるように思います。個人的にはギターのエフェクターとしてうまく使いこなせないかと画策中です!RX8も発売され、ノリに乗っているiZotopeの止まらない勢いがこのプラグインにも見事に現れています。ぜひお試しください!