ステージ上のスピーカーの上に脚を乗せて、客席に向かって激しくシャウトしているボーカルを見たことありますよね?あれは、モニタースピーカーと言って、ステージ上の演者に向けて演奏している音を中音(なかおと)として返しているものです。そのようなモニタースピーカーはよく「返し」「ころがし」などと言われます。
大きなステージでパフォーマンスする際、立ち位置から移動したり、逆に小さなステージで中音が大き過ぎて他の音が聴き取りにくかったりというときに便利なのが、インイヤーモニターです。モニターミックスをワイヤレスで飛ばし、イヤホンで直接耳に届けることができます。
そんなインイヤーモニターですが、よくお問い合わせいただくのが、「受信機は追加できるのか?」という質問です。これについて、簡単に説明したいと思います。
インイヤーモニターシステムは以下の様に例えられます。
あるラジオ局のチャンネルに合わせると、そのラジオ局から流れている放送を受信できますよね。
それと同じ考え方になります。送信機と同じチャンネルに受信機のチャンネルを合わせれば、送信機から送られている信号を受信できます。受信するラジオの数に制限がないように、インイヤーモニターの受信機も数に制限はありません。
複数のモニターミックス(ボーカル用/ドラム用など)を送信する場合には、ミックスの数だけ送信機が必要になります。商品スペックにある「同一エリア内での使用制限数」を確認してください。例えば、JTS / SIEM-2は、同一エリア内で4波まで使用可能とあります。よって、4種の音をモニターできます。先述したように、各送信機に対して追加できる受信機の数に制限はありません。
インイヤーモニターは一昔前、○○万円もする高額品でしたが、最近はコスパの高いものがリリースされており、安いものになると2万円台で手に入ります。アマチュアのミュージシャンも導入しやすくなりました。
アナログのB帯、デジタルの2.4GHzと周波数によって選択肢もあります。
インイヤーモニターと同様、ワイヤレスマイクにも同一エリア内での使用可能数が決まっております。B帯のワイヤレスマイクを既にご使用されている場合は、2.4GHzのインイヤーモニターを、2.4GHzのワイヤレスマイクをご使用されている場合には、800MHz帯のインイヤーモニターを選んでいただければ、混信の心配はないと思います。導入前に現状お使いの仕様や使用可能数を今一度確認してくださいね。