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温故知故 おぼろげライブ日記 ― じゃがたら

2018-05-02

テーマ:おぼろげライヴ日記

温故知故 おぼろげライブ日記 - じゃがたら

80年代にじゃがたらというバンドがありました。じゃがたらは日本でも珍しいファンク・ロックバンド。一方で、初期のステージでは、とても文字では書けない過激な(エログロな)パフォーマンスを披露し、そのため好奇な目で見られたバンドでした。唯一、バンドのカラーとして変わらなかったのは、その音楽性とリーダーの江戸アケミ(男)の吐き出す言葉。繊細かつ心に響く言葉は、多くのリスナーの心を鷲づかみにしました。私もその一人です。

ちょっとのひずみなら 何とかやれる
ちょっとのひずみなら がまん次第で何とかやれる
日々の暮らしには辛抱が 大切だから
心のもちようさ
(裸の王様より:もうがまんできない)

じゃがたらを初めて観たのは西新宿の小滝橋通り沿いにある「Loft」というライヴハウス。そこで体験した音楽は「リズム・リズム・リズム」の応酬でした。言葉までもが、リズムの上にリズムを創っていく。踊りに行ったのではなく、完全にじゃがたらに踊らされたという体験でした。コンサートの中盤に差し掛かり、初めて「酸欠状態」というものを味わいました。吸える空気が急になくなるのです。ステージより一段低いぎゅうぎゅう詰めの客席では、酸素が無くなり口をパクパクしながら、本当に気を失うかと思いました。ステージでは熱いビートが刻まれていましたが、慌てて場外に。一息ついて、Tシャツを「じゃーっ」と絞り、また参戦。ステージではまだ演奏が続いていました。さっきまで自分のいた空間はまるで人の塊が風になびくようにビートに揺れていました。凄い光景でした。あれは、一生忘れることのできない光景です。そしてもう一度、そこに飛び込んでいきます。

人類みな兄弟 人類みな兄弟
僕たちは光の中でチャチャチャ 僕たちは光の中でチャチャチャ
じゃ また来るね じゃ また来るね
(南蛮渡来より:クニナマシェ)

じゃがたら風ファンク・ミュージックを確立した「裸の王様」は1987年3月にリリース。4時間ぶっ通しライブ(渋谷PARCO)、映画『ロビンソンの庭』/製作発表記念ライブ(音楽担当)、そして地上波1987年12月「ライブ・ジャック」(フジテレビ)出演などのライブも体験することができました。特に「ライブ・ジャック」は、抽選で観覧のライブだったはずです。抽選でしたが、最前列をゲット。笑える話ですが、「TV番組ですので、前列は女性ファンで揃えます」とTV局の人に誘導され、自動的に男性はその後ろに(差別だ!!笑)。女性客はそんなに多くなかったのと、背の高い女性がいなかったのでとても観やすい場所を確保できました。1バンド目はMUTE BEATの収録。続けてじゃがたらが出演しました。「裸の王様」「タンゴ」「がまんできない」の3曲を演奏。踊り足りない観客はアンコールを要求します。「TV番組でアンコールはないだろ?」と江戸アケミは笑って登場しました。そして「でも・デモ・DEMO」を演奏。観やすい場所はテレビカメラにも映りやすい場所でした。ばっちり若き日の私が映っています。

でも・デモ・DEMO

最後にじゃがたらのライブに行ったのは、芝浦インクスティックだったと思います。じゃがたらは、よりスタイリッシュになったイメージがありました。ただ、江戸アケミのアジテーションぶりは変わりません。ライブの最後に放った言葉は単純にかっこよかった~。これもヒストリービデオ「ナンのこっちゃい」に収録されています。

「評論家の言うことに耳を貸していると頭がバカになるぞ。あいつらのいいとこだけ取れ。あいつら全部てめぇが名前を売りたいがためにやってんだからよ。じゃがたらのことを書いている記事は全部でたらめとでっちあげだと思ってください。あなたたちがここに来て、こうしてこうやっている事が真実だよ。メディアは全てインチキだ!全部てめぇらが売りたいからやってんだよ!だから人の噂を信じるなベイビー!俺はここにいるぞ!俺はここにいるんだ!バイバイ!!」

1990年1月27日:江戸アケミ、自宅で入浴中に溺死。享年36歳。そして、じゃがたらという名前は永久封印されました。インディーズとメジャーの狭間で、強烈な音楽とメッセージを放ったバンドでした。



なかじまやすお

自由気ままに雑多なことを書きなぐっていきます。根底にあるのは「愛と音楽」。世の愛すべき事象にスポットを当て、音楽好きに共感してもらえる記事を執筆していきます。サウンドハウスでは、メディア編集担当として活躍。プライベートでは、週末となればドラムを叩き、ライブや映画、展覧会などを楽しむアクティブ派。

 
 
 
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