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カバー・アートから聴こえてくる音楽 ― ピーター・サヴィル

2018-04-03

テーマ:音楽とアート

カバー・アートから聴こえてくる音楽

ピーター・サヴィル

マンチェスターで生まれ、地元のアートスクール(現在はマンチェスター・メトロポリタン大学の芸術デザイン学部)でグラフィック・デザインを学んだピーター・サヴィル。デザインを学ぶ傍ら、ファクトリー・レコード創設者の一人として、レーベル所属のアーティスト達のアルバム・ジャケットをデザインしました。それまで、ジャケット・デザインといえば、写実的なアプローチが多かった中、サヴィルはデジタル記号やタイポグラフィーを活かしたデザインを得意とし、感度の鋭い若者たちに支持されました。結果、アートの視点からもアルバム(ジャケット)を楽しむファンが生まれました。特にジョイ・ディヴィジョンの「アンノウン・プレジャーズ」はアルバム・ジャケットという枠を飛び超え、ポスターや、Tシャツなどのアパレル商品へとデザインが一人歩きをはじめます。この「アンノウン・プレジャーズ」のデザイン、1919年に観測された最初のパルサー波をベースにデザインされたものとして、サヴィルがケンブリッジ天文学百科事典から図版を拝借しています。大胆でカッコいいデザインです。

ジョイ・ディヴィジョン:『アンノウン・プレジャーズ』(1979)

1970年代の末には、破壊的で勢いのあったパンクが衰退し、代わりにクールで破滅志向のニューウェイブが台頭してきます。サヴィルはそんなムーブメントを視覚的に表現することの出来たアーティストでした。タイポグラフィー(文字のデザイン)も合わせたトータル的なデザインは彼の持ち味のひとつ。それらの要素が生み出すバランス感覚は、ため息が出るほど美しくレイアウトされています。1979年以降はロンドンへ拠点を移し、ウルトラヴォックス、スウェード、パルプ、ビョークなどファクトリー・レコード所属以外のミュージシャンのジャケットも手がけます。クオリティの高さが評価され、サヴィルに仕事を依頼するアーティストは後を絶ちません。

ジョイ・ディヴィジョン『クローサー』(1980)

ウルトラヴォックス『レイジ・イン・エデン』(1981)

キング・クリムゾン『ディシプリン』(1981)

そして、写実的要素も加わり、作品はバラエティ豊かになっていく。

ロキシー・ミュージック『フレッシュ + ブラッド』(1983)

ピーター・ガブリエル『SO』(1986)

ニュー・オーダー『トゥルー・フェイス』(1987)

SUEDE『Coming Up』(1996)

PULP『THIS IS HARDCORE』(1998)

2000年に入ると、サヴィルの仕事はより多角的になっていきます。現在では、企業のCIやイングランド代表フットボール・チームのユニフォーム・デザイン、ディオールの広告なども手がけ、その領域は音楽業界からさらに大きく広がっています。一方で生まれ故郷のマンチェスター市クリエイティヴ・ディレクターにも就任。アドビシステムズ、CNN、ジバンシィなどイギリス国内外の企業のデザインも手がけ、イギリスを代表するデザイナーとして活躍中です。

Peter Saville Sleeve Design

なかじまやすお

自由気ままに雑多なことを書きなぐっていきます。根底にあるのは「愛と音楽」。世の愛すべき事象にスポットを当て、音楽好きに共感してもらえる記事を執筆していきます。サウンドハウスでは、メディア編集担当として活躍。プライベートでは、週末となればドラムを叩き、ライブや映画、展覧会などを楽しむアクティブ派。

 
 
 
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