■ クロノスからノーチラスへ
この度、サウンドハウスさんからコルグのミュージックワークステーション、ノーチラス61keyを購入しました。しかし時間がなく、殆ど触れていない状況です。
現在ではY社、R社、コルグなど、国内メーカーはワークステーション系シンセサイザーをリリースし、しのぎを削っています。
中でもコルグは、10年程前にリリースされ大ヒットしたクロノスというワークステーションをブラッシュアップし、このノーチラスをリリースしました。
クロノスよりも価格が下がったのは、この手の機材を手に入れたい方にとっては朗報だと思います。
KORG ( コルグ ) / ノーチラス NAUTILUS-61
クロノスはその完成度の高さから多くのプロミュージシャンが愛用しています。難波弘之氏、ミッキー吉野氏、H ZETT M氏、島田昌典氏など、枚挙に暇がありません。
私は年明けから少しずつ音を出し始めました。ワークステーションですから、音を出してエディットするだけでもそれなりに大変です。
ディスプレイ部分から進入していくプログラムの階層の複雑さや、ディスプレイの表記文字のサイズにまだまだ困惑している状況です。文字は小さいものの見えにくいことはないので、慣れることでその課題はクリアされそうです。
■ ノーチラスはコルグレガシーの集大成!
ノーチラスはこれまでに、コルグ独自のアコースティックピアノによるサンプリングをベースにした音源や、エレクトリックピアノの名機のサンプリング、ハモンドオルガン専用機CX-3、シンセサイザーの名機POLYSIXやMS-20など、9種類にも上る専用エンジンを搭載。さらにドラム、ベース音源なども内蔵されています。
そして、アルペジェーターやシーケンサー、オーディオ・レコーダにより、1台のマシンで音楽制作が可能と、コルグレガシーの集大成ともいえる、とてつもないスーパーなマシンです。
80年代に一世を風靡したフェアライトCMIや、家と車がセットで買えるなどと揶揄されたシンクラヴィア以上のスペックがこの小さな躯体に入り、それが20万円以下で購入できるというのもデジタル技術の恩恵以外の何物でもないでしょう。
もし、当時ノーチラスを購入すれば(そんなことは不可能ですが…)、数億円?になっていたのではないでしょうか…。
そんな楽器メーカーの集大成をこの場で克明に語るのは到底無理な話です。マニュアルを印刷して驚愕しました。ページ数はハードカバー1冊分以上です。しかもそれで全てではありません。
私の様なワークステーション門外漢にはいささかハードルが高すぎますが、関心をお持ちの方々に少しでも参考となるリポートになればと思っています。前途多難なことは言うまでもありません。途中で音を上げることも予想されますwww。
まずは出音とその操作に関して書いていければと考えています。あくまで不定期リポートです。
■ その前に…
ノーチラスはワークステーションであり、シンセサイザーでもあります。シンセサイザーであるということはパネル部分に手動でコントロールするノブやスライダーがあってしかるべきですが、ノーチラスはその部分がかなりの割合で省略され、ディスプレイと併用する形に工夫されています。

ノーチラスのコントロール部, 出典:コルグHP
その省略部分は、本体中央に位置するタッチビュー対応のディスプレイの中に表示されます。(私は目の疲れを軽減する目的でダークモードを採用しています。)
そしてディスプレイと連動するのが左側にあるリアルタイム・ノブです。このノブは通常は本体内部に収納されていて、登頂部をプッシュすることで上に上がってきます。これを指で回すことでパラメーターを変化させることができます。
このような収納ノブがあることで、演奏時に誤って触れてしまい音が変わるという事故を防ぐことができます。演奏するプレイヤーにとっては実用的で便利な機能と言えますね。
このディスプレイとリアルタイム・ノブを使って音色の選択やエディットをしていきます。

ノーチラスに搭載されているタッチビューパネルと収納可能なリアルタイムノブ, 出典:コルグHP
まずは音を出してみての印象が良かった、コルグ伝統の名機であるCX-3というオルガンのモデリング音源からです。
■ 憧れの名機 コルグCX-3
私は学生時代にハモンドNew-X5という国産のハモンドオルガンを所有していました。このハモンドもいい音はしていたのですが、2段鍵盤本体部と足鍵盤ボリュームペダル、スタンドを組み立てて音が出ました。その重さは鍵盤部だけでも重く、1人で持つことは困難でした。更に足鍵盤とスタンドがあってはスタジオに持ち込むことも当然できません。
1980年頃に登場したのがコルグのCX-3という1段鍵盤のオルガンでした。
私のハモンドは63万円もしたのに10万円台後半でハモンドに比肩する音が出ました。驚き以外の何物でもありません。しかも音も良く、1人でも簡単に運べる大きさと重さでした。このオルガンは今でもプロが愛用しています。私の大好きなキーボーディスト、森俊之氏も角松敏生氏のライブでCX-3を弾いていました。まさに名機。
そしてこの名機CX-3の音源がノーチラスには搭載されているのです。
実際にノーチラスのCX-3音源を選択するにはメインパワーを入れて待ちます。ノーチラスに火が入り、使えるようになるローディング時間は1分45秒でした。
ディスプレイに音色が表示されて2頁目の中央辺りにオルガンの音色があるので、それを指でタップすればオルガンの音が出ます。
出音はいい感じでした。私の所有するヤマハのオルガン専用機(実際はそうではない)YC61とはまた違った音の良さでした。
YC61に関しては過去にリポートをあげていますので、そちら をお読みいただければと思います。
さてノーチラスCX-3です。YC61に比べるとどうかといえば、今の段階では五分五分かもしれません。いい音です。しかし明らかに違います。その辺りは書ききれないので次回に持ち越すことにします。
それでは次回、お楽しみに!
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら