こんにちは。こちらに投稿させていただいておりますYoshitakaです。
ピックアップの無い純粋なアコースティックギターとピックアップのついたアコースティックギター(いわゆるエレアコ)について、コロナ禍3年の間にアマなりに機材放浪した、自分なりの考えを改めて書いてみます。
ご参考にしていただければありがたいです。
1. 純粋なアコースティックギターサウンドを求めると
色々試して感じた私なりの結論としては、弦を擦る感じや瑞々しさなど、やはりアコギ生音マイク録りが一番でした。アコギ本来の音が好みだという方は、ピックアップの無いアコギが良いと思います。ただ、生音に近い形で出力されるエレアコ・ピックアップも存在します(後述)。
2. エレアコと一括りにしても範囲は広い
エレアコについて、私個人的には分類して考える必要があると思い始めました。
(1) ギターの作りそのもので高いハウリング耐性を確保し、他の楽器と共存できるようにするタイプ
おそらく、Takamineが筆頭で、エレガットのGodinなどもそうではないかと思います。ラインアウト前提で、「エレアコサウンド」として定番となったサウンドを期待するもの、宅録というよりライブステージ、バンド使用前提だとこのような機材ではないかと。
なおTakamineなど最初からオンボードプリアンプが搭載されている多くのエレアコは、チューナーがボディに内蔵されているため、日々の練習がクリップオンチューナー無しで完結します。これは凄く便利で使い勝手が良いです。
(2) 生音再現のためのピックアップクオリティが高いタイプ
トミー・エマニュエルが使用して人気となったMatonは、こちらの筆頭ではないかと思います。ミキサー直でもアコースティカルでクリアなそのピックアップ性能は一度体験して驚きました。Taylerの最新ピックアップも素晴らしいという噂を聞きますが、すみません私は未体験です。
(3) 基本はアコギ、余力(?)としてピックアップを搭載しているタイプ
元々はハウリング対策などのない純粋なアコギに追加でピックアップを搭載し、小規模スペースのライブではラインアウトもできる、という位置づけであると考えうるもの。YAMAHA LL6/LL16、Headway JTシリーズ などは、基本アコギでバンドアンサンブルというより、弾き語りライブなど、PAのしやすさの点からピックアップで拾う想定なのではないかと思います。
YAMAHA ( ヤマハ ) / LL6 ARE エレクトリックアコースティックギター
最近は(3)のようなタイプであっても、外部プリアンプやノッチフィルター、あるいはPA側でハウリングポイントを削ることでライブステージを実現していることも多々あるかと思います。ただ、なんの対策もなくエレキ楽器に混じるというのは厳しいと思います。それでも生音影響が比較的少ないコンパクトなピックアップが付いている機種が増えているのは、カフェライブやオープンマイクといった機会が増えつつある今、役立つ機会は多いと思います。個人的には最近は国内ブランド、海外ブランド含めこの(3)が主流かなと感じる次第です。
3. 後付けピックアップについて
好きなピックアップを後付けでアコギにつけるケースは多々見られますが、最終的なサウンドはつけてみないとわからないとは思います。サウンドハウスさんではアコギピックアップのレビューなども多く見られ、ハウリングや使い勝手にも言及されているものもあるので、大いに参考になるかと思います。
やはりピエゾやマグネットに加えてマイクを搭載したピックアップは、生音再現には有利な反面ハウリング耐性では厳しい点があるように思います。こちらなどは、ピックアルペジオでボディを擦る音さえ拾って出力する凄い性能でしたがバンドの中でその性能が十分発揮できるようにするためにはかなり工夫が必要だと感じました。
FISHMAN ( フィッシュマン ) / Rare Earth Mic Blend Active Soundhole Pickup
逆にマイクのないシンプルなピエゾピックアップでも、外部プリアンプを使うとピエゾっぽさ(エレアコっぽさ)が薄れて自然な感じに近付けることも可能なので、音作りの幅は広がります。外部プリアンプは外付けピックアップに限った話ではなく、ピックアップ搭載アコギ全般に適用できる話なので、プロのステージでも活躍する下記製品などは高評価で鉄板機材ですね。
L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Para Acoustic D.I. アコギ用ダイレクトボックス
4. ピックアップ・あれば便利
個人的にはピックアップは付いていたほうが便利だと思います。ある程度の音作りも外部プリアンプで可能なので、そう思う次第です。ただ、純粋なアコースティックギターの何も足さない・何も要らない・生音勝負というのも魅力であることには変わりありません。またピックアップ付のギターは、ある程度アンプに繋いで音を出さないと、ガリが出たりと接点不良が起きたりとあまりよくありません。本当に生音だけ、アコギアンプやミキサーも使わない、カフェライブではマイクでというなら電気系メンテ不要の純粋なアコギがかえって良いかと思います。
以上
長文お付き合いありがとうございました。
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