
アコースティックギターが大好きなYoshitakaです。
本日はギターの材について書いてみます。既に色々な情報があることを承知しておりますが、ギターの材について、少し楽器オタク的な視点で書いてみたいと思います。
ワシントン条約の関係でローズウッドが使えなくなってきています。1969年までMartin D-28やD-45などで使われていたブラジリアンローズウッド(ハカランダ)に至っては、扱いがジャイアントパンダと同じレベルで規制されているので、もはやギター材として使われることは限りなく稀になるのではと思います。
楽器メーカーでも、ローズウッドから移行が始まっている印象を受けています。パーフェロー(別名:サントス・ローズウッド)、ウェンジなどです。
→ スタッフブログ「ローズウッドの代替材問題」
→ スタッフブログ「続、ローズウッドの代替材問題」

ただ新しい材はまだ評価が確立されていない印象があり、例えば「マホガニーの温かみのある音色」、 といった表現は使われるレベルまで至っていないのが実態ではないでしょうか。今後は、新しい材の音響特性を生かした開発が進むのではないかと思います。
サイド・バック材ではローズウッドとマホガニーが有名なので、購入にあたってのアドバイスをあるメーカーの方にもらったことがあります。よく言われていることですが、
1.ローズウッドの方がマホガニーより材が重い
2.ローズウッドの方が低音域、高音域を重視するプレイヤーに向いている。
3.マホガニーは中音域を重視する方にプレイヤーに向いている。
言葉だけで書いてしまうと「ドンシャリ系か中音域重視か」になってしまいますが、実際はそれだけではなく、倍音の出方や瑞々しい感じなど、言葉で表現しきれない要素は多くあると思いますし、また最終的にはそれらは個々の楽器の音を個人がどうとらえるかです。
もちろん上記は同一メーカー、同一ボディ、同一トップ材で比較した場合であって、OMサイズとドレッドノートサイズなど、ボディサイズが異なれば単純比較はできないので、最終的には様々な要因を考慮に入れて判断することになります。
私自身は以前、同一メーカー同一ボディサイズ、ほぼ同一グレードでサイド・バック材だけが違うギターを保有していたことがあります。
この時は、1つはマホガニー、もうひとつはメイプルだったのですが、個人的にはメイプルの方が倍音豊かな感じで煌びやかさがあり好みでしたが、マホガニーの落ち着いた音色の方が好みと言う人も多いと思います。
それでも、やはり天然の木材による楽器ですので、個体差がありますし、弾き込んでいくにしたがって鳴りの変化もあると思うので一概には言えないとは思います。また、高価なギターは材も選び抜かれているので、カタログスペックに現れない「選び抜いた材の鳴り」という点は大きいと思います。
正直、音を聞いて材を当てる自信はまったくありませんが、こだわりを持つのであれば、ローズウッドの単板などは手に入るうちに買った方が良いかもしれません。
(例えばYAMAHA LL-16/LJ-16/LS-16 はローズウッドの単板ですが、木材の貴重性を考えると今はお買い得なのでは、と思うことがあります。)
YAMAHA ( ヤマハ ) / LL16 ARE
YAMAHA ( ヤマハ ) / LJ16 ARE
YAMAHA ( ヤマハ ) / LS16 ARE
使われる材だけでいいますと、豊富な材があった昔が良かったとなりそうですが、ブレイシング等の加工技術やエレアコにおけるピックアップなどを総合的に考えた場合、最新機材にもメリットはあると思うのでそのような点も考えながら、悩むことも楽しいですし、今持っているアコースティックギターを弾き込んで、音の熟成を楽しむのも良いかと思う次第です。