
お前らあああああ!!!!!
ディストーション、掻き鳴らしたいかあああああ!!!!!
「「「「うおおおおおお!!!!!」」」」
と、この世界に生まれ落ちたギタリストなら誰しもが声を上げるであろうコール&レスポンスから始めさせていただきました、高校生ギタリストのSと申します。
エレキギターをやっている人なら誰しも耳にしたことがあるであろう、「メタルゾーン」というエフェクター。全世界累計100万台以上の販売実績をもち、BOSSのすべてのコンパクトエフェクターの中で、DS-1に続いて第2位の販売台数を誇った、BOSSの最高傑作のうちの一つです。
BOSS ( ボス ) / MT-2 Metal Zone ディストーション
ハイゲインディストーションペダルの代名詞とも言えるこのエフェクターは、販売開始の1991年から30年以上経った現在でも多くのギタリストに愛されるペダルとなっています。
しかし、このメタルゾーンの荒々しい印象とは裏腹に、このエフェクターの各つまみは非常に繊細に変化するようになっています。
ここで私が声を大にして言いたいことはただ一つ。
「メタルゾーンは、ディストーション界のマルチエフェクターだ」と。
今回は、BOSSの作り出した名機中の名機であるメタルゾーンについての徹底解説です。購入を検討している方や、持っていてもイマイチ使い方がわからないという方は、ぜひ参考にしてください!
01 驚きの守備範囲!メタルゾーンのEQの特性
メタルゾーンについているイコライザーは、HIGH、LOW、MIDDLE、MID FREQの4つです。それぞれ高域、低域、中域、中域の周波数の設定の役割を担っています。
MID FREQはあまり馴染みがないつまみですよね。省略せずにいうと「MIDDLE FREQUENCY」。MIDDLEのつまみで上げたり下げたりしたい帯域を、どの周波数を中心にするか選択することができるつまみになっています。
実はこのエフェクター、笑っちゃうくらいEQの効きがいいです。そのため、先ほども話した通りつまみはかなり敏感に反応し、大きく出音に影響します。
これによって幅広いジャンルの音作りを可能にし、名前の通りメタルはもちろん、音作り次第では、ロックやポップスといった音楽シーンでも十分に戦力となる音を出すこともできます。
どうでしょうか。メタルゾーン、触りたくなってきたんじゃないですか?
02 ディストーション界のマルチエフェクター「MT-2」
この幅広いEQを搭載したメタルゾーンは、その規格外の守備範囲の広さから、ディストーション界のマルチエフェクターだと私は思っています。
ジャキジャキしたサウンドが目立つこのエフェクターも、GAINを下げていけば現代シーンで多く使われるディストーションサウンドや、さらに下げればカッティングの気持ちいいクランチライクなサウンドまで作ることができます。
ここではその例をいくつか紹介しますので、ぜひ音作りの参考にしてみてください。
録音環境は以下の通り。
使用ギター…Gibson Les Paul Special
使用アンプ…JCM 800 モデリングアンプシミュレーター
A. 王道メタルサウンド
「メタルゾーン」という名の通り、このエフェクターはメタルサウンドが最高に映えます。ドンシャリでローのズンズン鳴る感じと、暴力的なハイの出方をイコライザーでうまく調節してあげると、美味しい部分をまっすぐ出してくれる音が出ます。ゲインは12時周辺でお好みで。

メタルゾーンが一番実力を発揮できるのは、やはりこういう音ですよね!!
メタルゾーンが私に「君が欲しいのはこの音だろう?」と言わんばかりの、ドンピシャなサウンド。かっこ良すぎますよね。
B. 汎用性やよし!ディストーションサウンド
このエフェクターのゲインのつまみは、12時の時点で、一般的なディストーションエフェクターのゲインMAXに相当すると言われています。そのため、ゲイン幅を9時前後にして、EQをいい感じに調節すると現代のロックシーンでも活躍するようなディストーションサウンドを作ることができます。

やはり名機、侮れない。
パワーコードをかき鳴らすのがめちゃくちゃ気持ちいいです。
このエフェクターの後段にトランスペアレント系のドライブペダルを置くと、音に瑞々しさを加えることもできます。そうするとより現代っぽい音が鳴るので、持っている方はぜひお試しください!
C. 意外と使えるクランチ
「クランチ」といえばオーバードライブで作るイメージですが、このエフェクターで作ってみてもアルペジオが気持ちいいサウンドを作ることができます。ゲインを思い切って下げてみると、ディストーションでありながら温かみのあるクランチを作ることが出来ます。

「こんな音出るの!?」という感じですよね。私もです。
コードを弾いても音の分離感は保たれて、アルペジオでsusコードやadd9を弾くのが心地いいような、リバーブと合わせたい音。儚くも強さがあり、このエフェクターだからこそ出せるキャラクターです。
D. 裏技的な使い方!フィードバック音生成器
最後は裏技的な使い方です。シューゲイザー界隈では、メタルゾーンをフィードバック音を作るためだけに踏むことがあります。前段にディストーションを置き、その後にゲインをMAXにしたメタルゾーンを接続して、印象付けたいところだけメタルゾーンをオンにします。
その後にモジュレーション系や空間系・ピッチシフターなんかを繋いでみて、感性のままに全てをオンにすると…

個人的にはこの使い方が一番好きですね…!
エレキギターでしか出せない音を最大限に使って、独自の世界観を作る感覚…好き勝手にやってもかっこよくなるのが最高です。
ライブ始まりやSEなんかで使いたい、そんな音です。
03 ディストーション界隈の救世主「メタルゾーン」
紹介した通り、メタルゾーンには多くの使い方があります。ポップスからメタルまで幅広く使うことができるこのエフェクターは、まさに「ディストーションにマルチエフェクター」と言えるでしょう。
購入を検討している方や、使い方に悩んでいる方の参考になれたら幸いです!!
それでは、良いギターライフを!!
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