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エフェクターが好き~ラック、コンパクト、そしてマルチの世界・前編~【ネモト×Cheenaコラボ記事】

2021-08-10

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

〜プロフィール〜

Cheena:エフェクターはコンパクトとマルチ併用派。リミッターを2台置いてみたり、歪みをわざわざクリーンに鳴らしたりと奇行が目立つ。初めて買ったエフェクターはBehringerのコンプ。
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ネモト:基本的にアン直派なのでコンパクトエフェクターはあまりわからない。ラックはそこそこわかる。 初めて買ったエフェクターはBOSS ODB(レッチリのaround the world聞いて楽器屋に行った)
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Cheena:今回はエフェクター編ということで、一般的な”バンドマン”とは少し離れた観点から紹介していきましょう。

ネモト:少し離れた…作動原理とか機種やカテゴリ特有の問題とか?

Cheena:原理と問題点は面白そうですね。先にエフェクター類をどう区分するか列挙しておきます。

音量系・制限:リミッター、コンプレッサー
音量系・下降:エキスパンダー、ノイズゲート
増幅系:プリアンプ、ブースター、オーバードライブ、ディストーション、ファズ
空間系・音程:コーラス、フランジャー、ビブラート
空間系・時間:ディレイ、リバーブ、ルーパー
空間系・音量:トレモロ
位相系:フェイザー、マキシマイザー
イコライザー系:グラフィック/パラメトリックイコライザー、オートワウ、ワウペダル
検出系:チューナー、ピッチシフター、オクターバー、ピッチベンド
その他:シミュレーター、シンセサイザー、マルチエフェクター、等

ワウは強調する帯域を入力レベルやエクスプレッションペダルにより変化させているのでイコライザーと同じ部類に扱います。
コンパクト系だとこのぐらいですかね。
ラックタイプも大体これに準ずるということでいいでしょうか?

ネモト: ※これから書くものにはラックに入らないものもありますが便宜上ラックタイプとします。
大体は共通だね。ただ、エキスパンダーは上昇タイプ(アップワードエキスパンダーやデコンプレッサーと呼ばれる)
もあるから下降にカテゴライズするならダウンワードエキスパンダーと書くべきかな。それに伴ってアップワードエキスパンダーを追加しておこう。
音量制限にはディエッサーを追加しておこうか。
ディエッサーは訳すと「Sをなくすもの」みたいな感じ?英語なら「S、TH」日本語なら「サ行」を発音する際に発生する「スッ」という空気の漏れるような音を消すためのものでそこだけに特化したコンプレッサーと考えてもらえばいい。ボーカル専用エフェクターだからコンパクトにはおそらく存在しない。
単体では超絶レア。ミキサーとかコンプに補助機能みたいな扱いで載ってる事が多い。載ってないものの方が多いけど。
これをエフェクターに入れるべきかは悩むけどマスタークロックジェネレーターも追加で。

関連記事『初心者向け!「マスタークロックジェネレーター」について語りたい』

ネモト:あとDIも載せておいた方がいいかな。一応単体でもある(DIの機能のみ持つものを単機能DIと呼ぶこともあった。今はわからない)
マルチエフェクターのようなものではあるけどチャンネルストリップも書いておいた方がいいかもしれない。
ちょっと違うかもだけど「マスタリングエディション」もあるね。仕方ないとはいえ高いんだよなぁ…。
ラックタイプだとリバーブがやたら豊富なのも特徴かな。ラックどころじゃなくて4畳くらいの大きさがあるプレートリバーブとかリバーブルームなんかもある。あとはパライコとコンプ。マスタリングに欠かせないからこっちは当然。歪み系はラックではほぼほぼない。
あとはテープエコーかな。ラックに入らないものが多い。テープエコーはディレイやリバーブのひとつだけどテープエコーはテープエコーとしか呼ばないから別枠にしておこう。かなり音違うし、テープを直接触ることによってコントロールできる(勧めはしない)オンリーワンの操作があるので別物と考えていいだろう。
最後に、古いものだと「レベリングアンプ」と表記してある機材がある。これはコンプレッサーのこと。
コンパクトタイプでレベリングアンプと表記されているのは知らない。あるのかな?これの他にも別称があるものは書いておこう。
それらも含めて改めて整理すると

音量系・制限:リミッター、コンプレッサー(レベリングアンプ)、ディエッサー
音量系・下降:ダウンワードエキスパンダー、ノイズゲート
増幅系:プリアンプ、ブースター、オーバードライブ、ディストーション、ファズ、アップワードエキスパンダー(デコンプレッサー)
空間系・音程:コーラス、フランジャー、ビブラート
空間系・時間:ディレイ、リバーブ、ルーパー、テープエコー
空間系・音量:トレモロ
位相系:フェイザー、マキシマイザー(エンハンサー)
イコライザー系:グラフィック/パラメトリックイコライザー、オートワウ、ワウペダル
検出系:チューナー、ピッチシフター、オクターバー、ピッチベンド
その他:シミュレーター、シンセサイザー、マルチエフェクター、DI(ダイレクトボックス。DI機能のみのものは単機能DIとも呼ばれた)、チャンネルストリップ、マスタークロックジェネレーター(ワードクロックジェネレーター)等

ってところでしょうか。
読者諸兄姉、この表記は細かく書いてあるけどコンプやイコライザーなど音の大きさを変化させるものは「ダイナミクスプロセッサー」ともカテゴライズされます。わかって書いていますのでツッコミ不要。

Cheena:音自体には影響がないものが入ってきましたね。DIはペダルだとプリアンプに内蔵されるか、大型の歪みに付くこともあります。 ディエッサーは単体ではないものの一応コンパクトで発見しました。

TC HELICON ( ティーシーヘリコン ) / MIC MECHANIC 2

あとテープエコーはBossのRE-20がデジタルマルチストンプボックスとして使用可能ですね。

※ 執筆開始した5月下旬にはありましたが、7月に入ってから販売が終了したようです。
※ 2022年4月にコンパクトペダルサイズで「Space Echo RE-2」、3フットスイッチの上位機種「Space Echo RE-202」が発売されました。

BOSS ( ボス ) / RE-2 Space Echo

BOSS ( ボス ) / RE-202 Space Echo

ネモト:DI、プリアンプに載ってるのは知ってるけど歪みに付くとは知らなんだ…。いや、元々ブーストするものだからあとはインピーダンス下げてバランスアウトにすればいい。そんなに難しくないのかな。あと影響がないわけではないよ。アバロンデザインとカントリーマンのDIは音違うし、アンテロープとタスカムのマスジェネも音違う。もっともあんまり変わらないけどね。この手のもの、つまり効果が「音を良くする」ではなく「劣化を防ぐ」ものは個人レベルならいらないかな。他に金使った方がいい。置いてあるスタジオ借りれば済む話だからね。貸す側は用意した方がいいけど。

RE-20は初見。こんなのあるのね。RE-201は知ってる。同じ会社だし再現度はめっちゃ高そう。

Cheena:テープエコーは磁気テープに書き込んだ音を幾つかの再生ヘッドで読み取ってエコーを再現します。効果が似ているディレイとの違いはテープの劣化によるノイズやわずかな伸び縮みによるディレイタイムの変化、あとはテープ送り速度の変化による音程変化や発振でしょうか。 先のRE-20はRoland RE-201のデジタルモデリング版で、右側のペダルを踏み続けるとテープ速度が上がって怪音が鳴り響きます。 公式視聴動画の1分9秒あたりからが分かりやすいかな。音量注意です。

XLRアウトが付いた歪みはほとんどElectro-Harmonix(以下EHXまたは電鱧と表記します)製ですね。ehx tortion、Deluxe Bass Big MuffなどのブースターもあるしEQも強いし1割ぐらいプリとしても許せる…?というものに積まれています。

ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / EHX TORTION

ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Deluxe Bass Big Muff Pi Distortion/Sustainer

でも何故かギター用のDeluxe Big MuffにXLRはついてないんですよね…

ネモト:テープに触ってコントロールするのは楽しいよ〜。切ったらめっちゃ怒られると思うけどね(切ったことないからわからん)オープンリールデッキを改造してテープエコーにしてる人いたなー。

電鱧wわかりやすい。
あそこのエフェクター持ってたような。
種類も豊富だし面白そうだし試してみようかな…。

ではこっちもそんなのあるの?系エフェクターを紹介します。

UNIVERSAL AUDIO ( ユニバーサルオーディオ ) / 1176LN

Universal Audio 1176 です。
こちらは何度も好きだ好きだと言ってました。発売から数十年経っていて、今やどこに行ってもある。
スレッショルド(圧縮開始のしきい値)が存在せず、インプットゲインを上げるとスレッショルドも上がっていく独自性。レシオはスイッチによるシンプルな操作で人気。ソリッドらしいギラつきがあって癖があるコンプ(ラックの中では)なんだけど、これの面白いところは歪みとして使えること。レシオボタンを全部押すとめっちゃ歪むようになる。これがいい味出すんだわ。
思い切り歪ませるのも全然アリだけど、少しだけ歪ませてボーカルやドラムにかけると迫力や厚みが出てゴキゲンな音になる。椎名林檎の本能って曲のアタマの声はコレで歪ませてるらしいよ。

逆に全部押さないのもアリだね。コンプレッションされず通すだけになるんだけど、イン/アウトのゲインをいじると音にアナログ感が出てきて、めっちゃあげるといい感じに割れる(歪むまではいかない)トゥルーバイパスに向こう正面から喧嘩するスタイルだね。
まとめるとコンプレッサー/オーバードライブ/サチュレーターってところでしょうか。

KLARK TEKNIK ( クラークテクニック ) / 76-KT コンプレッサー

安いコピー品も出回っているからそれを買ってもいいんじゃないかな。
あと、ロングセラーモデルだから世代によって音は変わります。

Cheena:なかなかストンプボックスにはこういう独特さのあるエフェクトがなくて残念ですね。コンプレッサーの歪みは忌避されるし、そもそもプリセットボタンのボックスが少ないから当たり前か…
ちなみにサチュレーションとは飽和という意味です。磁気テープへの入力に応じた歪みに使うことが多いかな。逆にデジタル記録だとピーク音量が大きい部分だけが歪み(=クリッピング)ます。

ネモト:確かに本来歪みは出しちゃダメな音だし、実はこれも歪ませるのはダメだとメーカーからアナウンスされていたらしいよ。でもこの歪みは面白いじゃんとイギリスで流行って、後にメーカー公認の機能になったというね。確かレッド・ツェッペリンが好んで使ってたんだっけかな?これに限らず本来の用途じゃないところがクローズアップされるのたまにあるよね。

Cheena:非ラックユーザーにも分かりやすい例だとBossのMetal Zoneなんかがそうですかね。

BOSS ( ボス ) / MT-2W Metal Zone メタルディストーション

強烈なミッドが出るメタル向けディストーションだったはずが、アンプのセンド/リターンに挟んで扱うという使用法が考案され、凶暴なまでの効きを持つ3バンドイコライザーで音作りをサポートします。もちろんハイゲインディストーションとしても使用可能。加えてイコライザーのMid Freqを外部ペダルで操作できるように改造するとワウペダルになります。

ネモト:面白い。道具は使いよう。
イレギュラーな使い方だと昔から踏んだり蹴ったりして強烈な音を出したりするもんね。

Cheena:踏んだり蹴ったり…やはりあれですか、スプリングリバーブですか。

ネモト:そう。スプリングキング!

フェンダーのスプリングリバーブでもできるけどもったいない。あるいはチューブアンプ。

Cheena:説明…しておきますか。
アナログリバーブには幾つか種類があり、その中でもスプリングリバーブは「バネの片側に音を振動に変換したものを与え、もう片側から振動の余韻を拾って音にする」という手法でリバーブ効果を得ます。
さっきからの蹴るだの踏むだのいうのはこのスプリングに衝撃を与えて爆発的なノイズを得るためのもので、Danelectro Spring Kingはその衝撃音を出すことを踏まえた設計がされています。
アンプよりも短いスプリングを使用しているのでそこまでの音は出せないんですが、Twin Reverbをお釈迦にするよりは良いでしょう…
ちなみにスプリングだけを抽出したようなエフェクター…というか鳴り物があります。
MASF PedalsのSCMですね。

MASF Pedals ( マスフペダルズ ) / SCM

 

ネモト:知らなかった。何これ面白そう。
こういうのの作動原理は「機構に衝撃を加えることにより音を変化させる」だからわかりやすいね。
作動原理は結構深い世界だけど機材選びや音作りの一助になるのは確かだから簡単に解説してみない?
例えば一言で「歪み」といってもオーバードライブ、ディストーション、ファズとあるわけで。
回路や素子の話までいくと読者も私もついていけなくなるからそこまで深掘りはしない感じで。

Cheena:とりあえず分かりやすい歪みから始めてみますか?

ネモト:よろしく!せいぜいwikipediaレベルの知識しかないから。

Cheena:まぁWikipediaが何もかも網羅してくれている部分はありますけどね。日本語版より英語版がおすすめです。

というわけで先ずはオーバードライブ。
ソリッド・アンプがなく真空管アンプを使用していた時代、ボリュームを得るため増幅率を上げていったところ、アンプの許容電圧を超えた過負荷(Over Drive)により音が歪んでしまうようになります。
これが60年代以前のブルースやロックシーンにて多用されるようになり、BOSS OD-1の開発に至る、というわけです。
単純なアンプの過負荷としてはかなり古くからあったサウンドですが、エフェクターとしてのオーバードライブの登場はファズなどのシンプルな歪みより遅い開発になります。

ディストーションは、真空管アンプをさらに歪ませることで得られたサウンドと考えて問題ないでしょう。
さらに歪ませるといっても、低増幅率でも歪みが得られるアンプのゲインを高く設定する必要があり、Marshall JTMやFender Bassmanの登場を待つことになるのですが、Jimi Hendrixらによる60年代付近の初期ロックのフルテンアンプの流れを汲むエフェクターといえるでしょう。

ファズはアンプの回路自体ではなく、スピーカー側の損傷やコーン紙の意図的なカットにより得られる(得られた)歪みと言った方がいいでしょうか。前述の2つより入力音への反応性が高いと言われます。
Fuzz Faceが代表的で、アンプブースターや”トーン・ベンディング・ユニット”として使用することを想定されていたシンプルな回路だったのですが、入力インピーダンスが非常に低かったことや増幅率自体はかなり高かったことから、過負荷による歪みから鈴鳴りまでを出せるエフェクターとして発展しました。

これが主な歪み3種類ですが、見かけ上は異なっても結局行っていることは全て同じ、入力音を増幅して過大な部分をカットするという処理で音質を変えています。
前述のUniversal Audio 1176は、恐らくですが、ゲインを上げた状態できつい減衰を設定することで増幅→カットという同じ処理ができていると思われますね。

ネモト:勉強になる。ファズ以外はある種のアンプシミュレーターと考えてもいいのかな? 思い出した。ギーザー・バトラーなんかは力技(過大入力)で歪ませていたと聞いてやってみようと思ったけど、モノを大事にするならエフェクターでやりなさいと言われたような。遠い昔の話だからうろ覚えだけども…。

Cheena:確かにアンプシミュレーターとも言えますね。ダイオードへの過負荷なので。
アンプで歪みを出したいなら10Wぐらいの練習用アンプに入力がでかいアクティブベースか何かを繋ぐといいかもしれません。
さて次は歪みに続くエフェクターの2大巨頭、コンプレッサー/リミッター。

コンプレッサーは小さな音を大きく、大きな音を小さく圧縮(コンプレッション)するエフェクターです。
こちらもやはりアンプの挙動を再現するために作られたエフェクターで、正確に説明しようとすると非常に長くなってしまいますので簡単に。
大型のアンプを大音量に設定すると、軽いタッチでも強いピッキングでもクリーンのままの大音量で演奏できます。しかし、ここでボリュームを絞っていくと、全体の音量は下がるものの、強いピッキングは歪み、軽いタッチはごく小音量になってしまうことがよくあります。 この「十分な出力を行っている時に、小さい音を大きくする、大きい音も歪まない程度に抑える処理」というものがコンプレッションです。

これを足元の箱に落とし込んだコンプレッサーには自動利得制御というシステムがあり、入力に応じて音量の上げ下げを行う…こう書くと簡単に見えますが、実際は電球やLEDを光らせてフォトセルにフィードバックしたり、入力電圧に応じて電流量を制御できるトランジスタを用いて圧縮したり…と、その他のエフェクターに比べて試行錯誤と技術の積み重ねが大きいと個人的に感じています。
※フォトセル…当たっている光の強さに応じて抵抗値が変わる素子。別名CdSセル、光依存性抵抗。

リミッターはコンプレッションとよく似た処理ですが、大きい音量は全て切るだけ、というシンプルな処理になっています。掛けすぎると変な音になりますけどね…理論上はアナログオクターバーと同じように、増幅とカットで矩形波に近い波を得られますから。

コンプレッサーのノブにあるRatio(圧縮比)ですが、閾値を超えた部分をどれだけの比率で抑え込むかというものになっています。
1:1では圧縮なし、1:2で50%、1:4で25%出力、10%まで抑え込む1:10より強いコンプレッションはリミッター扱いされることが多いですね。厳密には完全なリミッターは圧縮比1:∞、つまり閾値を超えた部分は0%出力します。
Attackは圧縮が掛かるまでの時間を設定できます。遅くするとアタックが強調されたDynacomp系サウンドに、早くすると滑らかでオルガン的な出音になります。
アンプライクなアタックタイムは比較的早めですね。

サウンドハウス最強コンプレッサー・マニュアルを置いておきます。
https://www.soundhouse.co.jp/download/sonota/comp.pdf

 

ネモト:コンプレッサーなんですけど、掛ける相手で超ざっくりと区分しましょうか。
まず、主にボーカルに使うものなんですが、これは効果は弱めであくまで艶出しが目的になります。真空管コンプが用いられることもあります。
次、主に楽器に使うもの。これは効果はボーカルに比べると強めです(特にベース用)粒を揃えることに主眼を置いています。真空管コンプは素早いアタックタイムを得るのが難しいという特性がありますので、特に立ち上がりの速いドラム、パーカッションには不向きです。
最後、マスタリングに使うもの。これは俗に言う音圧競争(音圧戦争とも言われる)に使われるため、音を変えないのが理想になります。マスタリングに使う場合はマルチバンドコンプレッサー(文字通り1つで複数の帯域に分けてかけられるコンプレッサー)を用いることもありますね。

リミッターの話が出たからついでにノイズゲートの解説もしましょう。
ノイズゲートの処理方式は大別すると2つ。
一般的なのはリミッターを基に改造したもので、もう一つがダウンワードエキスパンダー(閾値より小さい音をさらに小さくするもの)です。
一般的なというかスタジオ定番だとDS201になります。

DRAWMER ( ドローマー ) / DS201

ダウンワードエキスパンダーを利用したものの代表はhush。

ROCKTRON ( ロックトロン ) / HUSH PRO

細かな設定はできないのですが、DS201と比較するとツマミが少なく圧倒的に使いやすいです。
価格差も考慮すると初めて導入するならこちらを使った方がいいでしょう。汎用性は低いので使っているうちに不満がたまるかもしれません。その時は満を持してDS201を買いましょう。何がどう違うか理解した上で導入するとありがたみが出ます。

Cheena:Hushやその系譜のDecimetorはコンパクトとしても有名ですね。

ROCKTRON ( ロックトロン ) / Reaction Hush

ISP TECHNOLOGIES ( アイエスピーテクノロジーズ ) / DECIMATOR II G STRING PEDAL

ノイズが瞬殺されます。サイバーな見た目も最高ですね。

ネモト:カッコいいし、ぶっちゃけ1トラックだけにかけるならhushで何の問題もないからね。ドラムは除く。全体にかけると削ってはいけないところまで削ってしまうからNGになるけども…。

Cheena:効きが途轍もなく強力なのがいいところです。
ちなみにこの手のストンプボックスにはジャックが4つ付いていることがありますが、ギターのドライ音を元にどこまでが演奏でどこからが意図しないノイズか判定し、それをサプレッションの制御に使うという方法で歪みや強烈なコンプレッションでノイズが常時大きい場合も問題なくカットしています。
センドリターン付きノイズサプの最安価は電鱧のSilencerかな。見た目がいい。

ELECTRO-HARMONIX ( エレクトロハーモニックス ) / Silencer

 

ネモト:ストンプボックスにもそんな機能を持ってるやつがあるのか…時代は進んだなぁ。
そんじゃ、次はリバーブでも語ってみましょうか。

Cheena:リバーブって脱線の匂いが強烈にするエフェクターなんですよね…なんせ物理方面で音を作っていたもので、構造やら特性やらの話が尽きない。
というわけで一回休憩というか筆と頭を落ち着けませんか?このまま突っ込んだら絶対止まらなくなります…

ネモト:はーい。また次回!ありがとうございました!

Cheena:ありがとうございました!

 

コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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( 2021-08-10 公開 2022-05-26 更新 )

C&N Crafthouse

元プロでベーシストのネモトとクラフトマンでベーシストのCheenaによる、楽器への深すぎて自由すぎるこだわりトークをお送りします!
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ISP TECHNOLOGIES / DECIMATOR II G STRING PEDAL

ISP TECHNOLOGIES

DECIMATOR II G STRING PEDAL

¥41,700(税込)

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UNIVERSAL AUDIO

1176LN

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