ROOT SOUL 池田憲一です。ベーシスト、トラックメイカー、サウンドプロデューサーで自身の作品ではミックスも行います。
今回 Warm Audio のパッシブEQ EQP-WA のレビューをやっていきます!
名機Pultec EQP-1Aを忠実に再現した超定番チューブEQ。
ビンテージサウンドが好きなんですが いつもはプラグインのみでやっていてずっと興味があったのでとても楽しみです!!
開封してセッティングしていきます。
やはり実機はいいですね!ノブを回しているだけで創作意欲が湧きます!w

中身はサイトの写真見るとこんな感じ。

かっこいいですね!トランスもとてもデカくて好印象。テンション上がります!
まず 僕のようなDAW宅録派には ひとつ注意。(スタジオ用 機材なので当然ですが)本体に入力レベル(プリアンプ)がなくて掛け録りする時は前段に別のプリアンプは必要です。いろいろ試しましたが ちゃんとしたレベルで入れないと当然ですがこの機器の本来の力を発揮できません。
なのでインターフェースApollo x4に直で録音したジャズベース、打ち込みのドラム、エレピをインターフェースから外部出力して、それをインターフェースに戻して録音して検証しました。
UA Apollo x4のアウト → Warm Audio EQP-WA → UA Apollo x4のイン
■ ジャズベース EQバイパス
■ ジャズベース EQ オン Low ブースト
良い感じにファットになりますね!!!ハイの輪郭も足してます。
最終的にこちら
■ ジャズベース EQ オン Low ブースト&カット

設定は右から
- High Cut Frequency 20kHz
- High Cut 0.0
- High Boost Frequency 4kHz
- High Boost 4.0
- Bandwidth 4.0
- Low Cut 1.8
- Low Frequency 100Hz
- Low Boost 3.0
各つまみがどのように効くのか最初分かりづらいですが調べると写真に書き加えた赤線で分けたように 機能しているようです。
PultecタイプのEQの醍醐味というべき裏技
Low Boost 3.0 & Low Cut 1.8の合わせ技
Low Cut がLow Boostよりも少しだけ高い周波数であるため、低域がファットかつタイトになる印象です!
次はドラム。本当は生のマルチで録音したものを素材にしたかったですが、権利の問題で使用できなかったので打ち込みです。
でもこのEPQ-WAの素晴らしさは伝わるかと!
■ ドラム 全体 EPQ-WA EQバイパス
■ ドラム 全体 EPQ-WA EQオン

設定は右から
- High Cut Frequency 20kHz
- High Cut 0.0
- High Boost Frequency 10kHz
- High Boost 3.0
- Bandwidth 5.2
- Low Cut 1.0
- Low Frequency 30Hz
- Low Boost 3.3
Low Boost 3.3 & Low Cut 1の合わせ技
こちらも凄く好印象!
そしてハイハットの自然に抜けてくる感じも凄く良い!!
プラグインのエレピですがこちらも
■ エレピ EPQ-WA EQバイパス
■ エレピ EPQ-WA EQオン
(あまりにもレベルが上がったので EQ オン時は -2.5db してます。)
PultecタイプのEQのプラグインが各社から大量に出ている中で、このLow Frequency Low & Cut の帯域が800Hzの中域までカバーしているところにとてもこのEQのアドバンテージを感じました!
しかも 低いところが持ち上がり過ぎず全く不自然さがないです!
前に書いたように そのあとDAWでLowカットしてもいいですしね。
何気に今回一番このEQならではのアナログ感を味わえた部分でした!
(EQP-WAでミドルをカットしたい時は Low Frequency を400,800Hzに設定してDAW側でもっと下のロー調整の合わせ技も良さそうです)
最後に、音楽の中で聴いてみないと実際はわからないと思うので全体でどんなサウンドになったかも載せておきます! (パーカッションはグルーヴ的に必要だったので足してます。)
比較の為、基本ボリュームを触るだけで2mixを作りましたがドラムトラックだけ低音をさらに足した方が良さげだったのでDAWで30Hzあたりを少しブーストしてます。
(EQオンだけでなく2mix EQバイパスにも同じようにかけています。)
このようにDAWで最終的に微調整というのも実践的だと思います。
■ 2mix (bass, drums, electric piano EQ バイパス)
■ 2mix (bass, drums, electric piano EQ オン)
今のプラグインは優秀なもの多いですが僕のようなヴィンテージサウンド好きには実機のツマミに触れるのは、ものすごく創作意欲を掻き立てられるし、ひと手間かけたからこそのデジタルのみでは得られないアナログの独特の質感はやはり良いですね!
今回、一台しかないのでモノラルですが、DAW宅録派にはステレオでいろいろ通したくなり、もう一台欲しくなってしまいますね!
次回は同社のチューブオプティカルコンプ WA-1B をレビューする予定です!こちらもお楽しみに。
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