こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
いつもはギターと体のことについてのコラムを書かせていただいておりますが、今回はDIY系の内容でお話しさせていただきたいと思います。
数あるDIYの中でも手を出さない方がいい、と言われている作業が塗装やリフィニッシュ(再塗装)です。
これはギターの塗装を剥ぎ、塗装をし直すことを言い、とてつもなく大変な作業なのです。
塗装を剥がすのは時間・労力ともにかなり大変ですが、塗装をするのもかなり大変です。ギターによく使われている塗料はラッカー系やポリエステル系です。
基本的にスプレーで吹き付けるため自宅で行う場合、周りに色がつかないように養生したり、臭いがキツく換気必須であったり、乾燥させて何度か重ね塗りをする必要があったりとかなり気を使います。また塗装作業に慣れていないと、液ダレしてしまったり凹凸を紙やすりで均したりと失敗も多い作業です。
個人的にはにおいの問題で、明らかに体に悪そうなので諦めていました。
しかし、調べていくうちに塗料にもいろんな種類があることを知りました。
今回はその過程で知った“ミルクペイント”という塗料について紹介しつつ、その魅力についてみていきたいと思います。
よろしくお願いします!
ミルクペイントとは?
ミルクペイントとは、“ミルク原料”を使用した天然由来の水性塗料です。

魅力その1:においが少ない。
一般的な塗料にはさまざまな有害物質が含まれており、その代表格が揮発性有機化合物(VOC)です。VOCとは、常温で揮発(気体となって発散)する物質の総称で、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどさまざまな物質が含まれます。塗料を使うとこうした物質が空中に飛散します。においを嗅いで気分が悪くなるのも当然ですよね。その点、ミルクペイントはミルクカゼインと石灰を主成分とし、色の基となる顔料には黄土やアンバー、酸化鉄、油煙などの天然鉱物を使用しています。天然成分のみで作られているためあのキツイにおいはしません。(詳しく原料を見ると100%安全ではないみたいですが少なくとも通常使用で人体に悪影響はないそうです。) また色の種類も多いのが魅力です。
魅力その2:素人DIYでも塗りやすい。
上記しましたが、水性塗料なので水に溶け、また塗料の伸びがいいので刷毛やスポンジ刷毛なんかでも手軽に塗ることができます。服や床を汚してしまったり、ギターのパーツや本来塗装しない部分なんかに塗料がついてしまったとしても、比較的簡単に塗装を落とすことができるのも素人DIYからするとありがたいポイントです。
僕は刷毛を使い未塗装のギターに塗装をしたことがありますが、かなり塗りやすかったです。注意点として塗料の粘性が強いからか、刷毛で塗るとどうしても毛が抜けてしまいやすいです。個人的には刷毛で塗った時のヘアラインやムラを出したかったために刷毛を使いましたが、スポンジ刷毛の方が均一に塗料を塗りやすかったです。

魅力その3:アンティーク調な仕上がりで唯一無二なギターに
ミルクペイントの特徴として挙げられるのは、その仕上がりの良さです。他の塗料では出せない色味やムラ感がミルクペイントの最大の特徴です。 ギターをリフィニッシュしたい人の中には見た目を変えて唯一無二の自分だけのギターが欲しいと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし奇抜なデザインだと飽きがきそうで手が出しにくい。オイルフィニッシュだとシンプルすぎるし…。なんてお悩みの方にもミルクペイントはオススメです。市販されているギターとはかなり質感が変わってしまいますが、アメリカの古い家具なんかでありそうなアンティーク調な色味で、発色がよくぽってりした独特の塗膜はかなりかっこいいです。
ミルクペイントは天然由来がゆえに耐水性・耐久性に乏しいことが挙げられます。しかし経年による色ムラや退行、塗装の剥離も全てが“味”になリ許されるのがミルクペイントだと思います。
また重ね塗りも気軽にできるのが良いです。下地に白を使い、その上から違う色をわざと掠れたように塗ることで他の塗料では出せないアンティークな雰囲気を出すことができます。

いかがでしょうか!
少しでもミルクペイントの魅力が伝わりましたでしょうか?
DIYでの塗装、リフィニッシュは手間のかかる作業ですが、使う塗料とアイデア次第である程度ハードルは下げることができます。ミルクペイントの仕上がりが気に入った方はぜひトライしてみてください。
それではまたー!
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