

今日は傷彦流のデモテープ作成術を伝授しよう!
お、企業秘密を?
秘密ってほどのものでもないけどさ。
じゃ、やめときましょう。
冷た!まあ、デモ録音の秘密を知られたところで僕の真似はできないからね!
そうですね(棒)
もとい!これからオリジナル曲を作ろう!という方々にとって、僕の方法論や経験が役立てばいいなと思ってさ。
良い心がけです!が、しかし…このテーマは最近どこかで見た様な気が…まさか使いまわ…
ち、違うもん!ちゃんと加筆するしホーリーの意見もプラスされるもん!
わ、分かりましたって。そんなに焦らなくても(笑)では、どうぞ!
じゃあまずは定義から。デモテープとは、曲のイメージをメンバーやスタッフに伝えるための簡易的な音源。だよね?間違ってないよね?
そう…ですね。
ちょっと心配なのでWikipediaで調べるね。えーと、デモテープとは、制作途上の音源を収録したメディアのこと。作曲者や演奏家が自身の音楽的な能力を他者に評価してもらうために作成された曲(デモ音源)のことを指すことが多い。
だいぶ詳しくなりましたね。まぁデモンストレーション音源ってことですよね。
そうだね。ま、制作時だけじゃなくて、オーディションに応募する時のデモテープ、っていうのもありますよね。
あぁそうですね。ライブハウスに出演させてもらう時とかも提出しますね。
僕がデモテープ作る場合は主にメンバースタッフ用、ですね。
Wikipediaの続きがありますよ。「かつては録音媒体にカセットテープ、オープンリール等のテープ類が使われたため「デモテープ」との名称が付いたが、要はサンプル音源が録音できれば媒体は何でもいいため、CD-RやMDなどが使われることも多い。」と。
確かに今「テープ」は使ってないよね。しかし、MDって!今時MDって!
MDかぁ…何の略か思い出せます?
「マジ・で」
(振るんじゃなかった…)ミニディスク、ね。
ザ・キャプテンズ結成当初はマジでMDで渡してたな、デモ音源。
世代ですねえ。
さて!あくまでも我流、傷彦流ですが、デモテープというかデモ音源の作り方をご紹介!
はい!ようやく本題ですね。
まずは傷彦がデモを録るときの機材をこちら!zoomのデジタルMTR、機種名はR8!
ZOOM / R8 マルチトラックレコーダー
zoomっていうのはグループ通話アプリではなくて、エフェクターや録音機を作ってるブランドですね。
最近はアプリのほうのzoomも有名ですもんね。コロナ禍でリモート増えたから…まぁこのコラムを読んでくださってる皆さんはご存知でしょう。
一応初心者向けに説明しておきますとMTRっていうのはマルチトラックレコーダー の略。つまり、複数の楽器や声を重ねて録っていける機材。
あ、そこはボケないんだ?
もとい!MTRってのは「モ・テ・る」の略!
ウソはダメー!
ウソじゃない、個人の願望さ…!
さ…!じゃなくて。
R8、なので8種類の音を重ねられる。昔はね、カセットテープを使ってたんだけど、機材が進化して、このR8は 録ったデータをSDカードに記録するようになってる。
自分もR8持ってますよ。自分は作曲に使うというより、リモートで制作する際にベーストラックを録音するのが主かな。傷彦さんのソロ曲も、デモ段階での録音はこれで録りましたね。で、データをやり取りして色々確認する、と。しかし、カセットMTRは懐かしいですねぇ。
ね!最初に使ったやつは4トラックしか無かったからピンポン録音したりしてね!
そーでしたね。ピンポン録音…ここで説明しておきたいけど…先を急ぎましょう。
そこからMDを使ったMTRが出て、おお!デジタルで音質劣化が無い!頭出しも一瞬!とか驚いてたのもつかの間、MTRでCDが焼けちゃったり、データファイルとして出力出来たり!
MTRのデジタル化!めざましい進化ですよね。所謂HDを利用したヤツはローランドのVSシリーズが最初なんかな?出た時は驚きましたね。それがこんなに小さくしかもお手頃な値段で…凄い時代になったなぁ(遠い目)
ね!では実際に、このR8で楽器をひとつずつ録っていくね。まずはドラムパターンを決めよう。どれがいいかな…ドンタン、ドンタン、…なんとこのR8には100種類以上のリズムパターンが入ってるんだ。種類とBPMを選ぶだけ!よし、コレだ!
オーソドックスなエイトビート。まずはシンプルにしておくタイプですね。
うん!本チャンのレコーディングだと、ギターより先にベースを入れることも多いんだけど僕はベーシストではないので、まずはバッキングギターを入れちゃおう。ベースを入れないデモテープの方がメンバーが自由に弾けるしね。
そういえば、自分も傷彦さんからデモもらう時はベース抜きのが送られてきますね。
信頼の証さ!
ありがとうございます…ぶっちゃけ、ドラムがあれば、なんとなくリズムの雰囲気は分かるし、ギターがあればコード進行は分かりますもんね。
次はバッキングギターの音色を決めるね!なんとこのR8にはギター用、ベース用、ボーカル用のエフェクターがたくさん内蔵されてるんだ!100種類以上!微調整も可能!音色はまあ、ザ・キャプテンズで僕が弾いてるような音色に近づけておこう。コレかな!
こんなもんでしょうね。クランチ気味の。
ギター録りまーす!はい、録れた!
順調!
でさ、僕の昔っからのクセで、イントロに入る前にギターのカッティングというかブラッシングで、ジャッ、ジャッ、ジャッジャッジャッジャッてカウントを入れるんだ。今まで作ったデモ音源にはほとんどそのカウントが入ってるんだよ。テッドには笑われるけど。傷彦っぽいって。
そういえば貰ったデモ音源には全部入ってるかも。傷彦っぽい…なんか分かります(笑)
デモテープを丁寧に作る人だとさ、ドラムパターンをちゃんと作って、たとえば二小節のフィルイン、つまりオカズからイントロスタートして、歌に入る直前にまたフィルインがあって、、とかドラムパターンを打ち込んで作るんだけど、僕はそれが苦手で。ずっと同じリズムパターンが鳴ってて、その上にギターや歌を重ねてハイ完成!ってメンバーに送っちゃう。
うん。傷彦っぽい…まぁでも、なんとなくの構成が分かればいいですもんね。
そう!いいんです!作曲者からの情報や指示は最低限で、みんな自由にイメージして演奏してもらうほうが!それがバンドの面白さなの!みんなを信じてるの!
そういうことですよね。長年やってるバンドなら可能でしょうね。
えーと、どこまでいったっけ、みんなダイスキ!のところまで?
そんなこと言ったっけ?(笑)
そこはニュアンスで!
はいはい。バッキングギター録り終わったところまで、ですね。
じゃーさっそく歌を。メインボーカル録りましょう。
このR8には内蔵マイクまであるんです。これ、意外と使えますよね。自分はこの内蔵マイクでドラム録ったりしましたよ。意外と綺麗に録れる。
凄いよね、至れり尽くせり!まぁラフに録るなら内蔵マイクで良いけど、音質にこだわる人は外部マイクを接続しましょう。声のエフェクトを決めて…と。はい、録れた!
おつかれさまです。
次は…リードギターを録ろうかな?これはバッキングよりも歪ませよう。エフェクトはコレだ。歴史的名作エフェクターのシミュレートもたくさん!さすがzoom!
ですね。エフェクターからドラムマシンまで内蔵して…これ一台でほぼ済んじゃう…凄い時代になったなぁ(二回目)
さて!これでドラム、ギター二本、歌まで録れたぞ!
おお、だいぶデモっぽい!
この状態でミックスして送ってもいいんだけど、コーラスも録ろうかな。
そうしましょう
ホーリーも混ざって?
遠慮しときます。
ちぇっ。コーラスはさっきのメインボーカルと区別するために声のエフェクトも少し変えよう。それじゃあ録るよー!録った!
おつかれさまです
普段は僕はベースは入れません。よほどフレーズ指定があれば、ギターで入れておきます。今回はどーしようかな、あ!ベーシストみっけ!ホーリーに弾いてもらおう!
遠慮しときます(二回目)。
冷た!じゃーしょうがない、このMTRにはギターがベースみたいな音になるシミュレートエフェクトが入ってるから、これで自分で弾いて録っておこう、ハイ!
2オクターブ下げるエフェクトってことですかね?さすがに少し不自然な音色ですけど、気持ちというか雰囲気は伝わるんじゃないでしょうか?
OK!さて、これで素材は全部録りました!ドラム、ベース、バッキングギター、リードギター、ボーカル、コーラス、なのでトラックを6つ使ってます。
カセット時代ならピンポン必須でしたね。で、どんどん音質悪化…つくづく、凄い時代になったなぁ(三回目)。
次はミックス。それぞれの音を左右にふったり、音量を変えたり、音質を変えたりして、より聴きやすく伝わりやすくするんだ。そうだなあ、コーラスのパンをふって、イヤフォンで聴きながら、調節。はい、どーぞ!傷彦がひとりで頑張って作ったデモテープ!
傷彦さんっぽいざっくり感がいい味ですね。よく頑張りました!
でもね、バンドで実際音を出してアレンジしていくと、またすごいんだよ!
それがバンドの醍醐味ってヤツですね!
ところでホーリーが所属してるバンドはどんな感じのデモなの?
んー…自分が所属してるバンドだと、曲作りの段階では、ほとんどデモは作成しないですね。大体スタジオで弾き語りしながら説明するとか…たまに持ってくる人いますけど、それも傷彦さんくらいか、もっとシンプルなヤツですね。
なるほど。じゃあスタジオでジャムりながら組み立てていくパターンだね。
そうですね。なので、曲を作り上げるのに時間は掛かるかも。デモテープを作ったほうが作者の意図とか伝わるのが早いんでしょうけどね。
デモもそれぞれだね!よーし、伝わりやすいデモを楽しく録って、新曲たくさん作るぞー!そう、すべては?
二人で・愛ゆえに!
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