エレキギターはアンプで鳴らさないとならない!という想いで 前回、前々回 とブログを書きました。
今回は自宅で使えるチューブアンプについて考えたいと思います。
以前も書きましたが、よくある質問として『FenderのBlues Juniorは15Wだし家でも使えるの?』ということがあります。
FENDER ( フェンダー ) / Blues Junior IV, Black, 100V JPN
この答えはYESでもありNOでもあります。家でもそれなりの音量が出せる方なら家の練習でも使用できるでしょうが、ワンルームのアパートに住んでいれば家での使用は難しいでしょう。家で出せる音量が人それぞれ違うので万人にYESとは言えません。
5Wの練習用チューブアンプとして有名なFender Champ というアンプがありますが。
FENDER ( フェンダー ) / 57 Custom Champ ギターコンボアンプ
5Wなんてほんの小さい音しか出ないだろう!と思う方もいるようですが、触ってみると意外なほどの音量が出ます。アパートなどでは音が大きすぎて使用できなかったという話も聞くことがあります。
古い真空管アンプの多くは、小さな音しか出せない環境では使用しづらいことがあります。ビンテージスタイルな真空管ギターアンプは、ボリュームを0から上げていった時に音が出るタイミングである程度の音量が出ることがあるためです。
また、5Wなどの真空管アンプはシングルアンプと呼ばれ、パワー管(パワーアンプ回路部分に使用している真空管)が1本で構成されています。シングルアンプは、AB級のパワー管が2本入っている物よりブーンというような小さいノイズが多いということがあります。これはピックアップのシングルコイルとハムバッカーの違いみたいなものなのですが詳しい話は割愛します。そういうことがあると考えてください。
昔の機種の復刻のようなアンプは、そういった仕様上のノイズも当時物のようにちゃんと出るようになっていることがほとんどです。微妙なノイズは楽器店などで試した時は気にならなかったものの、家で鳴らしたらノイズが気になる!という話もよく聞きます。
そういった点では、近年発売されている真空管アンプの方が音量も下げられるしノイズも少なくてよい場合もあります。
という訳で、サウンドハウスで取り扱いのある自宅演奏に有用な真空管アンプをいくつか取り上げてみます。
MARSHALL ( マーシャル ) / DSL1C ギターコンボアンプ
伝統的な真空管のマーシャルトーンが1Wで楽しめる!というアンプです。音量はかなり小さくできるので、あまり音が出せない環境で使用するのには優秀なアンプです。
マーシャルサウンドが好きな方の自宅用アンプとしては最高峰の1台だと思います。
SUPRO ( スプロ ) / Delta King 10 Tweed & Black
このアンプも音量を下げての出力も可能です。
ビンテージスタイルによったサウンドながら現代的な機能も備えており、使い易さも併せ持ちます。
Laney ( レイニー ) / CUB-SUPER12 ギターコンボアンプ
このアンプは15Wですが、小さいボリュームでの下げ幅が大きくとってあります。インプットに1Wモードがあり、さらに音量を下げることも可能です(1Wのアンプになるわけではありません)。真空管アンプ15Wで12インチスピーカーを搭載しているので、音量がさほど大きくない演奏ならライブでも使えるかもしれません。
PLAYTECH ( プレイテック ) / NOVA Tube Combo 5W
こんな記事を書いていたらPLAYTECHから真空管アンプが発売されました。
さまざまなメーカーから発売されている5Wのチューブアンプというのは、基本的に先に上げたFender Champを元にしていることが多いです。
この機種はパワー管に6V6を使用しており、かなりChampリスペクトなアンプになっています。1Wスイッチを押すことで音量も抑えられるので、自宅用にはかなり有用です(1Wのアンプになるわけではありません)。真空管のクリーンサウンドを体感するためのアンプ入門機としても良いかと思います。
PLAYTECH ( プレイテック ) / NOVA Tube Combo 15W
こちらも15Wながら1Wスイッチを押すことで音量も抑えられるので、自宅用にはかなり有用です。上記の5Wはコントロールがボリュームとトーンのみなので小さい音量では歪みませんが、こちらはそれなりに歪みます。ヘビーメタルなディストーションサウンドではなく、ロック、ブルース向けの歪みの印象です。
かつ12インチのスピーカーを搭載しており、小規模ライブなどで使用することも可能でしょう。
という訳で、サウンドハウスで取り扱いのあるギターアンプをいくつか挙げてみました。
12インチや10インチなどのスピーカーは本来大きい音を出すためのスピーカーなので、小さい音が出せると言っても、良い音がするかどうかはまた別の話だったりします。小さい音にはやはり8インチ以下のスピーカーの方が向いているとは思います。
ただし製品紹介でも書いたように、12インチスピーカーを搭載しているモデルなどはライブでも使える場合があります。場合があるというのは、必要な音量はバンド自体の音量や使用する会場によって違うので何とも言えないところです。最近はライブバーで週末に演奏を行っているお店もあるので、そういった場所でよく演奏する方には有用だと思います。
筆者自身が地元に住んでいたころはそういった場所でよくライブを行っていたので、これについての考察はまた次回書こうかと考えています。
自宅で憧れの真空管サウンドを!と考えている方の参考になれば幸いです。