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現役バンドマンが語る~テセウスの船編~

2025-02-28

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 楽器

傷彦 & ホーリー 傷彦 & ホーリー

さてさて今回は?

テセウスの船って知ってる?

ん?知らないですね…

有名なパラドックスでさ

パラドックス?

Wikipedia によると…テセウスの船(テセウスのふね)はパラドックスの一つであり、テセウスのパラドックスとも呼ばれる。ある物体において、それを構成するパーツが全て置き換えられたとき、過去のそれと現在のそれは「同じそれ」だと言えるのか否か、という問題(同一性の問題)をさす。

…で?ひょっとしてそれが今回のテーマ?

それッ!

当たった(笑)

サオで言うと、どこまでパーツを取り替えたら「元のモノと違う!」ってなるのかと。

ほほ〜。基本的には元々のオリジナルのパーツが尊重されるべきなんでしょうけどね、実戦向けに色んなリプレイスメントがありますもんね。

では僕の場合!サオはテスコ ・スペクトラム5 です!

いつ見てもクセが強い。

実際にパーツ交換したのはペグ!

なるほど。確かに、交換してましたね。

チューニングを安定させたかった。

ちょっと不安定だったんですよね。

GOTOHのロックペグにしたら、弦交換もやりやすくなったよ。

良かったですね。

うん。ペグを替えたぐらいでは問題無し!

えーと、同一性について問題ないと言うことですね。あくまでも個人の感想として…

それっ!

ヴィンテージとかだと、ペグ交換は既にオリジナルではないとされますけど…

あくまでも、個人の感想だからね。あとは実際の改造点としてはピックアップセレクターのキャンセル。

そうでしたね、弾いてるとセレクターにぶつかるからという理由で。

それっ!リアのみで勝負!

潔し。これも結構重要で重大な改造だと思いますが…まあ、個人の感想ですので。

うん。ピックアップはね、僕としては替えてみたい気もする。

ピックアップ?それもまた重要な部分ですよ…?

G&Lのエスパーダっていうモデルに載ってるピックアップがテスコのと似てて、これ載せたらどんな音になるだろうって妄想したりするよ!

なるほど。ピックアップは出音にかなり影響しますからね…モノによってはまったくの別物になってしまう可能性も…しかし、傷彦さん的には…?

ピックアップ換装も問題無し!あくまでも僕は、ね!

はい。

ブリッジは…これもかなり個性的で。正直言って弦交換しづらいんで替えてもいいかなあ、なんて。

板バネアーム?は独特の雰囲気ありそうなので、これ替えちゃうとかなりの変化になると思うのですが…

それはそう。だが、そんなに使わないし(笑)チューニング精度の方優先かな。ただ、ブリッジカバーはロゴ付いてるしカッコいいから残して。

はいはい。見た目大事、ですよね。

あとは…ネックはこれで慣れちゃったから変わると少し困る。

グリップの話?握り込んだ感触とか?

うん、同一性に関わるほどじゃないかな!違和感、ぐらいの感じ!

ちょっとした違和感でも、ずっと弾くとなると大変だと思いますが…傷彦さん的には大丈夫?

だね!ネジとかノブとかピックガードとかも替えちゃっていいよ!ただ、ボディだけは…

ま、それを替えたら…今度こそ別物ですよね。

そーなの!麗しきジャーマンカーブなの!だからテスコ ・スペクトラム5 に関してはボディが一番のアイデンティティだと思う!

はいはい…え?ということは、ボディさえ変えなければ同一だと?

そうだね(笑)僕的には、だけどね。

なるほど…一番のアイデンティティさえ変更しなければ、同一であると…そこまで言い切っちゃう辺りが非常に傷彦さんっぽいですね。多分(笑)

ホーリーなら、スタインバーガーベースならどうかな?

スタインバーガーですか?んー…スタインバーガーは、XQモデルとXPモデルを所有してますが…基本的にはオリジナルのまま…かなぁ。

それは、オリジナルを尊重して、ということ?

まぁ、そうなのかな?あまり深く考えたことないけど(苦笑)

確かに、スタインバーガーもヴィンテージの一つと言えなくもないからね。

そう…ですね。ただ、XQのほうはストラップピンをロックタイプのヤツに交換はしてます。ダンロップのヤツ。

僕のテスコもロックピンにしてる。

ちゃんとオリジナルのストラップピンも保管してますよ?いつでも元に戻せるように。傷彦さんは、交換したオリジナルのパーツは保管してます?

んー、どこにあるんだろ?多分ないや。

流石(笑)保管してるとはいえ、元に戻すのも大変だとは思いますけどね…ネジ穴広がってるだろうから、戻す時はきちんとした工房とかにお願いすることになるでしょうけど。で、XPも交換したかったのですが…オリジナルのピンがちょっと特殊だったので、交換諦めましたね。

特殊?

なんかね…普通のネジではなく、六角レンチを使うタイプのボルト?で止めてあったので…多分、工房とかでお願いすれば交換出来たのかもしれませんけど、止めておきました。

後は、スタインバーガー用のダブルボールエンド弦ではなく、普通の弦が張れるように専用のアダプターを使ってますが…これは改造でもなんでもない…かな。

ダブルボールエンド弦の立場ないけど、だいぶ弦交換しやすくなるよね。僕が持ってるスタインバーガーギターもこういう構造。

それくらいかなぁ。ストラップピンと弦のアダプターくらい。それ以外は、基本的に、オリジナルのままです。といっても、両方とも中古での入手なので、前のオーナーさんが改造施してたら分かりませんけど…でも、多分、オリジナルじゃないかな…?

ふむふむ。

あ。そういえば、以前にもどこかで言ったと思うのですが、スタインバーガーのブリッジ部分のパーツでチューニングジョウというのがありまして…

これが、今までに二度ほど破損しまして…当然ながら、今現在純正品は入手困難ですので、ジョウを製作してる方を探して入手、交換してます。

へー、そんな人がいるんだね。

そうなんです。そんな奇特な方が(笑)ネットで検索するといくつか出てくるんですよね。こちらとしては有り難い話です。そんなこんなで、自分は、音に関する部分には手を入れずに、簡単なパーツ交換くらいであれば、同一…という認識かな。

なるほど。

自分が最初に手に入れたヘッドレスでもある、スピリッツシリーズのスタインバーガーモデルは、元々EMGのパッシブタイプのヤツが付いてましたが、それをEMGのアクティブタイプに交換してて…それは、自分の中では同一ではない…という認識かな。多分。

それはかなり音に影響しそう。

正直、同一かどうかなんて考えたことなかったからな…(笑)でも、ヴィンテージ楽器の世界だと、オリジナルであることが重要ですから、多分、ちょっとしたパーツの交換でも同一ではない、となるんでしょうね。

そうだね。オリジナル至上主義というか…ちょっとパーツ変わってるだけで値段かなり違ってくるもんね。経年劣化したパーツを純正品に交換しただけでもオリジナルではなくなるとか…凄いよね。

あれはもう違う価値観というか…プレイヤー目線とは違ってきますもんね。多分。ということで?話戻しますと、先程も言ったように、音に影響しない改造・交換であれば、同一といっていい、という感じですかね。自分は。そもそも、ベースを選ぶ際に音を気に入って選んでるので、そこは弄りたくない…かな。

ホーリーは音重視、傷彦はルックス重視ということがわかりました!

そういうことですね(笑)で、音に影響しない範囲で、自分が演奏しやすいように変えていく感じですね。なので、所有してるベースは、大体ストラップピンは交換してて、変更点はそれくらいですね。以前は、あるベースをツーボリュームからワンボリュームに変更することを考えたりもしましたが…それも、基本、音には影響しない変更ですし。

なるほど〜。

ま、厳密に云うと、パーツ交換する…なんならネジ一つ変えるだけで、音に影響するとはいいますけど、そこまでシビアな耳してませんので…(苦笑)

だな(笑)でも、スタインバーガーにヘッド追加したら「ムキー!こんなのボクんじゃない!」ってなるよね、きっと(笑)

論点ズレてます(笑)パーツ交換の話でしたよね?

ごめんごめん。今回は『テセウスの船』のパラドックスになぞらえた思考実験でした。

はい、なんか疲れました(笑)でもオリジナルパーツを尊重する人も、実用性を考えてリプレイスメントパーツを活用する人も、どちらもアリですよね。正解なんてあってないようなものですし。ね。

そう、すべては?

愛ゆえに!


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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傷彦 & ホーリー

一風変わったギター・ベース・エフェクターを愛する二人の現役バンドマンの対談形式でお送りしていきます。

傷彦(kizuhiko) 最後のグループサウンズ、ザ・キャプテンズのリーダー。
website www.thecaptains.jp
twitter https://twitter.com/captains_kizu

ホーリー(horry) ナショヲナル、らいむらいと、Sバのベーシスト。
website www.nacional.jp
twitter https://twitter.com/headless_bass

 
 
 
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