筆者は過去に某メーカーのお手軽ワイヤレスを使っていました。前やっていたバンドでは、ギターを弾きながら客席に乗り出して歩き回って椅子に乗ってXtimeでアドリブソロを弾いたりしていたなぁ……
お手軽タイプのワイヤレスは値段も安く、持ち運びも楽だったので便利でした。その一方、いくつか不満点も実際ありました。
例を挙げると……
- 音質の変化をどうしても感じる
- 他のワイヤレス機器との干渉で音切れする
- 電池が劣化したら変えられない
とまぁそんなことを感じつつもバンド辞めちゃったので特に新しい物を買うこともなかった訳ですが。さて、最近また新しくバンドを始めたのでもっといいワイヤレスが欲しいなぁと思っていたところ、なんとSHURE様より展示&デモ用の「GLX-D16+」をお借りできる話に!
SHURE ( シュア ) / GLX-D16+ギターペダル・ワイヤレスシステム
最近ではCory Wongのペダルボードにも入っているのを見ていたので気になっていたのよ!
と意気揚々とお借りして早速バンドのリハで使ってみましたので、その感想をつらつら書こうと思います!
なおギターワイヤレスの話になると『ギターはシールドケーブルで繋ぐ方がいいだろ!!』という意見が必ず挙がりますが、そう思う方はそれでいいでしょう。一度ワイヤレスを使うとあまりの楽さに手放せなくなるってなもんです。
音質
使用してまず感じたのが、「ワイヤレスを使用している」という違和感が無いということです。シールドケーブルで接続しているのかと錯覚するくらい音質が変わらず自然な出力でした。
ギターワイヤレスの音質の変化は、特にギター本体のボリュームを6~7あたりに落とした場合に劣化している感じが出やすくなります。GLX-D16+ではごく自然にクリーンサウンド時の音量の変化や、歪ませた時の歪み度合いの変化をつけることができました。以前使用していたワイヤレスではギターのボリュームを10にするとジャキッとした音になり、ボリュームを下げるとこもった音質になってしまっていました。
筆者はバッキングを弾くときにボリュームを少し下げてゲインを調整するなどのプレイを多用するので、これは驚きでした。同じようなギタースタイルの方にはおすすめですね。
音切れ
正直これに関しては1度スタジオで試しただけでは、どこまでどうなのかはわかりません。 2.4 GHz帯というのは近年おなじみになったBluetoothやWi-Fiも同じ帯域に属しており、現場によって状況は変わります。
以前使っていたワイヤレスでは、PAのミキサーがタブレットなどで操作できるワイヤレスタイプのミキサーだと途切れが発生することが度々ありました。スタジオのリハで使っていても他の部屋に入っているバンドの機材などの影響があるのか、使用していたら急に途切れるようになることも度々でした。
今回GLX-D16+を3時間使用していましたが途切れたり不安定になったりするようなことが一切なく、スタジオ常設のWi-Fiにスマートフォンをつないでみても影響がある感じがありませんでした。いろいろな場所で使用してみたいですね。
操作性
使ってみたところ、特に何をするわけでもなく受信機の電源を入れ、送信機の電源を入れると……

画像内の黄色矢印部分のLEDが左右に動き、送信機を探しているのがわかります。数秒でLEDが止まり勝手にペアリングされました。めちゃめちゃ楽です。もちろん複数台使う時などは個別にセッティングする必要があるわけですが、日本語のマニュアルが付属します、助かるぅ~。
SHUREの公式ホームページの商品ページの下の方の「ドキュメント-ユーザーガイド」から、より詳細なマニュアルが載っていますのでこちらもチェックしてください。
電源は9~15Vのセンターマイナスでもセンタープラスでもどちらでも使用できます。9Vで動作するのでペダルボードに組み込むことが可能な訳ですが、センター±両方使える方式は一部のパワーサプライでは使用できない場合があります(STRYMON「Ojai」では使用できないとのこと)。消費電流も最低定格400 mAと比較的大きいので基本的には同梱のアダプターや単独での電源を取ることを推奨します。
受信機はINPUTかOUTPUTのどちらかのジャックにプラグを挿さないと電源は入らないのでご注意ください。
その他
送信機も頑丈な筐体で作られており、落としても簡単には壊れそうにありません。特に送信機は落としたりする可能性が高い訳ですが、ガッチリと信頼感があります。
付属ケーブルのプラグは信頼のノイトリック製です。

また、付属の電池は単体での販売があるので予備を用意することができます。忘れ物をした時や電池が劣化した場合などのバックアップに持っておきたいですね。
SHURE ( シュア ) / SB904 リチウムイオン充電池
その他
実際に使ってみるとチューナーが便利で重宝します。ディスプレイも大きく見やすく、最近目が悪くなってきた筆者にとってはありがたいです(笑)

ワイヤレスのついでに簡易的なチューナーがついているのかな?と思いきや、チューナーの設定も細かく、基準音程を432Hz~447Hzまで変更に対応しているほか、ニードルかストロボ表示の切り替え、チューナーON時のミュートかライブかの音声出力の切り替え、ドロップチューニング対応など、さまざまな設定ができます。ペダルボードのチューナーがいらなくなってしまいますね……
総括
2.4G帯のワイヤレスは音が悪い、何てのはもう昔の話なのね……
弦を弾いてからのラグなど皆無に等しく、個人的に最近お気に入りのギタリストCory Wongがペダルボードに組み込むのも納得です。
要望があるとすれば、個人的な好みでしかないですが、ケーブルのプラグはノイトリックよりスイッチクラフトが好きなのでスイッチクラフトのプラグ版のケーブルなども発売してくれないかな、と思いました。
一度使うと手放せなくなるワイヤレス。昔AC/DCのアンガスヤングのインタビューで「ワイヤレスの方がどんな広い場所でも音質が変わらなくていいんだよ」というような記事を目にしたことがあります。それは確かにそうですが「そんな広い場所でライブやらないからいらないよ!!」と思う方も多いと思います。私自身が以前はそういった考えでした。が、実際にワイヤレスをスタジオや狭いライブバーなどスペースのない環境で使うと、あまりの動きやすさにびっくりしますよ。狭いからこそギターから垂れているケーブルがないことがこんなに楽だなんて!!と、思うことは間違いありません。
近年ではお手頃価格だけど音質もそこそこなワイヤレスは各メーカーから販売されているので、試してもらいたいところです。ハマってしまった方はGLX-D16+を購入することを検討してはいかがでしょうか?
そして今回GLX-D16+を触らせてもらって私は思いました。
『お金を貯めよう…!!』と