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ソニー C-80レビュー

2022-12-09

テーマ:PA

ホームスタジオ向けに開発されたソニーの新製品、「C-80」がついに登場です。どのような経緯で誕生したコンデンサーマイクなのか、そのポテンシャルはどれほどのものなのか。調べてみて分かったことや、実際に他のマイクと比較しながら使用してみたレビューも紹介させていただきます。

SONY ( ソニー ) / C-80

商品コンセプト

C-80のコンセプトは「ホームスタジオにプロのクオリティを届ける、ボーカル・ボイスコンテンツ制作用スタジオマイク」です。
これまでプロ向けに多くのマイクを発表してきたSONYですが、コロナ禍で拡大してきたホーム需要に応えるべく、C-80は誕生しました。エントリークラスの価格帯に突如現れた超新星に期待が膨らみますが、その背景には多くのクリエイターの創作活動を支えるために総力を費やしたメーカーの本気度が窺えます。

どのユーザー層におすすめなのか

ソニーが掲げるメインターゲットは、インディー・同人活動主体のクリエイターや、宅録で本格的な楽曲制作を行う商用案件主体のクリエイターです。他にもPodcastやYouTubeといった配信コンテンツの制作にも適したマイクであるため、それらの活動を始めたいと考えている方や、既に配信活動されている方で新たな1本を探している場合などにもおすすめなのがソニー「C-80」です。

C-80の主な特長

1. 音の存在感を際立たせるΦ25マイクカプセルの実装

高音質で定評のある上位モデル「C-100」に搭載しているマイクカプセルを踏襲しつつ、新開発されたマイクカプセルとなっています。

2. 近接効果を抑制し、安定した録音・配信を可能にするデュアルダイアフラム構造

そもそも近接効果とは何かというと、単一指向性マイクに接近して使用した場合、周波数特性上の低域特性が上昇する現象のことを言います。カラオケなどでマイクを口に近付けて歌うと、低音が大きくなったりするあれです。この近接効果を抑制するために、背面に振動膜を配置し(デュアルダイアフラム構造)、C-100の背面側マイクカプセルと同等の音響構造となる様に「音響移相回路」を採用しています。

3. C-800G / C-100から継承した「防鳴筐体構造」を採用

ボディの鳴きを低減することで濁り音を排除し、クリアな音を実現します。

  1. マイクケース:防振性と制振性を確保するため、比重の高い亜鉛ダイキャストを採用。
  2. メッシュ:高域の伸び、音のこもりに影響するため、C-100と同素材を選定。
  3. スリーブ:防振性と制振性を確保するため、比重の高い亜鉛ダイキャストを採用。
  4. リフレクタ:不要反射波による音質への影響を最小限にするため、固有音と癖の少ない材料を選定。
  5. ショックダンパー:「C-800G」の防振構造を踏襲した金属支柱間にゴムを挟んだショックダンパーを採用。防振性を確保しながらも芯のある音質を実現

4. 不要な低周波ノイズを除去するローカットフィルター搭載

5. 過大な入力音による歪みを最小限に抑えるパッドスイッチ搭載

実際に使用してみました

今回は様々な機種との比較を中心に、C-80の実力がどれほどのものなのか検証しました。

【比較対象】

  1. ソニー / C-100
  2. AKG / C414XLII
  3. WARM AUDIO / WA87
  4. SHURE / SM58
  5. SHURE / BETA57A

※すべてローカットなし、カーディオイド、パッド0dBにて計測

実際に使用して感じた印象

  • 他のコンデンサーマイクと比較してノイズが少ない。
  • Low/Middleが比較的強くEQなしでも使える音になっているため、EQ調整などに自信のない初心者でも扱いやすいマイクと言える。その代わり、EQやコンプ、リバーブなどエフェクトを入れる際は多少の調整ではこもった音になってしまう。
  • 出音がすでにエフェクトを使用しているかのように聴きやすい。
  • 小ぶりなので配置する際も省スペース化できる。
  • ボリュームが大きいかつコンパクトな分、ショックマウントがあっても振動などが伝わりやすい。
  • カーディオイドタイプなので正面からの音を拾う仕様ではあるが、他機種に比べかなり精密なため、正面から少しずれるだけでもボリュームがかなり下がる。

総評

録音した音だけで評価するならば、今回比較したどの機種よりも良かったです。
かなり原音に忠実で、特に中域~高域にかけてはハッキリとした印象、低域はマイルドで温かみのある印象を受けました。コンデンサーマイクでありながら、ノイズが乗りにくく、エフェクトを使わずともある程度はボリューム調整のみで曲に合わせることができました。配信者やこれからボーカル録音を始めるという初心者の方にも、自信をもっておすすめできるマイクです。マイクの性能は追求すれば切りがありませんが、C-80は今回比較検証した他のマイクにも引けを取らない性能を見せてくれました。何よりもこの価格帯でこのパフォーマンスは「凄い」の一言です。初めてのコンデンサーマイクに何を選ぶか迷ったら、C-80を検討してみてはいかがでしょうか!?

弓場 浩正

楽器は全くの未経験でサウンドハウスに入社。働きながら楽器や音響機器に触れることで知識を蓄えてきました。80~90年代のJ-POPばっかり聞いて育ったため、同世代よりも少し上の世代とカラオケに行くと一番盛り上がる希少性の高い平成生まれのBOΦWY信者です。初心者目線で皆さんの疑問にお答えします。

SONY / C-80

SONY

C-80

¥59,400(税込)

コンデンサー型マイクロホン

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