これからフルートを始める方、既に演奏経験があり、購入を検討されている方へ
失敗しない楽器の選び方とおすすめの機種をご紹介します。
数万円から数百万円という幅広いラインナップがあるフルート。
金やプラチナなど素材自体が高価なものや、人の手によって丁寧に仕上げられたハンドメイドの機種は楽器の値段が高くなります。
楽器は値段が高ければ高いほど、良い音色がすると思われがちですが、初心者の方は吹きこなしをはじめ、メンテナンスが難しく、価格も手を出しにくいということがあります
そこで、今回は初心者の方が押さえておくべき4つのポイントと、おすすめの機種をご紹介します!!!
1、管体の素材
楽器の価格と吹きやすさ、音色に大きく影響してきます。 フルートは頭部管・胴部管・足部管の3つに分解できます。

フルートの素材として、頭部管・胴部管・足部管この全ての部分が銀でできた楽器が一般的です。
そして、フルートの特徴である柔らかな音色はこの銀が大きく関わっています。
しかし、楽器を鳴らすために息のパワーやアンブシュア(唇で作る穴の大きさ)のコントロールなどが必要なため、初心者の方がすぐに総銀の楽器を吹きこなすのは少し難しいようです。
吹奏楽やオーケストラに所属される学生さんは少なくとも頭部管は銀製の楽器を最初から購入されると買い替えが少なく済みます。
頭部管が鳴るまでに少し時間はかかりますが、最初から良い響きで演奏できますよ。
そのほかの部分は、洋銀の管体に銀メッキをかけたものになります。
頭部管銀製の楽器は大体13~15万円くらいです。
予算的に10万円以内に抑えたいという方には、リッププレート(唇をつける部分)のみ銀製の楽器がおすすめです。
ジャズなどで持ち替え楽器として使用する場合も、マイクが音量を助けてくれるので、軽く吹けるリッププレートが銀製のものでも良いかもしれません。
リッププレート 頭部管の口を当てる部分 ↓

2、キィの配置
指で押さえるキィの配置は、インラインとオフセットの2種類があります。
▶ インライン
キィが一直線に並んでいます。

▶ オフセット
左手薬指のGキィが外側にせり出しています。 手の形に合った配置のため、キィを押さえやすい・構えやすい利点があります。

3、キィの種類

▶ リングキィ
穴は小さく見えますが、少しでも塞がっていないと息が漏れるため、音が鳴りません。 初心者の頃にはキィがきちんと塞がっていないのか、それとも吹き方が悪いのか自分で判断がつかない場合があります。 特に手の小さめな女性やお子様では慣れが必要になってきます。
フルート リングキィ オフセット一覧
フルート リングキィ インライン一覧
▶ カバードキィ
キィの真ん中に指を乗せるのが理想的ですが、押すのが少しずれていてもキィの上ならば穴が塞がるようになっています。
4、Eメカニズム
管楽器には楽器の特性上どうしても出にくい音があり、フルートの場合は低音のC♯や高音のEが代表的です。
なかでも高音のEは、とっっっても良く使われるのですが、音を出すのに少しコツがいります。
【おすすめの機種】
ここまでの解説から、頭部管は銀製、オフセット、カバードキィ、Eメカニズムという4つの機能を搭載したフルートを選べば、失敗はなさそうですね。
フルートは世界的にみても日本のメーカーが人気です。
ムラマツ、ヤマハ、サンキョウ、ミヤザワ、パール、アルタスなどなど様々ありますが、音色、音程の正確さとキィの精度が非常に高いことが理由として挙げられます。
これからフルートを始めるという方でも、国産のフルートを選べばまず問題はないでしょう。
何を選んだらよいか分からない…そんなあなたに「これを選べば間違いなし!」の人気のフルートをランキング形式で紹介します。
※ランキングは、サウンドハウスの売れ筋ランキングをもとに独自に順位付けをしたものです。
【No.1】 YAMAHA ( ヤマハ ) / YFL-312 フルート スタンダード
日本が世界に誇る楽器メーカー、ヤマハのフルートです。フルート独特の息づかいを正しく導くリッププレートの形、大きさ、角度のバランス、そして押さえやすく美しいキィなど、細部にまでこだわった設計。 最先端の技術で精密に作られた部品を、一本一本丁寧な手仕事で組み上げています。
【No.2】 PEARL FLUTE / フルート ドルチェ PF-665E
優れた信頼性と耐久性を支えるパールフルート独自のシステム、一本芯金、ピンレス・メカニズムを導入するなど上級モデルの基本性能を継承。また、見た目にも美しいポイントアームを採用し、耐久性も向上しています。
【No.3】 PLAYTECH / PTFL-300 フルート 頭部管銀製
国産メーカーの楽器は、作りも緻密で初心者の方におすすめですが、中々手が届きにくい…。そんな方にはPLAYTECH( プレイテック )はいかがでしょうか。
【No.4】 YAMAHA ( ヤマハ ) / YFL-517 プロフェッショナル フィネス
キイにはピントップアーム、キイカップにはハンドメイドのデザインを採用。高い操作性と高級感を実現しています。コントロールのしやすいType Am頭部管は、全音域でバランスが良く鳴り、心地よい吹奏感が特長。
【No.5】 JUPITER ( ジュピター ) / JFL700EC フルート ライザー銀製
世界的管楽器メーカーKHS社が展開するジュピターのフルート。軽やかな吹奏感と明るい響きが特徴。正確な音程と美しい音色、操作性にも優れています。頭部管とリッププレートの接続部である「ライザー」に銀を採用することにより、慣らしやすさとフルートらしい響きを両立したモデルです。
【まとめ】
はじめてのフルート選びには「管体の材質、キィの配置、キィの種類、Eメカニズム」の4点に注目してみましょう。
部活動に所属したりレッスンを受けたりする場合は楽器の購入前に指導者の方に相談されるのもよいかと思います。
自分の楽器を持つと練習にも意欲が増して上達も早くなります。
今回の記事を参考にして楽しいフルートライフをスタートさせてみてくださいね。
(2021-01-27 公開 2025-01-11 更新)