エフェクターは、電池または電源アダプターで電源供給を行いますが、多くのコンパクトエフェクターにはアダプターが付属していません。そしてその電源アダプターにはいろいろな種類があります。家に転がっていた電源アダプターを使ってみよう!なんてことは絶対にしないでください。ゲーム機のアダプターを接続してみたら煙が出たなんて事例も。。。もしそのような状態になってしまえば最悪、新品を購入するくらいの修理代がかかる場合もあります。そんな間違いをしないように、今回はアダプターの違いや種類について簡単に説明したいと思います。
【初心者向け】足元の宝石 ちょっとマニアックなエフェクター講座
第1回 オーバードライブ編
第2回 ディストーション編
第3回 ワウペダル編
第4回 フェイザー編
第5回 パッチケーブル編
第6回 電源アダプター編
1.タイプ
電源アダプターには、交流(AC)と直流(DC)の2つのタイプがあります。お使いの機器の電源仕様は、取り扱い説明書または、本体のマークを確認してください。直流(DC)の場合、下記の様なマークがあります。
※交流(AC)に±の極性はありません。

2.電流
ご使用のモデルの電流(A、mA)を確認してください。原則としてアダプターは、機器の必要とする電流以上のものを選びましょう。例えば機器の表記が800mA (0.8A)の場合は1000mA (1A)のアダプター、1500mA (1.5A)の場合は2000mA (2A)といった具合です。間違いだという方もいるかもしれませんが、基本的にアンペアは必要な分をエフェクター側が使うだけなので、多い分には問題ありません。アダプター側のアンペア数が低いと、エフェクターに十分な電流を送れなくなるため、電源が入らない、安定しないといった症状が現れます。
3.コネクター内径
お使いの機器の電源アダプター接続口をみてみましょう。多くのコンパクトエフェクターは2.1mm径ですが、大きい専用アダプターを持つ機材などは2.5mm径の場合もあります。エフェクター側が2.1mm径に対し、2.5mm径のアダプターを接続すると接触不良が発生するため、必ずぴったりのサイズのモデルを選ぶ必要があります。ただし、このサイズを測るのは非常に難しいです。前述のとおり、一般的なコンパクトエフェクターであれば2.1mmと覚えておいて良いかと思います。

4.極性
大半のエフェクターの電源には極性があり、センターがプラスのものとマイナスのものがあります。この極性の間違いや、AC-DC変換が必要な機器にAC-ACのアダプターを接続した場合は、部品が焼け、破損にも繋がりますので十分に注意してください。1で説明した極性マークがあるエフェクターに対しては、絶対にACアダプターを接続しないようにしましょう。
5.電圧
原則として記載された電圧のアダプターを使いましょう。 下図のように電圧の範囲が広いものなら、その数値内のアダプターをつかえることになります。ちなみに電圧を上げることで音圧が上がると言われています。

ここからは私の周りにあったアダプターを例にいくつかのパターンをみていきます。

→これは右下に極性があるのでAC-DCアダプターですね。 DC9V 1700mA (1.7A) センターマイナス

→全体をうつしてはいませんが、極性を示すマークがありません。さらにアウトプットにもちゃんとACと記載があります。よって AC9V 2000mA (2A)

→よく見ると極性マークが最初のモデルと違いセンタープラスになっていますね。 DC12V 1.0A (1000mA) センタープラス
こうやってアナタの身のまわりにあるアダプターをチェックしてみてください。
いろいろと難しく感じられるかもしれませんが、エフェクターの9割はほぼ、
「DC9V センターマイナス 内径2.1mm」
が採用されているといってもよいでしょう。
ギタリストの言う電源アダプターといえばコレというくらい定番の仕様です。呪文のように覚えておきましょう!
6. パワーサプライ
エフェクターを複数持っている場合、全てにアダプターを接続するのは大変です。テーブルタップを使って、いわゆるたこ足配線をするにしても、エフェクターの数分の電源アダプターが並ぶことになります。考えただけでも場所をとって大変そうですよね。そこで重宝するのがパワーサプライです。
パワーサプライが1台あれば、場所をとるアダプターはサプライ用のみ。あとはサプライとエフェクターをDCケーブルにて接続するだけで電源を供給してくれます。
※実際に1台のパワーサプライから、二つのエフェクターへ電源を供給しているところ

便利なパワーサプライですが、もちろん接続できる台数には限りがあります。組み込むエフェクターの数に応じてサプライのOUTPUT数やアンペア(A、mA)数の確認をしましょう。
OUTPUT数は接続できる数なので見ればわかるのですが、アンペア(A、mA)数については 「2. 電流」の項目で説明したとおり、エフェクター側が必要とする電流量(A、mA)を確認し、サプライの出力がそれを満たしているかをチェックします。
前述のとおりエフェクターの電源仕様は、
「DC9V センターマイナス 内径2.1mm」
が基本です。
現存するサプライではDC9V以外の出力が可能な製品もありますが、基本的には「DC9V センターマイナス 内径2.1mm」が基本です。
あると便利なパワーサプライですが、必ず所有するエフェクターの電源仕様を確認の上、商品選定するようにしてください。
→ パワーサプライ一覧
7. まとめ
今まで説明してきたものを一覧表にしてみました。所有するエフェクターとアダプターの適合確認の際にご活用ください。
エフェクター側 |
アダプター側 |
|||
電圧 |
対応電圧 |
= |
出力電圧 |
|
電流 |
消費電流 |
≦ |
最大出力電流 |
|
極性(DCのみ) |
極性 |
= |
極性 |
※交流(AC)に±の極性はありません。 |
端子 |
ジャック内外径 |
= |
プラグ内外径 |
■定番商品
角型の9V電池を使用する多くのエフェクターに対応する定番アダプター
・CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / 電源アダプター DC9V 0.5A 2.1mm センターマイナス
・BOSS ( ボス ) / PSA-100 ACアダプター
一昔前のMXRやRAT、Electro-Hamonix製品には、定番アダプターと組み合わせて使えます
→ VISUAL SOUND ( ビジュアルサウンド ) / 1SPOT C35 MINI
(2019-09-10公開 2021-03-01更新)