このブログは連載です。過去のブログからお読みいただくと流れが分かると思います。
前々回のブログはこちら
⇒ 弦楽器弓の話 3「弓についての基本的な知識を持とう~毛の張られ方=毛替え」
前回のブログはこちら
⇒ 弦楽器弓の話 4「弓についての基本的な知識を持とう~毛の張られ方=毛替え その2【毛の量】」
弓の毛替えの作業は大まかに言うと
- ① 古い毛を外して部品をばらし状態をチェック
- ② 各部の清掃を行う
- ③ 毛の交換を行う

①と②は通常ひとくくりで作業するものですが、今回毛替えをするドイツ弓は、ラッピングがかなり黒ずんでいます。せっかく毛替えをするのでラッピングも交換しようと思い今回はそのラッピングの説明に当てることにしました。
弦楽器弓の持つ部分、スティックで指の当たる部分には「ラッピング」が施されています。ラッピングは銀線、もしくは銀糸、銀メッキの銅線が巻かれています。高級品では美しく模様の付いた糸で巻かれている場合もあります。最近あまり見かけなくなった気がしますが、白黒のひものように見えるイミテーションの鯨ひげのものもあります。

ラッピングに接しているグリップはほぼ例外なく革を用いていますが、爬虫類系だったり、牛革だったりといくつかの種類があります。
今回は銀線+牛革(黒)でオーソドクスな仕様にします。

これは銀線のワイヤーです。買うと高価なものです。
古いラッピング、特に銀線は何もしなくても黒ずんできますがほこり、手の皮脂、汗、いろんな汚れが付着します。

これを磨くという方法もありますが、交換する方がよりきれいになるのは言うまでもありません。
外す順番に決まりはありませんが、今回は銀線から外していきます。

この銀線は末端が半田でとめられていました。
革部分は、内側に黒い糸が巻いてあって厚みを加えていました。接着剤で固まっていたので外すのにやや苦労しました。
銀線を巻く
新しい銀線を巻き直していきます。(後半ピントが合わずやや見づらくなっています)

適度なテンションをかけながら巻いていきます。銀線巻きの作業は慎重を極めます。一度ほどけるとまず元には戻らないので、最初からやり直します。
グリップの革の張替え

革は仕上がりが自然になるイメージでサイズを計り、きっちり長方形にカットし、端をナイフで斜めにすいて巻きつけた時に形が整うようにします。

ナイフで端をすいている作業の様子です。タイトボンドで張り付けて、ラッピング交換が終わりました。

ラッピングの交換と金属パーツの清掃が終わった状態です。
金属部分の清掃については以下に解説しています。
■ Before

■ After

金属パーツの清掃
今回はラッピングを主題にしたかったため、説明の順序が逆になりますが金属パーツの清掃についても簡単に説明します。
フロッグ、半月、スクリューの金属部分も磨きます。この弓は金属部分がニッケル部品なので「ピカール」(金属用研磨材の商品名)でどんどん磨きます。これがシルバーのパーツの場合はニッケルより柔らかいのでシルバーポリッシュを使うなど磨き方の方法を変える場合があります。
■ 磨く前

■ 磨いた後

※撮影時にライティングを誤り画像が黄色がかっています。金属部分の映り込みの度合いが異なるのはお分かりいただけるかと思います。
おわりに
このようにしてみると毛替えというのは「毛を換える前の準備」に比重がとても大きいということが良くお分かりいただけるかと思います。毛替えはそんなに短時間で終わる作業ではないと筆者は考えています。
こうした準備が毛替え作業全体の9割を占める、と言っても言い過ぎではないでしょう。そしてこうした作業をすると手は真っ黒になります。
「手を石鹸できれいに洗ってから」(すごく重要)いよいよ毛の交換をするわけです。
ではまた次回に。
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