「大いなる力には大いなる責任が伴う。」
いい言葉ですよね。あっ、突然失礼いたしました。皆さん観ましたか?
(´・ω`・)エッ?何の話かって?新作のスパイダーマンの映画に決まってるじゃないですか。
いやあ良かったですよね、まだ見てない人は観てきてくださいね。きっと感動するので。
私も手首から糸が出ないかなーと空想する今日この頃です。
さて、私のしょうもない話はこのくらいにして、突然ですが、PA機器の商品ページや説明書を見ていて、「……日本語で書いてあるはずなのに、何を言っているのか分からない」と思ったことはありませんか?
私はあります。というか、PA機器について勉強し始めたころは毎日のようにありました笑
ゲイン、インピーダンス、SPL、ファンタム電源、DSP……。
カタカナ!英語!アルファベット!!「音を大きくしたいだけなのに、なぜこんなに知らない単語が出てくるんだ……」
と頭を抱えたものです。
しかし、PAについて勉強していくと、よく登場する用語は意外と限られていることに気が付きました。
というわけで今回は、PA勉強中の私が最初「これ何!?」となった音響用語の中から、初心者の方にもぜひ覚えてほしい10個をピックアップしてご紹介します!
専門的なところまで突き詰めると非常~~~に深い世界なので、今回はあくまで初心者向け!
「なんとなく意味が分かるようになる」を目標に見ていきましょう!
1. ゲイン(GAIN)とは?
ゲインとは、入力された音声信号のレベルを、後段で扱いやすい大きさに調整するものです。
ミキサーを見ると「GAIN」と書かれたツマミがありますよね。

初めて見た私は思いました。
「これ、ボリュームと何が違うん???」
ざっくり言ってしまえば、ゲインはミキサーに入ってきた段階の信号を適切な大きさに整えるもの。一方、フェーダーなどのボリュームは、その後の音量を調整するものと考えると分かりやすいです。ゲインが小さすぎると十分な信号を得られず、大きすぎると入力段などでクリップし、音が歪む場合があります。
PAでは「とりあえず全部MAX!」ではなく、最初の入り口で適切なレベルにしてあげることが大切なんですね。
2. dB(デシベル)とは?
dB(デシベル)は、音の大きさや信号レベルなどを「基準と比べてどのくらい違うのか」表すときに使われる単位です。
PA機器について調べていると、とにかく頻繁に登場します。
「最大音圧レベル 130dB」
「ゲイン +10dB」
「フェーダー -5dB」
などなど。
最初は私も、「dB=音の大きさを表す単位でしょ?」くらいに考えていました。
しかし、実はこれだけではちょっと不十分。
dBは本来、2つの量の「比」を対数で表すための単位です。また「dB SPL」「dBu」「dBV」のように基準値を決めることで、音圧や信号レベルそのものを表す用途にも使われます。
例えば、PAスピーカーの商品ページでよく見かける「最大音圧レベル ○○dB SPL」という表記。
この場合は、スピーカーが出せる音圧レベルを表しており、数値が大きいほど、より大きな音圧を出せることを示す目安になります。
一方、ミキサーのフェーダーにも「0dB」「-10dB」などと書かれています。
ここで注意!フェーダーの「0dB」は「音量ゼロ」という意味ではありません!
初めてミキサーを触ったとき、「0なのに音出るんかい!」と思った方もいるのではないでしょうか。
フェーダーの0dBは一般的に「ユニティゲイン」と呼ばれ、フェーダー部分で信号を増幅も減衰もしない位置です。そこからフェーダーを下げて「-10dB」にすれば信号レベルを下げ、逆に0dBより上へ動かせるミキサーでは信号レベルを上げることができます。さらに少しややこしいのが、dBは数値がそのまま「○倍」を意味する単位ではないということ。dBは対数で表されるため、「10dB増えた=元の値の10倍」と単純に考えることはできません。
……対数。
急に数学の授業みたいになってきましたね。めちゃくちゃ文系の私はもう手を止めたくなります笑
安心してください。PA初心者の段階では、難しい計算式まで覚えなくても大丈夫です。
まずは、「dBは基準と比べた変化を表すために使われる」「同じdBでも、何について表しているのかを確認する」「0dB=無音ではない」
この3つを覚えておけば、PA機器の商品ページやミキサーの表示がかなり読みやすくなります!
特にPAスピーカーを比較するときは、単純に「○○W」という出力だけを見るのではなく、「最大音圧レベル(Max SPL)」にも注目してみてください。
……ところで、先ほどから出てきている「SPL」って何?
安心してください。
次の項目で解説します!
3. SPLとは?
SPLとは「Sound Pressure Level」の略で、日本語では「音圧レベル」と呼ばれます。
出ました英語3連単語!りぴーとあふたーみー。「さうんどぷれっしゃーれべーる」
……ハイ。
PAスピーカーの商品ページでは「Max SPL」「最大SPL」といった表記を見かけることがあります。
SPLは音圧レベルを表します。PAスピーカーの仕様では「Max SPL(最大音圧レベル)」として記載されることが多く、そのスピーカーがどの程度の音圧レベルを出せるのかを知るための目安になります。
※Max SPLはメーカーによって測定・算出条件が異なる場合があります。
初心者のころは「W(ワット)が大きい=絶対に音も大きい」と思ってしまいがちですが、スピーカーの音量を考える際にはW数だけでなく、こうした音圧に関するスペックも確認する必要があります。
「PAスピーカーを比較しているけど、W数以外はどこを見ればいいんだろう?」という方は、まずSPLという言葉を覚えておくと商品ページが少し読みやすくなるかもしれません!
4. インピーダンスとは?
インピーダンスとは、交流信号に対する電気的な抵抗を表す値で、単位にはΩ(オーム)が使われます。
……はい。
この説明だけで初心者の心が折れそうですね。私も折れました笑
中学生の時習った気がするなー、と。
PA初心者の段階では、まず「アンプとパッシブスピーカーを組み合わせるときに確認しなければならない重要な数値」と覚えておきましょう!
例えばパッシブスピーカーをパワーアンプにつなぐ場合、スピーカー側のインピーダンスとアンプが対応しているインピーダンスを確認する必要があります。特に複数のパッシブスピーカーを並列接続すると、アンプから見た合成インピーダンスが下がります。(例えば「8Ωのスピーカー2台を並列接続すると4Ω」)アンプの対応する最低負荷インピーダンスを下回らないよう注意が必要です。「端子があるから、とりあえずつないじゃえ!」は危険です。
パワードスピーカーの場合はアンプがスピーカーに内蔵されているため、「パワーアンプとスピーカーの負荷インピーダンスの組み合わせ」をユーザー自身で考える必要がないのも初心者にとって分かりやすいポイントですね。
5. MICレベルとLINEレベルとは?
MICレベルとLINEレベルは、音声信号の大きさ(レベル)の違いです。
マイクから出てくる信号は非常に小さいため、ミキサーなどで増幅して扱います。
一方、キーボードやミキサー、オーディオ機器などの多くから出力されるLINEレベルの信号は、一般的にマイクの信号より大きなレベルです。つまり、「どっちも音の信号なんだから同じでしょ!」ではないんですね。ミキサーに「MIC」「LINE」と書かれているのは、それぞれ想定している信号のレベルが違うからです。

接続するときは、「何を」「どの入力へ」つないでいるのか確認するクセをつけておきましょう!
6. ファンタム電源とは?
ファンタム電源とは、主にコンデンサーマイクなどを動作させるために、ミキサーなどから供給する電源のことです。
ミキサーを見ていると、「+48V」というボタンを見かけることがあります。

初心者からすると怖い。48Vって書いてあるし、押したら何か爆発するんじゃないの?もちろんそんなボタンではありません笑
一般的なコンデンサーマイクの中には、動作するために電源を必要とするものがあります。その電源をXLRケーブル経由で供給する仕組みがファンタム電源です。ただし、接続する機器によって対応状況が異なるため、何でもかんでも「+48V ON!」にするのはNG。
ファンタム電源を必要としない機器も多く、接続する機器によっては注意が必要です。使用前にマイクや接続機器の仕様を確認しましょう。
また、ファンタム電源をON/OFFするときには、スピーカーやアンプへの出力をミュートする、またはフェーダー等を下げてから操作するのが基本です。
7. パッシブスピーカーとパワードスピーカーとは?
PA機器では頻繁に登場する、「パッシブ」と「パワード」という言葉。スピーカーの場合、ざっくり言うと、
パッシブスピーカー=別途パワーアンプが必要
パワードスピーカー=パワーアンプを内蔵

という違いがあります。
パワードスピーカーはアンプとの組み合わせを考えなくてよいため、比較的シンプルにシステムを構築でき、屋外でのイベントなどの場合は、外部パワーアンプを用意する必要がないため、システム構成をシンプルにしやすいので、設営の手間も少し削減できるというメリットがあります。一方、パッシブスピーカーは別途パワーアンプが必要ですが、用途に合わせてアンプやスピーカーを組み合わせられる他、パワーアンプかパッシブスピーカーのどちらが故障しても入替しやすいというメリットがあります。「パッシブ=性能が低い」「パワード=性能が高い」という意味ではありません!どちらが適しているかは用途やシステム構成によって変わります。
8. DSPとは?
DSPとは「Digital Signal Processor」の略で、デジタル信号処理を行うプロセッサーのことです。
PA機器では、DSPを使って音声信号にさまざまな処理を行います。
また英語3連単語が来ました。りぴーとあふたーみー。「でじたるしぐなるぷろせっさー!」
…………ハイ。
なんだか必殺技みたいですね。
DSPを搭載したPA機器では、EQ(イコライザー)やリミッター、クロスオーバー、ディレイなど、さまざまな音声処理を行えるものがあります。最近ではパワードスピーカーやパワーアンプなどでもDSP搭載モデルをよく見かけます。「DSP搭載って商品ページに書いてあるけど、結局何ができるの?」という疑問については、以前の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
⇒ 【いまさら聞けない!】DSP(Digital Signal Processor)っていったい何!? ~パワーアンプ編~
9. フィードバック(ハウリング)とは?
マイクを使っていて突然、「キーーーーーーーーン!!」という大きな音が鳴った経験はありませんか?
びっくりしますよね。私はあの音が苦手です笑
これは、スピーカーから出た音をマイクが拾い、その音が再びスピーカーから出て、さらにマイクが拾う……というこの音響的なループの中で特定の周波数が繰り返し増幅され、発振することで起こる現象です。一般的には「ハウリング」と呼ばれることも多いですね。
対策としては、
- マイクとスピーカーの位置関係を見直す
- 必要以上にゲインや音量を上げない
- EQで問題となる帯域を調整する
などがあります。
PAでは単純に「音量を上げればOK!」とはいかない理由のひとつですね。
10. DI(ダイレクトボックス)とは?
最後はこちら。
DI(ダイレクトボックス)は、楽器などのアンバランス信号をバランス信号に変換したり、インピーダンスを変換したりして、ミキサーへ送りやすくする機器です。バランス伝送にすることで、長いケーブルを引き回す際のノイズの影響も受けにくくなります。楽器などの信号をPA機器へ適切に送るために使われる機器です。
ライブ会場でベースやエレアコ、キーボードなどを接続するときに登場することがあります。
「楽器からミキサーにつなげばいいんじゃないの?」と思うところですが、DIには信号の変換やインピーダンスの調整、長いケーブルを使用するときのノイズ対策など、PAシステムで楽器の信号を扱いやすくする役割があります。
DIにもパッシブDIとアクティブDIがあり、アクティブDIでは電池やファンタム電源を使用するモデルもあります。

ここまで来ると、「おっ!さっき出てきたファンタム電源とパッシブ・アクティブがまた出てきた!」となりませんか?そうなんです。PA用語は一つひとつを見ると難しそうなのですが、基本的な言葉を覚えていくと、それぞれの知識が少しずつつながっていきます。
今回は、私がPAについて勉強し始めたころに「これ何!?」となった用語を中心に、
- ゲイン
- dB
- SPL
- インピーダンス
- MICレベル・LINEレベル
- ファンタム電源
- パッシブ・パワード
- DSP
- フィードバック(ハウリング)
- DI(ダイレクトボックス)
の10個をご紹介しました!
PAの世界には、まだまだたくさんの専門用語があります。
最初からすべて理解しようとすると、「PA、難しすぎる!!!!」となってしまいますが、大丈夫です。私もまだまだ勉強中です笑
まずは商品ページや説明書を見たとき、「あ、この言葉見たことある!」くらいから始めてみましょう。ゲインの意味が分かる。MICとLINEの違いが分かる。「+48V」を見てファンタム電源だと分かる。パッシブスピーカーを見て「アンプが必要だな」と分かる。
それだけでもPA機器の商品ページが以前よりずっと読みやすくなるはずです!そして分からない言葉が出てきたら、一個ずつ調べていけばOK!
私も引き続き、PAの知識をどんどん吸収していきたいと思います!
じゃあな。






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