今回は、筆者が実際に試聴したポータブルオーディオプレイヤーについて、操作感から音質、使い勝手までじっくりレビューしていきます。コンパクトな筐体に込められた本格的な音作りと、ホームオーディオとしてのポテンシャルに注目です。
Astell&Kern ( アステルアンドケルン ) / PD10
目次
- 手に持った第一印象:コンパクトだがずっしり重厚
- ホームオーディオとしても優秀!クレードル活用の魅力
- 操作性:スマホライクで直感的なUI
- 音質・出力性能:まさに「すべての音が聴こえる」フラットバランス
- 音質の印象
- 出力性能と「スマートゲイン」機能の便利さ
- 総評
手に持った第一印象:コンパクトだがずっしり重厚
持ったサイズ感としては、少し厚みのあるスマートフォンのよう。ずっしりと重みがあります。
普段から持ち歩いて音楽を聴くこともできますが、自宅でゆっくり聴くスタイルの方が得意な印象。角張ったデザインとなっているため、持ち歩く際は付属のケースを使うことをおすすめます。
ホームオーディオとしても優秀!クレードル活用の魅力
気に入ったポイントは、付属のドッキング型のクレードルを使用すればホームオーディオとしても活用できるところ。この機能があれば、イヤホン、ヘッドホンだけでなく、再生機器を変えずに、出力機器による音質変化を少なくモニタースピーカーで聴くこともできて、曲の細かな調節を確認するのにもってこいです。

操作性:スマホライクで直感的なUI
操作感は一般的なスマートフォンと同じ感覚で操作できます。サイドにボタンが配置されており、直感的な操作性です。

音質・出力性能:まさに「すべての音が聴こえる」フラットバランス
試聴環境
- 3.5mm ステレオアンバランス接続
機器:acoustune RS THREE / FitEar Private 223 MH335DW / Ultimate Ears UE9000 - 4.4mm ステレオバランス接続
機器:acoustune RS THREE
試聴した楽曲ジャンルは以下の通り
- 吹奏楽 / 管弦楽
- J-POP
- 多人数アイドルグループ など

音質の印象
楽曲は吹奏楽と管弦楽、JPOP、多人数アイドルグループの複数楽曲を試聴し、聴き比べをしてみました。
まず、第一印象はとてつもなくフラットなバランスで全ての音が聞こえるとういうこと。
分離感が素晴らしく、多人数アイドルグループの1人1人の声やニュアンス、癖がはっきりと聴こえます。コーラスや合いの手も楽器隊に埋もれることなくはっきり聴こえるので、曲を聴いた時の満足度が高く感じられました。
解像度も高く、吹奏楽や管弦楽、またドラムやギター、ベースといった各楽器の再現性、曲中や終わりの空間的な余韻まで再現性に優れ、1曲を分析的に聴くオーディオファンにとって、まさに理想の音ではないでしょうか?
わたし自身、吹奏楽経験があり、実際にホールでの演奏を聴いてきた経験がありますが、ここまで違和感なく聴く事ができるものは初めてで、非常に驚きました。

出力性能と「スマートゲイン」機能の便利さ
出力はパワフルで、どんなイヤホン、ヘッドホンでも十分に駆動可能だと感じました。
特に良いと感じたのはスマートゲイン機能。これは接続した機器のインピーダンスを瞬時に確認し、適切なゲインに自動設定するものです。
私自身、所有しているイヤホン、ヘッドホンがローインピーダンスかハイインピーダンスか判断できず、適切なセッティングで聴く事ができない事があると感じています。
このスマートゲイン機能があれば、どんな機材を使っていても適切なセッティングになり、イヤホン、ヘッドホンの特性をどんな環境でも全て引き出す事ができてしまいます。
総評:分析的リスニングから日常のリスニングまで網羅
全体的に楽器の分離感と解像度が高く、分析的に聴くことに優れていると感じたため、ミキシングのチェックで使用しても変化がわかりやすいと思いました。
モニター用途で使用するのも良し、ポータブル環境で好きな楽曲をじっくり楽しみたい人にもおすすめできるプレイヤーです。