オーディオ機器の老舗メーカーであるSHUREが新たに開発したボーカル用ダイナミックマイクロフォン、Nexadyne 8 が発売されました。今回は実際に使ってみた感想なども一緒に、このマイクの魅力についてご紹介します。
製品特長
Nexadyne 8/C カーディオイド・ダイナミック・ボーカルマイクロホンは、プロのボーカリスト向けのライブパフォーマンス用マイクロホン。Nexadyne 8/S は、ライブパフォーマンス向けのスーパーカーディオイド・ダイナミック・ボーカルマイクロホンです。
SHURE独自のRevonicデュアルエンジンテクノロジー(特許取得済み)を搭載し、細部まで精密に設計された2つのトランスデューサーが連携することにより完璧なオーディオパフォーマンスを実現します。クリアで自然な音声を忠実にとらえ、会場全体にありのままのボーカルを届けます。Shureの厳しい基準をクリアしたNexadyne 8/Cは、信頼性、耐久性、品質すべてにおいて優れたパフォーマンスを発揮します。
- デュアルトランスデューサーの音声信号処理により、必要最低限のEQでクリアかつ忠実なボーカルサウンドを実現。
- 業界をリードするShureの高い技術と、信頼性のあるイノベーションを提供。
- 凹みに強い硬化鋼製グリル。
- ジッパーケース、マイクホルダー、3/8インチ-5/8インチ変換ネジ付属。
- ブラック仕上げのXLR接続。
Revonicデュアルエンジンテクノロジーとは何か
- トランスデューサーを2基搭載、それらを電気的に接続することにより、加算チューニング、減算チューニングを可能に。明瞭さを向上させると同時に、ハンドリング・ノイズなどの不要な音も排除。軸外の音を排除する。
- 音響信号処理により卓越した音質を提供し、エンジニアによる一般的な補正EQの必要性をなくし、ソースのよりクリアな中音域の収音を実現
- ハンドリング・ノイズをほぼ第2エンジンで排除

実際に使用してみました
まず感じたのは本体の軽さです。トランデューサ―を2基搭載していて見た目もどっしりとした印象なので、SM58よりも多少重さがあるのかなと思っていましたが、じつは300g以下というボーカリストにとても優しい重さ。音についてはNexadyne 8/CもNexadyne 8/Sもローがすっきりしており、クリアでメリハリのある音となっています。ドラム収音のオーバーヘッドにも使えそうな感じです。
なかでもNexadyne 8/SはBETA 58と比較するとピークがミッド寄りでハイが出すぎないので、このマイクを好んで使うボーカリストは今後増えてきそうです。
仕様
NEXADYNE 8/C | ![]() |
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タイプ | ダイナミック型 (ムービングコイル方式) | |
指向特性 | カーディオイド | |
周波数特性 | 50~20,000 Hz | |
出力インピーダンス | 300Ω | |
感度開回路 電圧 @1kHz、標準 |
-54.0 dBV/Pa (2.00mV) 1Pa = 94dB SPL |
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質量 | 9.10 oz (258g) | |
コネクター | プロオーディオ用3ピン (XLR)、 オス | |
外装仕様 | ブラック塗装のダイキャストアルミ製 | |
製品名 | NXN8/C-J |

NEXADYNE 8/S | ![]() |
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---|---|---|
タイプ | ダイナミック型 (ムービングコイル方式) | |
指向特性 | スーパーカーディオイド | |
周波数特性 | 50~20,000Hz | |
出力インピーダンス | 450Ω | |
感度開回路 電圧 @1kHz、標準 |
-51.0 dBV/Pa (2.81 mV) 1Pa = 94 dB SPL |
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質量 | 10.3 oz (294g) | |
コネクター | プロオーディオ用3ピン (XLR)、 オス | |
外装仕様 | ブラック塗装のダイキャストアルミ製 | |
製品名 | NXN8/S-J |

ダイナミックマイクロホン比較表
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SM58® | BETA® 58A | NEXADYNE 8/C & 8/S | KSM8 | |
イメージ | 50年以上の歴史を持つ レジェンドマイクホロン | 30年以上の歴史を持つ 誰もが必要とするマイクロホン | Revonic TM デュアルエンジンテクノロジー搭載 高性能ボーカルマイクホロン | DualdyneTM デュアルダイヤフラム設計 プレミアムマイクロホン |
サウンド | 低域から高域までしっかり伸びる 業界標準のプレゼンスピーク | 明るく抜けの良い音質 タイトな指向性パターン | 2つのトランスデューサーが相互に作用し、クリ アで忠実なボーカルを再現 収音軸外の不要な音声信号を排除 | 2枚の極薄ダイアフラムが近接効果を制御 安定したスイートスポットを大幅に拡大 |
使いやすさ | 世界中のユーザーが さまざまな会場、用途、シーンで使用する 業界のスタンダードマイクロホン | スーパーカーディオイド特性により、 高いゲインでハウリングを抑える | カーディオイド、スーパーカーディオイドの2種類展開 必要最低限のEQで理想のボーカルを再現 | 極めて均一なカーディオイドパターンで 軸外音を抑制し自然なサウンドを実現 |
利点 | エアー式ショックマウント・システム搭載 | 強化グリルとネオジムマグネットによるパワフルな出力 | 常に時代の先を行くShureの 最先端トランスデューサー設計 | 防水に迫る耐水性 へこみ耐性の強い炭素鋼グリル |
Nexadyne 8/CとNexadyne 8/Sは、指向性の他にも、「感度」「出力インピーダンス」「重さ」が異なります。動きの多いライブパフォーマンスなら8/Cを、しっかりと歌い上げるなら8/Sがおすすめ。
周波数特性を見てもコンデンサーマイクかな?と思わせるスペック。実際に、ハンドヘルド型のコンデンサーマイクであるBETA87Aと比較しても引けを取らない音でした。ハンドリング・ノイズも全然気になりません。これなら初心者でも扱いやすくて、どんな環境でも安心して使えるマイクと言えますね。
既にSHUREのダイナミックマイクを持っているという方は、こちらの比較表でどんな違いがあるのかチェックしてみてください。
アクセサリー
Nexadyne 8には、持ち運びにも便利な専用ケースとマイクホルダーが付属しています。
マイクポーチよりもしっかりした作りのケースなので、安心して持ち運びできるのはうれしいです。

まとめ
いかがだったでしょうか。SHUREが新たに開発した新技術を搭載したダイナミックマイク「Nexadyne 8」。
いまもなお世界的定番マイクとして君臨するSHUREですが、その進化は留まることを知らないようです。「だれでも扱いやすくて音が良い」というシンプルかつ難しい課題を、見事にクリアしたマイクだと思います。
これから多くのステージでお目にかかることになりそうなNexadyne 8を、ぜひ直接手に取って体感してみてください。